著名人の方からのコメント

炎とは、自分の身体にしみついた感覚です。 安全性・機能性で話題の最新ガス調理機器「ピピッとコンロ」を使って行われる、東京ガスの料理教室とイベント。今回は、東京ガスが協賛する食育活動「味覚のアトリエ」で講師を務めてくださった、音羽和紀さんにインタビューしました。アクティブで人懐こい笑顔と、おおらかな感性が魅力的な音羽シェフ。食育活動や地域とのつながりなどについて、伺いました。



音羽 和紀さん 音羽 和紀さん 「Otowa restaurant(オトワ レストラン)」オーナーシェフ

大学卒業後、渡欧。ドイツ、スイス、フランスのホテル、レストランで修行する。フランス料理界の重鎮、故アラン・シャペル氏に日本人として初めて師事。帰国後、宇都宮にてレストラン「オーベルジュ」を開店。他にもフランス料理店のほか、レストラン・バー、デリカショップなどを経営。その他、親と子の料理教室や高校で料理を教えるなど“子供達の食”をテーマにした活動や、地場の産物を使った料理の開発、県の農政委員を務めるなど、地域の食環境のためにも活動する。



興味のあることは、全て体験したいんです。

Q.1:

数々の素晴らしい経歴をお持ちの音羽さんですが、やはり子供の頃からシェフを目指していらしたのでしょうか。

音羽:

それが、そういうわけではないんですよ。子供の頃は昆虫採集が好きでね(笑)。昆虫採集のために世界中を旅したいと思っていたくらいなんです。子供の夢、ですよね。海外とは言わないまでも、日本のいろんな場所で昆虫採集するためには、電車や飛行機代など必要なわけで。初めて仕事という概念が芽生えたというか、どうやって稼ぐか?と言うことを現実的に考えるようになりました。高校に入ると色気づいちゃってね、その対象がオートバイに変わったんですよ。とにかく、オートバイや車が欲しかったんです。でも、欲しいと思うだけじゃダメで、どうやって買うか、乗れるようになるまでには何をすべきか、考えるようになりました。稼ぐためには何をしたらいいか、って。

Q.2:

子供の頃から仕事を意識していらしたのですね。それがどういうきっかけで、飲食業の道に進まれたのでしょうか。

音羽:

photo僕は末っ子でね、たまたま母のそばにいる時間が長かったんです。いつもホットケーキを作ってくれたり、料理の合間につまみ食いをしたり。それが嫌いじゃなかったんですね。作るのも嫌いじゃないし、けっこう自分に合ってるのかな、と思いました。ハマっていたわけではありませんが、抵抗感はなかった。お店を出したいと思っても、いきなり経営は無理だと思ったので、まず、作ることから始めようと思ったんです。ただ、アルバイトは最初から飲食業ではありませんでしたね。肉体労働やガソリンスタンドなど13種の仕事をしてみましたが、料理は一番最後でした。いろいろやった後、初めてお店の店員、ウェイター、皿洗いなどやりましたが、やっぱり自分に合っていると感じました。いろんなことに興味を持って、体験しないとわからないこともあるんですよ。

Q.3:

その後は、まっすぐ料理人の道へ?

音羽:

料理の道へ進もうと思ったものの、僕の周りや親せき関係には、すごいお店やサービスの現場に知り合いがなく、情報不足だったんです。卒業が決まって翌日からすぐに、渋谷で見習いを始めました。ホテルのシェフを紹介してもらい務めましたが、鍋が飛び交っているような忙しい現場で、ゆっくり教えてもらう暇がないんです。合間をみつけて質問しながら働く毎日でしたが、これでは10年はかかるな、と。どうせ10年かかって大変なら、海外に行こう!と、10月には決断していました。最初はフランスで探しましたが、父が同級生の先生に当たってくれ、その教え子でドイツの農業研修に行った人がいるよと紹介してくれて、ドイツのキールに行くことになりました。

Q.4:

それがフレンチに変わったのはなぜでしょう?

音羽:

photoドイツでしばらく学びました。が、ドイツ料理を学んだだけでは足りない、と思ったんです。ちょうどその頃目にした情報専門誌でボキューズ氏の記事に触発され、やはりフレンチを学びたい、そのためにはフランス特にリヨンに行かなければと、強い希望が生まれたんです。良い店も見つからない中、スイス・ジュネーブの素晴らしいフレンチレストランでお世話になることができ、その1年後、ようやくフランスのリヨンへ移りました。次の店は、どうせ厳しいなら徹底した店がいいと思い、厳しいことで有名な料理人、アラン・シャペル氏にお願いしようと思ったんです。会うだけでも…と会わせてもらいましたが、もちろん何度も何度も断られました。でもあきらめず、「“あなたの店”で働きたい、それ以外考えていない!」と、とにかく食い下がりました。その結果、やっとの思いで入店することができたんです。


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