日本版「味覚の一週間」

フレデリック・マドレーヌ氏による「シェフinキャンパス」

パティスリー「ル・ポミエ」のオーナーパティシエ・フレデリック・マドレーヌ氏が、お茶の水女子大学生活科学部食物栄養学科2年生の学生を対象に特別授業を行いました。
マドレーヌ氏は、200年の歴史を有するパリの老舗パティスリー「ダロワイヨ」のシェフ・パティシエを長年務め、2009年にはフランスの国家功労章シュヴァリエを受章した著名なパティシエです。 授業では、「味覚」に関する講義とクレープの調理実習を行いました。

 

フレデリック・マドレーヌ氏による「シェフinキャンパス」マドレーヌ氏の講義の前には、東京ガス「食」情報センター主幹の杉山智美が、「味覚の一週間」について、その歴史とフランスと日本両国の活動概要について説明しました。



講義

テーマは「パティシエの視点からみた味覚」。4つの基本味とそれぞれの味の代表的な食品について、菓子作りを例に挙げながら、役割などについて解説くださいました。甘味の代表である砂糖については「パティシエにとって甘味は大切です。砂糖は食材としても大切ですが、甘味は人間にとって楽しみであり食べたいという欲求を促します。粉糖、ブラウンシュガー、角砂糖、氷砂糖、水あめなどを、菓子を作るときに使い分けていますが、砂糖が温度によって状態、色、香りなどが変化(シロップ、フォンダン、キャラメルなど)することも菓子作りには重要です」とマドレーヌ氏。
また、効果的な味覚の組み合わせについて、特に、菓子では酸味と苦味は相性が良いとのことで、授業では、ガナッシュの上に甘酸っぱい青リンゴのムースをのせたケーキをご用意くださいました。学生たちは、実際に味わいながら味覚の効果的な組み合わせについて学ぶことができました。
講義


調理実習

メニューはクレープと4つの基本味のソース。甘味はバジル風味のイチゴのソース、塩味は塩キャラメルソース、酸味はレモン生姜ソース・苦味はシナモンチョコレートソース。身近なイチゴやチョコレート、レモンにハーブやスパイスを組み合わせたソースはいずれも新鮮で、味覚の複雑さ、奥深さを再認識することができました。
マドレーヌ氏は、温度管理のポイントやにおい・色の変化について解説しながら4つのソースとクレープの調理デモンストレーションを披露。その後、学生たちはマドレーヌ氏から直接指導を受けながら1人1枚ずつクレープを焼き、ソースを作りました。
調理実習



参加した学生からは次のような感想が聞かれました。
「基本味に関するお話で興味深かったのは、酸味の食材の例としてイチゴ、木イチゴ、スグリなど赤い実が出てきたことだ。私は酸味と聞くといちばんに梅干しを思い浮かべたので、フランスと日本の食文化の違いを感じた」
「スイーツに酸味を加える理由やスイーツによってチョコレートのカカオの濃度を変えるなど、パティシエならではのお話を聞くことができた」
「キャラメルに塩、チョコレートにシナモンなど、甘味に違う味を組み合わせることで、甘味だけのときよりも繊細でおいしい味になることは発見だった。一つの基本味でまとめるより、様々な基本味をうまく組み合わせたほうが味に奥行きが出て嗜好性が高まるのだろう。この発見を、今後料理をするときに生かしていきたいと思った」
「レシピを見たとき、ピザやパスタのイメージのバジルが、甘酸っぱいイチゴと合うなんて考えられなかったが、食べてみたらおいしかった。バジル特有の青臭さがイチゴの香りをうまく引き立てていて絶妙な風味になっていた」
感想