著名人の方からのコメント

Vol.41 炎とは、素材の旨味を引き出す調味料です。
鍋の前は、炎との真剣勝負の場なんです。

Q.4:

中国料理は火の入れ方が重要と聞きますが。

西崎:

photoそうですね。炎はパワーを持っているので、素材に与える力があり、五感にも訴えかけてくれます。香りや食感など、火を入れることによって素材本来の旨味を引き出す力を持っているんですね。だからこそ鍋の前では真剣にやらないといけないし、勝負の場でもあるんです。素材を生かすも殺すも火の入れ方次第なんですよ。とくに聘珍樓では化学調味料を使っていないので、料理の出来は油の温度で調節しなければならない。ファイヤー!もやりすぎると焦げが入ってしまう(笑)。料理の工程で火を通さないものはほとんどないので、ごまかしがきかないんです。

Q.5:

ピピッとコンロも使いこなしていらっしゃいましたね。

西崎:

ピピッとコンロ、あれは便利ですね!自分たちはアナログなので、足元にあるレバーで炎を調節するんですよ。でもピピッとコンロは全部やってくれるので、慣れたらとても便利です。家庭で使いやすいですね。温度が上がりすぎると勝手に消えてくれるし、これからの高齢化社会には良い機能だと思います。あと、グリルは上下から炎が出ますが、意外に下の炎も強くて、魚など裏返さなくてもいいのが便利。庫内の温度を下げたくないときに開けながら確認しなくて良いので、一気に焼き上げることができるというわけです。今回の料理教室で作ったチャーシューも、先に入れておいた下味が全部落ちてしまわないよう、高温で閉じ込めて中から熱を通していくのがコツ。焼き物の基本ですね。よく下ごしらえが大変ですね!と言われるんですが、火を使うまでにしっかり下ごしらえしておくと、出来上がりが格段に違います。あっという間にできる。たとえば海老も、殻を剥いてすぐ調理するのではなく、臭みを抜くために片栗と砂糖で処理しておくと、つるつるぷりぷりの食感に仕上がりますよ。やるとやらないでは大きな違いが出てきます。

Q.6:

最後に、今の想いをお聞かせください。

西崎:

photo聘珍樓では化学調味料を使わず素材にこだわっています。なので、食材の仕入れも自ら各地をまわり、直接足を運んでいます。探し当てた生産者としっかり対話して納得したものを仕入れ、火入れし、調理しているんです。それを皆様に味わっていただきたい。近年沖縄の食材に注目していますが、沖縄は本当に自然豊かですが、毎年台風の被害も多く、欠品してしまう可能性もある。それでも使いたいと思わせる魅力があるんですよ。素材の特徴を見極め、きちんと火を入れられたら、余計なものは必要ないはず。だからこそ素材も良くなければならないと思うんです。結局炎って、素材の旨味を引き出す一番の調味料なんですね。だからこそ料理人は火を見極める力が必要です。火はいうことをきかない。自分でうまくコントロールしていかなければならないということですね。


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