著名人の方からのコメント

Vol.39 炎とは、調味料のひとつです。
基本を学べるのが炎の良さです。

Q.4:

ピピッとコンロを使ってみていかがでしたか。

野永:

photoぼくが使っているのは、ほとんどがピピッとコンロなんですが、火加減の大切さを感じています。最近は手抜きの時短料理が多いですよね。でも、それでは応用がきかないんですよ。炎は鍋、土鍋などを包み込む効果があり、火加減が重要です。煮物も手間暇かけて煮含めないと、美味しくならないんです。だからこそ基本を知らなければならない。同じコンロでも23センチ、27センチと大きさが違うし、炎の強弱も違う。そのワンポイントでずいぶん変わります。その点、ピピッとコンロは炎が目視とメモリ、両方で見られるのがいい。ガスの料理は五感で感じることができるので、料理をしたという感覚がありますよね。基本を学べるのが炎の良さです。あと、ピピッとコンロは賢いですね。音で教えてくれる。高齢化社会では大切なところだと思います。

Q.5:

家庭で料理を美味しく作るコツはありますか。

野永:

料理はまず基本を押さえて、それから色々な応用をする。その上で、自分の味っていうのができるものなんです。まずは基本となる料理の理屈を理解しないといけない。たとえば、一般的に肉じゃがを作るとき、最初に炒めますよね?ぼくは炒めないんです。ある時、昔から教えてもらっているレシピを見て、おかしくないか?という疑問を持ったんですよ。肉じゃがを作るとき、まず最初に食材を炒めますよね。でも、油で炒めると肉は硬くなり、野菜を油で炒めると、油でコーティングされてしまうので、味が入りづらいのではないか?と思ったんです。それで試行錯誤のうえ、今の作り方にたどり着きました。煮含めるという技法に。料理はいかに効率よくできるか美味しいものができるか、自分でやってみて疑問に思い、手をかけてやってみることが大切です。初めから手抜きして簡単に作ることを覚えてはだめ。なぜこの調理をするのかを理解し基本を知ったうえで、加減していくことが重要です。加減と言えば、炎って調味料のひとつなんですよね。加減ひとつで食材の味が変わってしまう。その点は、炎も調味料も同じです。

Q.6:

今後の展望をお聞かせください。

野永:

和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、今、日本料理は注目を浴びています。その中で重要なことは、食べて健康でヘルシーにつながる日本の食を継承していかなければならないということ。そして、ちょっとしたプロのワンポイント、いつもと少し違うけれど理にかなった料理をわかりやすく説明する人がいなければならないんです。家でも料理をしてほしいので、へーと思うポイントをどんどん発信していきたい。いまや、酒や醤油は世界中にありますが、発酵調味料が腸に働いて健康に役立っているなど、あたりまえだけど誰かが言わないとわからないようなことを伝えていきたいです。基本を知らないと、海外でも教えられない。料理や伝統文化の素晴らしさを再認識し、世界に広めていきたいです。


前のページへ