著名人の方からのコメント

Vol.36 炎とは、セルフコントロールです。
グリルを使うと、チャーシューが驚くほどふっくらとおいしくなります。

Q.5:

家庭で中国料理をおいしく作るコツはありますか。

孫:

photo炎のコントロールかな。炎の当たり具合で火の強さって違うんですよ。野菜や食材を見ながら、どこが強いか弱いか見ながら炒めていくといいですね。炎がないと手早く料理できないけれど、家庭用は炎が小さくてもコントロールしながら使えばおいしくできます。最近のピピッとコンロは便利ですよね。タイマーが付いているし。鍋を火から外しながらコントロールすることを逃げふりって言うんですが、それができるのもピピッとコンロのいいところだよね。重い鍋を振る労力が減ると疲れ方が違うから、長生きできるよ(笑)。他にもグリルに入れて使えるダッチオーブン、アレすごいよね。チャーシューが1時間かかるところ、15分でできちゃった。短時間の上、しかも、ふっくら!おいしくてびっくりです。以前は手で感じて感覚を頼りにしていたけれど、油の温度もはかってくれるしね。好きな人のために料理を作る気持ちがあれば、100年たっても料理は変わらない。もっとどんどん良くなっていくと思います。

Q.6:

家庭で作る料理は具体的にはどんな点を注意すればよいでしょうか。

孫:

家庭でおいしい料理を作るコツは準備ですね。たとえばチャーハンでは、卵を炒めたあとにご飯を炊飯器まで取りに行くのはNGです。手早く炒めるために、ごはんに油をからめて横に置いておく。日本の米は叩かずに炒めてパラパラにするだけで美味しいんですよ。パサパサになるとおいしくないので、一気に炒めてしっとり感も残してほしいですしね。卵を入れ、半生でごはんを加え、あとは順番に鍋に入れていけばおいしく仕上がります。野菜炒めは火が弱いと中に火が通るまで時間がかかるので、シャキシャキ感がなくなります。まずボイルしたあとに、軽くサッと炒める。量が多いのもダメですね。他にもたくさんコツがありますが、とにかく火を見て、その大きさによって逆算して火加減の調節をしていくことです。

Q.7:

孫さん自身はどのようなところに気をつけていらっしゃいますか。

孫:

今は香辛料を控えめにして、日本人のための中国料理を模索しています。でも、中華料理は食べに行かないんですよ。代わりに和食やイタリアンなど他のジャンルを食べに行って勉強しています。また、色・香り・味つけを常に意識しています。盛り付けの際は色の組合せを考えますし、素材の味を活かすよう濃い味付けはあまりしません。

Q.8:

最後に、メッセージをお願いします。

孫:

なるべくいい意味で、いろんな国とコラボしてほしい。野菜や香辛料も、日本にないものをどんどん取り入れて、一つの料理にしたいですね。それから、もっとスローフードを味わってほしいです。今、なんでもファストフードや食べ放題でしょ?ちゃんと2時間かけてディナーをしようよって思います。店でもよく、料理まだ?って聞かれます。うちは早い方だけど、ちゃんとした料理はそんなにすぐにはできませんよ。ゆっくり噛んで味わう、会話を楽しむ、コミュニケーションをとることって大切なんですが、いまは黙って食べますよね。せっかくのディナーだったら、ドレス着てカッコつけて出かけてほしいな。ゆっくりと楽しんでほしい。 本当の“グルメ”って、食べ歩きではなく、お客様が食べたいものを作ってくれるお店をどれだけ持てるか、だと思うんです。うちは常連さんになると、体調悪い時には体に優しいものをあるもので作るとか、多いんですよ。こうしなくちゃいけないではなく、お客様に楽しんでほしい。批判を受けてもいいから、伝統を守るだけではダメなんだ、って思っています。


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