日本版「味覚の一週間」

「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」のショコラティエ ニコラ・クロワゾー氏による味覚の特別授業

「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」のショコラティエ ニコラ・クロワゾー氏による味覚の特別授業ニコラ・クロワゾー氏は、フランス国家認定のM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を保持する数少ないショコラティエの一人です。M.O.F.は、フランス国家から確かな技術を有する職人に授与されるタイトルで、日本の人間国宝や重要無形文化財に相当します。クロワゾー氏が着用されているコックコートの襟もとのトリコロールがM.O.F.受章者の証です。
「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」のシェフ・パティシエ・ショコラティエのトップの座に就かれたのは2012年。以来、ショコラとパティスリーすべての指揮をとっていらっしゃいます。そんな世界的にも著名なクロワゾー氏が、食や栄養学を学ぶ女子大生を対象に、カカオ豆の講義と4つのフレーバーのショコラを使った味覚のレッスン、日本のテロワールを取り入れたトリュフ作りの特別授業をしてくださいました。



講 義

味覚のレッスンの前に、収穫したカカオ豆からボンボン・ドゥ・ショコラができるまでの工程について講義がありました。
講義ではスライドを見ながら、ひと口にカカオ豆といっても、産地はもちろんこと、発酵期間や焙煎の温度・時間によってもアロマや味が変化することなど、カカオ豆の奥深さや上質なチョコレートの条件などについて学びました。

講 義


味覚のレッスン

4種類のボンボン・ドゥ・ショコラをテイスティングし、感じた風味を言葉で表現しました。 
「はじめに一口かじり2、3回かんで口の中に風味を広がらせるように味わってみてください。ひと口で食べないで。はじめにどんな風味を感じますか? そのあとにくるのは? 最後にどんな余韻が広がりますか?」
クロワゾー氏から、3段階に分けてテイスティングするようアドバイスがありました。
「最初に酸味がきました」
「その酸味がヒントになりませんか?」
「フランボワーズ??」
参加者の嗅覚の記憶を呼び覚ますように、クロワゾー氏は問いかけられました。
味覚のレッスンで味わったのは、次のボンボン・ドゥ・ショコラです。プレーンなガナッシュから順番に味わいました。

  カラカス  コクのあるプレーンなダークガナッシュ
  グワヤキル バニラ風味のダークガナッシュ
  サルバトール フランボワーズ風味のダークガナッシュ
  プラリネ ナッツの入ったチョコレート
味覚のレッスン


調理実演・実習・試食

日本のテロワールの一つである「山椒オイル」(和歌山県産)を使ったトリュフを作りました。
「山椒のピリッとした辛味を和らげるため、ミルク味のカカオ豆を使用しました」とクロワゾー氏。
まず、トリュフの核ともいえるガナッシュ作りからスタートしました。
「温めた生クリームをチョコレートに混ぜるときは、中央から混ぜることが大切です。いろいろな方向から混ぜると乳化が均一に進みません」
ガナッシュ作りのポイントを説明してくださいました。

生クリームとチョコレートが均一に混ざった後に山椒オイルを加えて、冷蔵庫で冷やし固め、ある程度固まったら生地を絞りだし、いよいよ最終段階のコーティングの作業です。
クロワゾー氏から「コーティングは薄いほど、上質なチョコレート」と聞いた参加者は、手の平の上で転がすようにコーティングのチョコレートをからめ、山椒フレーバーのトリュフを完成させました。
調理実演・実習・試食


山椒トリュフの試食の際には「はじめに柑橘系のアロマを感じませんか? 最後に、山椒のピリッとさわやかな風味が広がるでしょう」とクロワゾー氏。
山椒とチョコレートのマリアージュによって生み出された新しい味覚に、参加者からは驚きの声が上がっていました。

参加した学生さんからは「クロワゾーさんのお話をうかがい、いくつかの段階に分けて味わうと、何のフレーバーかわかりやすかったです。とてもおもしろい体験でした」
「おいしさの表現は大変深いということを感じました。今回のように段階に分けておいしさを味わい、表現できるようになりたいと思います」
といった感想が聞かれました。
調理実演・実習・試食