著名人の方からのコメント

Vol.38 炎とは、手の先にある道具です。
炎なくしては、料理はできないんです。

Q.5:

子供の頃から炎の扱いも慣れていらっしゃったのですね。

きじま:

photoまだ小さかった頃、火を初めて使わせてもらえたときに大人として認めてもらえたようで嬉しかったですね。その時作ったのが卵焼きだったんですが、上手くいくわけがないんですよ。でも大人は褒めてくれる。嬉しくて何度もやって、小学生で作れるようになりました。褒めるって大事ですね(笑)。火加減の重要さは小学生の時点で感覚的にわかっていました。熱い鍋を布巾に乗せるとジューっと言うとか、いろいろ失敗して覚えたりとか。包丁やフライパンを握ったり料理するのは手ですよね。その先にあるものが炎。その炎を操って料理する。火加減をコントロールすることで美味しくもまずくもできるんです。炎なくしては、料理は出来ないんですね。

Q.6:

ピピッとコンロも使いこなしていただいていますが、使い心地はいかがでしょうか。

きじま:

料理教室では炎を使うことが大半なんですが、最初に炎で覚えてもらわないと、大変なんですね。中火とか弱火とか、体験して知ったり目で見ないとわからないものです。使い慣れてからでないと説明がしづらいんですね。実は教室でも、弱火、中火、強火を知らない人が多いんです。厳密にいうと鍋と火の距離で鍋底にどのくらい炎が当たるかなんですが、小さいのが弱火、中くらいが中火とか、強いのが強火と、感覚でしか覚えていない。コンロの大きさや炎の強さが変わると、説明できなくなるんです。その点、ピピッとコンロは目盛りがあって調整の仕方がすごくわかりやすいし、これがスタンダードになればみんながわかりやすいのに、って思います(笑)。あと、タイマーが優れてますね。よく撮影中にタイマーをかけたまま忘れてしまうことがあるんですが、自然に消えてくれるのがいい。温度設定できるのも嬉しいです。揚げ油の管理って難しいんですよ。毎日使っている鍋や器具なら慣れているのでわかりますが、環境が変わると僕でも温度調節がわからなくなるときがあるんです。そして何より、ゴトクをはずして拭くだけなので、掃除しやすいのが便利ですね!

Q.7:

自宅で料理を美味しく作るコツってありますか。

きじま:

photo炒めもののように少量で作った方が美味しいものと、煮物やカレー、スープのように大量に作った方が美味しいものがあります。カレーとか、材料がある程度揃わないと味が出ないものもあるんですよね。仕事で、4人分のチャーハンを作って下さい、と言われることがあるんです。フライパンしかないとき僕は、2人前ずつ作るんですよ。中華鍋だと4人前作るんです。これは表面積の違いなんですが、中華鍋だとどこに炎が当たってもまんべんなく熱が伝わるからうまくできる。でもフライパンの場合、底しか炎が当たらないので、かき混ぜているとどんどんつぶれて団子みたいになってしまうんですよ。カレーや煮込みを作るときは、肉、野菜、それぞれの役割を考えてあげるといい。シチューの中には人参、玉葱、ブロッコリーなど入っていますよね。人参は甘味が出るので出汁になるから冷たいうちから入れて煮込む、玉葱は最初に炒めて甘味を出しておく、ブロッコリーは彩りのために塩ゆでして、色を出して仕上げに入れる。野菜の特徴と何の目的で入れるのかということを考えると、自然に扱いもわかってくるんです。どのタイミングで調理するか見えてきますよ。なんとなくわかっていると初めての料理でもある程度美味しくできます。でも、難しく考える必要はないんです。野菜のキャラクター設定してあげてみてください。

Q.8:

最後に、今後の抱負をお聞かせください。

きじま:

今まで料理を仕事として約9年。やっと自分のやっている料理の仕方が理論的に説明できるようになってきました。そう考えると、今までは単なる作り方紹介だったのかも。月1回の教室ですが、いろんな人のやり方を見ていると、自分のやり方と違う、ということに気づくんです。なぜ僕はそうやっているのか、今になってやっと意味がわかってきました。僕だったらこんな風に説明したい、その意味合いをより大切に伝えたいし、どんどん勉強して理論的な知識も増やしていきたい。
もう一つ、和食も世界遺産になったことですし、海外に進出したいと考えています。英語、勉強しないとね(笑)。以前、ニューヨークに弁当箱屋さんとBOX(弁当)を作りに行ったんです。現地のタレントさんと一緒に作りました。海外にもデリでテイクアウトするという文化がありますが、日本のように家で作って家で詰めるという感覚はあまりないんです。でも、キャラ弁は認知されている。セレブな主婦を集めてお弁当教室をやっていましたが、アーティスティックで面白いんですよね。日本人だったら知識と経験で、スカスカに詰めたら開けた時に偏ってしまうと知っていますよね。そんなことは考えず、ケーキを真ん中に入れたり、盛高に盛ったり。塗り絵感覚なんですよ。その面白さを活かしながら、日本の文化もきちんと伝えていきたい。今年も行こうと思っています、ニューヨーク!頑張ります!!


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