著名人の方からのコメント

炎は、人の感性と食欲を刺激します 最新式の進化したガスコンロ「ピピッとコンロ」を使って行われる、東京ガスの料理教室。一流シェフによるバラエティ豊かなコースは、毎回ご好評を頂いております。先ごろ行われたのは、連日予約で満席の日本料理店「賛否両論」のオーナーシェフ笠原将弘氏による、特別料理教室です。笠原シェフならではのオリジナリティあふれるコース・メニューを教えてくださいました。試食タイムでは、みなさんなごやかに秋の味覚を堪能。教室終了後、笠原シェフに特別インタビューしました。



笠原将弘さん 笠原将弘さん 「賛否両論」オーナーシェフ

笠原将弘(かさはら まさひろ) 「賛否両論」オーナーシェフ
1972年東京都生まれ。1991年「東京吉兆」入社。「正月屋吉兆」にて9年間修業。父の死に伴い2000年、実家の焼鳥店を継ぐ。2004年、恵比寿に自らがオーナーフェフを務める「賛否両論をオープンし、たちまち人気店に。2005年、吉岡英尋氏、川越達也氏、桝谷周一郎氏の4名と「シェフズ・コラボレーションCESSA」を結成。料理ジャンルの垣根を越えレストランプロデュースなどを手がける。活躍が期待される若手日本料理人の1人。



日本料理は世界最強の料理。その技と味を、もっといろいろな人に楽しんでほしいと思います。

Q.1:

料理教室は毎回、大好評ですが、家庭料理をおいしく作るコツは?

笠原:

ずばり、楽しく自由に!です。ただし基本をきちんとおさえること。最低限の基本を知っていれば、アレンジは自由です。キャッチボールもできない人が変化球を投げられないのと一緒です。たとえば「だし」。本物の昆布や鰹節でとる味を知った上でなら、だしの素を使うのは構わないと思います。これは、家庭での食育にもつながると思いますね。料理屋と違って、家庭料理は少々失敗したっていい。「今日はおこげだねえ!」「これって火加減がすごく難しいのよ」なんて家族で会話をしながら食べても楽しいじゃないですか。

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Q.2:

料理人として、ご実家が料理店だったことは影響されていますか?

笠原:

実家は焼き鳥店で、父が板前として腕を奮い、母もお店を手伝っていました。僕の少年時代の夕飯時の風景といえば、カウンターの隅でまかない料理を食べているというもの。そして休日は、たいてい外食です。商売上のつきあいもあって、お店のお客さんとか、知り合いの料理人仲間のお店に行くことが多かったですね。そこで、ふぐ刺しとか、一般家庭では口にしない食材も食べていました。決して裕福なわけではないけど、食に特化して恵まれていました。そのときの経験は、料理人としての良き財産になっています。ただ、遠足のお弁当も、銀ダラの西京漬けとつくねの照り焼きとか、およそ子どもらしくない。クラスメートの彩り豊かな弁当を尻目に「でも、味はオレの弁当の方が上や!」なんて思っていました(笑)。

Q.3:

「賛否両論」では、5000円の1コースのみとしているのはなぜでしょう?

笠原:

多くの人に日本料理を伝えたい、ということが大きいですね。今、日本にいながらにして世界各国の料理が味わえるでしょう。デートするとき、5,000円ぐらいで素敵な雰囲気のイタリアンとか中華とかあるわけですよ。でも日本料理というとないですし、若い人には行きづらいところもある。そこで誰もが行きやすい、でも本格的な和食が食べられる店を開きました。だって日本料理は世界最強の料理ですよ。その料理法には、あらゆる知恵と技が入っています。その素晴らしい日本料理を、見て、楽しんで、そして心ゆくまで味わってもらいたいですね。

Q.4:

日本料理の良いところとは?

笠原:

こんぶや鰹節で「だし」が、あっという間にとれるところです。研ぎ澄まされた感じでしょ。それと、魚、肉、野菜など調理法はすべて網羅しているし、食べ方だって、生から保存料理法まで確立されている。僕は日本料理の修業をした人は、世界のどの料理でも通用すると睨んでいます(笑)。ただしその分、修業には時間がかかります。日本には四季があるため、その時期にしかやらない料理法があります。覚えられなかったら、また一年待たなくてはならない。もっと言うなら、干支にちなんだ行事料理は1月にしかやらないため、厳密には修行には12年必要ということになります。料理の他に、器の名前、お花・お茶の心得、しつらえ等々…、覚えなくてはいけないことが山ほどあります。日本料理は繊細でとてもインテリジェントな世界なんですよ。


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