著名人の方からのコメント

Vol.17 炎とは、身近な生活の一部であり、私の原点です。
切り身の魚も、厚みや何尾かを自動で計算し、焼き上げてくれます。
Q.5:

その後、また道場氏のところに戻られたのですね。そのきっかけは?

舘野:

ちょうどその頃、道場氏に「料理の鉄人」の話が持ち上がっていました。ずっと連絡はとっていたのですが、それを機会に「そろそろ帰っていいですか?」って聞いたんです(笑)。道場氏は、快く迎え入れてくれました。勝手に出て行ったのに迎えていただいたことに、感謝したことをよく覚えています。そして2年半くらい経て、「ポワソン六三郎」の料理長を務めることになりました。最初の5年はそのオーナーが経営について教えてくれ、残りの5年は、初めて経営者として、また、料理人として貴重な経験をさせていただきました。その後、契約の終結に伴って銀座に今の店を開くことになったのです。「ポワソン」の時もそうですが、この道を目指したときから今まで、本当に人やお客様に恵まれましたね。可愛がっていただき、いろんなチャンスをいただきました。そんな皆様に支えられ、今があると思っています。とても感謝しています。

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Q.6:

本日の講座の中にも、和食の基本が盛り込まれていましたね。講座を終えられてのご感想は?

舘野:

そうですね。道場氏のところに戻って強く感じたことですが、時代が変わり不景気になると、どうしても今まで以上に1人でこなさなければならない作業が増えてきます。より早く、より美味しいものを提供したいと思うのです。それは現代の家庭でも同じ。忙しい日常の中で、時間をかけず家庭でもお店のような味を味わってもらいたい。その点、このピピッとコンロは素晴らしいですね。揚げ物も温度調節機能とタイマーのおかげで、絶妙な熱の通り具合で安全に出来上がりますし、切り身の魚も厚みや何尾かを自動で計算し、遠赤外線で焼き上げてくれます。コツさえ押さえておけば、後はコンロがやってくれるんですから。今に板前がいらなくなりそうですよね(笑)。土鍋も炎があってこそ。温度を維持してくれたり、沸騰した後の余熱を上手に調整してくれるのが炎です。徐々に時間をかけ、ふっくらと仕上げてくれます。土や石を温めるのは、炎でないと難しいでしょうね。

Q.7:

舘野さんにとって、炎はとても大切なものなのですね。

舘野:

私にとっての炎は、子供の頃からとても身近にあった、生活の一部です。物心ついた頃から、かまどの火や風呂を沸かす薪など、炎はすべての原点でした。目で見て、肌で温もりを感じることで、炎の力を借りて旨いものを作れるんです。その炎も、使い方ひとつで料理の味が変わります。たとえば魚の焼き方など、研究に研究を重ね、常識のカラを破った新しい調理法を生み出しました。常識に縛られたり、疑問を持たないでいると、新しい発見や進歩はありませんから。家庭の調理場環境が違う中、どうしたら安定した旨い出汁の取り方ができるか、という疑問から生まれたのが、本日の講座の出汁の取り方でもあるんです。これで満足ではなく、もっと何かできると考え、新しい発見をし、お客様に楽しんで頂きたい、そう言う道場氏の背中をずっと見てきました。今後も、もっと良くしようと常に考え、お客様に喜んでもらえる料理を見つけていきたいと思います。

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