著名人の方からのコメント

Vol.16 炎は、料理人にとって、なくてはならない良きパートナーです
土鍋がもつ特性が、素材の味と旨みをいっそう引き出してくれます。
Q.4:

そのフランスでの経験や家庭料理が、今回のメニュー、家庭で作る土鍋料理にも生きているのでしょうか。

北岡:

そうですね。フランスでも、家庭でタジン鍋をよく使います。土鍋と同じように陶器なので、火の入り方や熱の伝わり方など独特なやさしさがありますね。土鍋もそうですが、金属の鍋に比べて温度がゆっくりと上がっていくので、野菜や素材、特に根菜類など細胞や繊維に穏やかに熱が入ります。自分がお風呂に入っているところをイメージしてみてください。熱いお湯にいきなり入ると、びっくりするでしょう?ぬるめのお湯だと、ほっとして、ゆっくり温まると思います。それと同じで、野菜や肉の繊維もぎゅっと硬く締まるのではなく、徐々に柔かく仕上がるんですね。また、保温力もあるので、余熱で火を入れることもできるんです。特に米や豆など味に柔らかさが出ますね。料理の味は、しゃきっとしまるか、柔らかくやさしいか、そういうところで表現の差が出るんです。

Q.5:

タジン鍋の原理が、日本の鍋料理にも通じるところがあるということですね。

北岡:

そうなんです。他にも共通するところがあって、蒸し焼きの原理も利用しているんです。蒸されて出た水分に野菜の旨味が凝縮されて移り、それがさらに蒸気となって野菜に熱が伝わるので、野菜本来の味を生かせるんですよ。一定に熱が加わることで均一に火が入りますから、煮崩れもおこしにくいです。ご家庭でも他の鍋と比べてみるとよくわかりますよ!慣れないうちは火加減が少し難しいですが、同じコゲでも、ゆっくり火が入ってできたコゲは焦げ臭くなく、香ばしい味のアクセントになるので失敗が少ないです。あとは、中に入れる出汁・スープが味のキーポイントですね。水だけ、あるいはブイヨンか昆布出汁かで、和洋の味が出せます。基本は一緒ですね。

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Q.6:

火加減と言えば、教室でもピピッとコンロを使いこなしていらっしゃいましたね。使ってみて、いかがでしたか?

北岡:

とにかく、掃除がラクですね(笑)。五徳を外すと、ほぼフラットになるのでとても掃除しやすいんです。実は掃除って、僕ら料理人のなかでは一番重要なことなんですよ。調理場では、掃除で始まり掃除で終わる、と教わってきました。衛生面が仕事を作り、環境を作ります。汚い仕事をしないということは、すべての基本なんです。ほかにはその火加減など、機能面もすごいですね。コンロが時間や温度を教えてくれるので驚きました!目安がつけやすく、安全性が高いと思います。家庭でこの機能が付いていると、すごく便利でしょうね!

Q.7:

最後に、今後、「ル・カフェ プルス・アー」をどんなお店にしていきたいですか?

北岡:

実は、店名「プルス・アー(+A)」のAは、アルファベットの一番最初の文字ということで、フランス料理の入口になりたい、という思いが込められているんですよ。フランス料理というと、どうしても記念日とか非日常をイメージすると思うんですが、若い世代の方やいろんな方に、もっと身近に感じてほしいんです。たとえば仲間うちでごはんを食べに行こう、っていう時に、和食や中華、イタリアンなどの中に、選択肢としてフランス料理も入ってほしいな、と。技術やバランス、組み合わせなどベースがフランス料理だけど、日本の身近な食材を使ってカスタマイズし、フランス料理に変えていきたい。最終的に口に入った時、フランス料理の雰囲気とおいしさを感じてもらえたら、と思っています。フランス料理は特別なものではなく、生活の一部として楽しんでもらえたら嬉しいです。

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