日本版「味覚の一週間」

フランスと日本のBENTOシンポジウム 藤野真紀子先生×ステファン・ブロンシェフ

フランスと日本のBENTOシンポジウム 藤野真紀子先生×ステファン・ブロンシェフ 料理研究家であり、「みんなのおべん党」党首として、手作り弁当を推進している藤野真紀子先生と、長年エリゼ宮の国賓の晩餐会にて腕をふるわれたミシュラン二つ星シェフのステファン・ブロン氏が、自国の代表的な弁当の調理デモンストレーションを交えながら、弁当文化について対談を行いました。

 

*お弁当を作る楽しさ、食べる喜びを伝えるために生まれた、『オレンジページ』と朝日新聞の全国版朝刊『ボンマルシェ』による共同企画。



ブロンシェフがはじめて日本の弁当文化に触れられたのは、2005年の来日時とのこと。ブロンシェフは「フランスでも自分のため、家族のためにお弁当が作られていますが、フランスでは今、特に弁当箱が人気です。オードブルを弁当箱に盛り付けて供するレストランもあります」と、フランスの弁当事情を説明。一方、ご家族のために長年お弁当を作ってこられた藤野先生は「子どもたちは9〜10年の間、弁当を食べて育ちます。弁当を通して子どもたちの味覚が育ち、家庭の味が受け継がれていきます。次世代を育てていくうえで弁当の役割は大きいと思います」と、弁当の大切さについて語られました。


日仏のお弁当と調理デモンストレーション

日仏のお弁当と調理デモンストレーション当日は、ブロンシェフと藤野先生がそれぞれ手作りのお弁当を用意。そして、その中からメインのおかずを実際に作ってくださいました。ブロンシェフは「サヴォア地方のオムレツ」、藤野先生はしょうゆの香りが香ばしい「鶏の照り焼き」でした。「サヴォア地方のオムレツ」は、ベーコンと玉ねぎにサヴォア地方特有のチーズが入ったやさしい味わいのオムレツでした。

 

藤野先生がご用意された和風のお弁当に対して、ブロンシェフは「和食の五色の考え方を知り勉強になりました。日本の調理法なども取り入れていきたいと思います」と、日本料理独特の考え方や調理法に興味を示されました。


藤野先生の和風弁当 ブロンシェフのフレンチ弁当
ブロンシェフのフランスのお弁当に対して、藤野先生は「フランスのエスプリを感じます。彩りや、オムレツにのせたハーブの盛り付け方など、繊細で美しいお弁当です」とコメント。



弁当文化のこれからについて

日本では、家庭の弁当からプロのシェフが提供する高級弁当まで、弁当がブームになっていますが、フランスでも今後の広がりに注目が集まっているとか。フランスにおける弁当の発展についてブロンシェフは「フランスでもシェフが作る高級なお弁当も出てくると思います。食はイノベーションですから、時代に合わせて様々なスタイルのものが出てくるでしょう。でも、そこで共通して大事なのは、食べる人に喜んでもらえるものであるということ、これが基本だと思います」と語られました。
日本では、ファストフードの弊害など子どもたちを取り巻く食の環境が問題になっています。藤野先生は「今、手作り弁当がブームですが、子どもたちの味覚が健全に育つような方向に進んで行けばいいなと思います。また、悲しいことがあったとき、心が疲れてしまったとき、お弁当で勇気が出ることがあります。お弁当は心の栄養にもなります。買って来てもいいですが、1〜2品は手作りしましょう。できるかぎり手作りしようという気持ちが大切です」と、呼びかけられました。

 



「BENTOコンクール」を開催

「味覚の一週間」の口火を切って行われた「BENTOコンクール」。「BENTO」は、クール・ジャパンの海外戦略のコンテンツとしても取り上げられていることから、経済産業省の後援を受けて開催されました。全国から「五味をバランスよく味わえる、家族のためのBENTO」をテーマに弁当を募集。全国から約450件の応募があり、その中から書類選考で選ばれた6名が10月21日(日)にスタジオプラスジーギンザで行われた最終選考会の実技審査に進みました。
審査の結果、優勝に輝いたのは、広瀬妙子さん(大分県臼杵市)の「1人暮らしの母への思いやり秋の香りの弁当」。見た目の美しさや味はもちろん、隠し包丁を入れて食べやすくするなど細やかな心遣いの感じられるお弁当でした。
審査員は中村勝宏氏(日本ホテル株式会社取締役)、アンドレ・パッション氏(レストラン・パッションシェフ)、藤野真紀子氏(料理研究家)、小西雅子(東京ガス株式会社「食」情報センター所長)、特別審査員のアンヌ・ラタイヤード(フランスの人気料理ブロガー)氏。

 

「BENTOコンクール」を開催