日本版「味覚の一週間」

男子中高生料理部対象の地方の特産品に関するセミナー

農産物流通コンサルタントの山本謙治氏による地方の特産品に関するセミナー食に関心のある男子中高生を対象に、日本各地に伝わる農産物の豊かさを知ってもらおうと企画した今回の特別セミナー。講師を務められたのは、日本の食と農業をテーマに活動している農産物流通コンサルタントの山本謙治氏とスペイン料理のシェフ、佐藤根隆之氏です。
第1部では、山本氏が野菜の味と山形の伝統野菜について講義を行い、第2部では、佐藤根シェフが、山形の伝統野菜を使った料理2品をご紹介くださいました。



講 演

講 演「食べ物に同じ味のものなどない、味はいくつかの変数で変わる。今回のテーマの野菜なら「品種×産地×肥料×育て方×食べ方=野菜の味」という方程式が成り立つ」と山本氏。
それぞれの変数について、山本氏は、「品種には、ある土地でずっと受け継がれてきた“在来品種”と流通や消費に都合がいいように作りだされた“育成品種”があり、在来品種には、そのおいしさを生かした郷土料理がある。また、産地については、日本各地で大根が栽培されているが、粘土質、赤土といったように土の性質が違えば、大根の辛味が増すなど、味に特性が生まれる。肥料には化学肥料と有機肥料があるが、4種類の元素しか含まない化学肥料に比べて多くの成分が含まれる有機肥料(堆肥)は、植物が欲しているものを必要なときにとることができるといった特長がある」と、それぞれの変数がどのように野菜の味に影響を及ぼすか、具体的な野菜の例を挙げながら、説明してくださいました。

地方の特産品の代表例として、山形県の最上地方で栽培されている里芋の「甚五右ヱ門芋じんごえもんいも」をご紹介くださいました。
「甚五右ヱ門芋」は一子相伝の里芋で、現在、山形の1軒の農家さんでしか生産されていない、貴重な品種です。当日は、生産農家の佐藤春樹氏もいらして、生産地の様子や栽培の難しさ、「甚五右ヱ門芋」独特のおいしさについてお話しくださいました。


実際に味を確認するために、「甚五右ヱ門芋」と一般的な育成品種の里芋の食べ比べを行いました。
「最初は何もつけずにそのまま食べてみてください」と山本氏。
参加した生徒たちからは「粘りが全然違う」「こんな食感の里芋ははじめて」といった声が上がっていました。
講 演

調理実演・実習・試食

佐藤根シェフが、山形の郷土料理の「芋煮」と「スパニッシュ・オムレツ」を教えてくださいました。
「山本先生のお話のなかで、食べ方も味を決める変数の一つだと説明がありましたが、煮るという調理法で作る芋煮と、揚げ焼きで作るスパニッシュ・オムレツで、どのように食感が違うかも味わってみてください」と佐藤根シェフ。

「甚五右ヱ門芋」は皮が薄いので、包丁を使わずにたわしやアルミホイルを丸めたものでこするようにむくときれいにむけます」と、佐藤根シェフから説明がありました。

芋煮には、山形県の中でも地方によって、牛肉を使ったしょうゆ味のものと豚肉を使ったみそ味のものがありますが、今回は、牛肉×しょうゆ味の芋煮を作りました。
材料を鍋に入れたら、弱火でコトコト煮込み、「甚五右ヱ門芋」がやわらかくなったらできあがりです。
スパニッシュ・オムレツは通常はジャガイモで作りますが、今回はその代わりに「甚五右ヱ門芋」を使いました。
里芋を揚げ焼きにするときもオムレツを焼くときもガスコンロの温度調節機能を使用。どのグループもおいしそうな焼き色のオムレツに仕上がっていました。


調理実演・実習・試食


調理実演・実習・試食
参加した生徒さんからは次のような感想が聞かれました。
「食材に対しての関心が深まり、今までとは別の視点から食材を見られるようになった」
「このセミナーに参加しなかったら、甚五右ヱ門芋と出会えなかったと考えると、非常に貴重な体験ができた」
「伝統野菜を知ることで、全国の風土や郷土料理への興味が広がった」
「元の食材を意識して調理したのが、新鮮だった」

最後に講師のお二人を囲んで記念写真を撮りました。