著名人の方からのコメント

Vol.22 炎とは、いい緊張感が生まれるものです。
炎は、人間が生まれながらに持っている暮らしの中の感覚を、ゆり戻してくれます
Q.5:

今回の教室でも、手軽に作れる料理をご紹介いただきましたね。

植松:

はい。最近ではスペイン バスク地方のバル(スペインのバー)めぐりをすることが多く、教室でもバルの料理を意識してみました。スペイン料理の特徴は、ハーブを多用しないこと。せいぜいニンニクやイタリアンパセリを使うくらいなので、日本の家庭でも味を再現しやすいんです。今回提案した「えびとベーコンのピンチョス(パンに食材を乗せたりする、スペインスタイルのおつまみ)」を家庭で作るコツは、エビをフライパンで焼く時に、軽く押さえて香ばしく焼きつけること。何度も裏返すなどあまりいじり過ぎないのがポイントです。その方が焼き色もしっかりついて、焼き加減もちょうどよく中まで火が通ります。おこげがおいしいというように、食材にコゲの風味がつくことによって、甘さや香ばしさが増しますよね。炎を使うと、あぶって簡単にその焦げ目をつけることもできるんです。

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Q.6:

炎を上手に使ってもらうということですね。植松さんにとって、炎とはどんなものですか?

植松:

原始から使われている炎は、人間が生まれながらに持っている暮らしの中の感覚を、ゆり戻してくれますね。炎は目でも見られますし、火の強さや熱さなどの感覚を養うこともできます。精神的に気持ちも高揚しますし、いい緊張感が生まれるものでもありますね。それによって、料理に対する集中力も高まるんです。そういえば、ピピッとコンロを使ったときに、炎も進化しているんだなって感じました。例えば、魚焼きグリルも上火・下火の強さが選べることで、ただ単に焼くだけでなく、焼き加減が格段に調節しやすくなっています。コンロが鍋でふさがっていても、グリルも併用することでよりスピーディーに調理でき、忙しい時にも便利ですよね。

Q.7:

最後に、今後はどのような活動を目指していらっしゃいますか?

植松:

食とイベントを絡めて、マーケットを開きたいと思っています。実はすでに進行中なんですよ。今後も継続的に“1日レストラン”や、自分が知りたいと思うことを中心に、燻製とかコーヒーとか、スパイスなどのワークショップを開きたいですね。それらを体験することで、もっと深く食に興味をもつきっかけにしてもらえるといいですね。「知っている」と「やったことがある」は違うと思うんです。「知っている」だけではつまらない。テレビや雑誌だけでは伝わらないこと、ネットで調べればすぐに分かることを、身を持って体験することでもっと世界を広げてもらいたいんです。炎の熱さを知ることによって生まれる緊張感と同じように、料理に集中する感覚や、くらしや食に対する意識をより一層高めてもらえたらと思います。

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