日本版「味覚の一週間」

ピエール・エルメ・パリによる「シェフ in キャンパス」

開催日時 10月26日(水)13:45〜16:30

ピエール・エルメ・パリによる「シェフ in キャンパス」世界的に有名なピエール・エルメ・パリのエグゼクティブ・シェフのリシャール・ルデュ氏が、お茶の水女子大学生活科学部食物栄養学科2年生の学生を前に特別授業を行いました。
講義室でフランスのスイーツと文化、ピエール・エルメの歴史と味覚の世界についてレクチャーした後、調理実習室へ移動し学生たちと一緒にデザートを作りました。

 

ルデュ氏の講義の前には、東京ガス「食」情報センターの小西雅子が、「味覚の一週間」について、本国フランスの歴史や内容と日本における活動の概要について解説しました。



【講義】

ルデュ氏は、クリスマスやバレンタイン、イースターなど日仏の過ごし方の違いを例に挙げながら「フランスでは、行事とお菓子との結び付きが強く、ともに歴史をきざんできた。パティシエたちは、お菓子を通じて文化を守り伝えることをミッションに思っている」と、フランスにおけるお菓子の存在の深さについて語りました。
 
ピエール・エルメの代表的なスイーツ、マカロンとチョコレートが試食用に配られると一気に講義室は盛り上がりました。
ピエール・エルメのマカロンといえば、斬新なフレーバーの組み合わせに定評があります。
「それは試行錯誤の結果生まれるのではなく、ピエール・エルメには最終的な味のイメージがあって、それに向かって記憶の中にある味覚の引き出しからそのイメージに合うものを組み合わせて完成させていきます。最初にどんな味覚を出したいか余韻に何を残したいか、すべてイメージがあります」とルデュ氏。
 
学生からは試食したクレームブリュレのマカロンの味覚の構成や今気になる食材についてなど、活発に質問が出ていました。

講義風景

【特別デザート作り】

特別デザート作り学生と一緒に作ったのは、グラスデザートの「エモーション キャレ ブラン」です。
洋梨のジュレ、ローストクルミ、クランベリーと洋梨のコンポート、ナッツ入りビスキュイ、メープルシロップ風味のマスカルポーネクリームが層をなし、ホワイトチョコレートをトッピングした贅沢なデザートです。


実習では、洋梨のジュレ作りからはじまり、ビスキュイ、コンポート、マスカルポーネクリームと時間のかかるものから順に作っていきました。
材料の切り方、シロップの煮つめ加減、ビスキュイの生地作りと焼き加減にいたるまで、すべてのプロセスをご披露くださいました。
また、デモンストレーションの途中には、各材料の役割やデザート作りにおける温度と時間管理の重要性などについても説明してくださいました。
学生は、メープルシロップを煮つめたり、コンポートを切ったり、グラスに入れる作業に参加。一流シェフとのデザート作りを楽しみました。

実習

目の前で繰り広げられたできたての「エモーション キャレ ブラン」を全員で試食しました。
「上から順番に食べていくのではなく、スプーンを下まで入れて味わってください。グラスデザートでは食感の組み合わせを大切にします。ナッツ入りのビスキュイの食感が全体のまとめ役になっています」とルデュ氏。

試食


授業を受けた学生からは、次のような感想が聞かれました。
「講義の中では、ピエール・エルメが、自国の伝統文化を大事にしつつ、その一方で常に新しいことを発信しているという話が印象的でした」
「ピエール・エルメの味覚を生み出すときの話を聞いて、日ごろから味覚を意識し引き出しをたくさん持つことの大切さを感じました」
「メープルシロップ風味のマスカルポーネクリームを作るときの卵黄を温める温度が、卵黄の物性と殺菌の両方を計算したものであるということを聞き、デザート作りの繊細さに驚きました」
「エモーションはボリュームのあるデザートでしたが、洋梨のジュレなど絶妙な組み合わせで最後までおいしくいただけました」
「クリームやジュレのなめらかな舌触りとビスキュイとクルミの食感が新鮮でした」


一流シェフの講義を聞き、また、デザート作りの全工程を目の前で見学し参加できたことは、学生にとって貴重な体験になったようです。