日本版「味覚の一週間」

ブーランジェ、ゴントラン・シェリエ氏のシェフinキャンパス

ブーランジェ、ゴントラン・シェリエ氏のシェフinキャンパスゴントラン・シェリエ氏は、伝統的な製法を代々伝える、フランスのブーランジェリーの4代目です。今回のセミナーでは、フランスパンの基本である「バゲット」を題材に、こねる作業から、発酵、成形、焼成まで、全工程のデモンストレーションを行いながら、各工程がパンのおいしさに及ぼす影響について、科学的理論を交えて教えてくださいました。



調理実演・実習・試食

講義「パンはテロワールを代表する食べ物であり、バゲットはガストロノミーの象徴です」
ゴントラン氏は、フランスの食文化におけるパンの存在について、このように述べられました。
「パン作りでは、発酵や成形は、焼成にいたるまでの過程であり、最も重要なのは焼成です。焼成によって、味や香り、テクスチャーが決まります。今日のセミナーでは、同じ生地でも、焼成の条件が異なることで、まったく違ったパンができるということを発見するでしょう」と、ゴントラン氏。


デモンストレーションは、生地作りからはじまりました。
「こねるのはグルテンを形成し、伸張性、弾力をもたせるためです。生地を台にたたきつけて半分に折るようにすることで、酸素が入りやすくなります」とゴントラン氏。
作業の途中で、生地を少しとって両手で引き伸ばし、こねる作業が進むにつれてグルテンが形成されていく様子を示してくださいました。

一次発酵が終わった生地でバゲットとフォカッチャの2種類のパンを作りました。バゲットは生地をのばしたあと折りたたむように筒状に成形。一方のフォカッチャは丸くのばしたあと、指の腹で空気を出すようにします。バゲットはクープが特徴的ですが、ゴントラン氏は「クープはパン屋さんのサインのようなもので、各ブーランジェリーによって異なります。外観に影響を及ぼすだけでなく、発酵によって生じたガスの出口を作る役割があり、クープの入れ方でパンの弾力や身の詰まり方が変わります」と、クープを入れる理由と上手な入れ方について、図解し説明してくださいました。

デモンストレーションと並行するように、学生たちは一人ずつパン作りに挑戦しました。
ゴントラン氏は各調理台を回って、グルテンの確認や、クープの入れ方など、ていねいにご指導くださいました。
調理実演・実習・試食


実習では、フルートと呼ばれる小ぶりのバゲットとフォカッチャ、バゲットの生地にサーモンと大葉を挟んで焼いたもの、フォカッチャに生ハムとルッコラを載せて焼いたものなど、日本の食材とフランスパンのコラボレーションも楽しみました。

参加した学生からは、「同じ生地から成形の違いだけで、味も食感も違ったパンができることを体験でき、興味深かった」「バゲットとフォカッチャの違いがよくわかり、とても楽しかった」
「パン作りの大事なところをきちんと説明してくださり、とてもわかりやすかった」
といった感想が聞かれました。

調理実演・実習・試食