著名人の方からのコメント

正しい「食」のあり方が子どもたちの未来を育む 親子で料理を作り、家族そろって食卓を囲み、
みんなが同じものを食べる。
昔は当たり前だった食のあり方が、いま改めて見直されています。
長年にわたり食育の大切さを訴えてきた服部幸應さんに、
食育の大切さについて伺いました。



服部幸應さん 服部幸應さん 学校法人服部学園理事長 服部栄養専門学校校長、医学博士
食を通した親子のコミュニケーションは健全な子どもの人格形成につながります


はっとり・ゆきお/立教大学卒業。昭和大学医学部博士課程修了。15年前より正しい食生活を通して健全な人間を育成する「食育」の重要性を訴え続け、現在、内閣府「食育推進会議」・「食育推進基本計画検討会」委員など数々の役職を歴任。フランス大統領より国家功労勲章、フランス農林水産大臣より農事勲章を受章する他、藍綬褒章、厚生大臣表彰など多方面でその活躍が認められる。主な著書に『食育のすすめ』『笑う食卓』ほか多数。


食育の必要性を感じています

Q:1

服部先生は15年ほど前から「食育」を提唱されていますが、きっかけは何だったのですか。

服部:

若者たちの食生活を見てみると、朝食を抜いたり、過度なダイエットをしたりと、栄養バランスの悪い人がとても多いですね。栄養学を専門にする学生でさえそうですからさすがにショックを受けまして、調べてみたら、幼い頃にしみついた悪い食習慣に原因がありました。

Q:2

親の料理離れが進み、切り身の魚が泳いでいると思っている子どもがいることも問題になりました。

服部:

そこで子どものうちにきちんと食の基本を教える必要性を感じたわけです。食育というと料理だけを連想しがちですが、それだけではありません。食べることや、食材を知ること、家族と一緒に過ごすことなどを通して、人格を形成していくことまで含んでいます。ここ20年ほど「バラバラ食」といって、親子で食卓を囲んでいても、お父さんはカレー、お母さんはパスタ、子どもはピザを食べるなど、家庭のファミリーレストラン化が増えています。このような個食によってどのような問題が生じるか。わがままで自分勝手な子どもに育ちやすくなります。つまり、同じ皿のものを分け合うことで協調性が生まれますが、「好きなものだけを食べていればいい」という環境で育った子どもは、自分以外のことには無関心、人の言うことは聞かない、人に何か指摘されるとキレて暴力的になりやすくなるのです。他にも子どもが一人で食事をする「孤食」、好きなものしか食べない「固食」、食欲がない「小(少)食」、パンを主食とした「粉食」などが問題になっています。

食育イメージ写真
Q:3

昔は家庭の中で自然に受け継がれてきたことを、今はあえて警告をしていかなければならない状況です。


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