著名人の方からのコメント

炎とは、おいしい料理を作るもとです。 安心・安全・便利と大好評の最新ガス調理機器、「ピピッとコンロ」を使って行われる東京ガスの料理教室。今回は、キッチンランドの料理教室で講師を務めてくださっている、一般社団法人ホールフード協会代表 タカコナカムラさんにインタビューしました。教室では、日本が誇る発酵調味料「味噌」を使った和食の基本や、旬の食材を使った料理と省エネルギーの工夫などを教えてくださっています。ライフスタイルについてや家庭で料理を美味しく作るコツなど、興味深いお話を伺いました。



タカコナカムラさん タカコナカムラさん 一般社団法人ホールフード協会代表

26歳でアメリカを遊学、食に関する見聞を広める中でホールフードに目覚める。帰国後、1989年にブラウンライス株式会社を設立し、自然食材を使ったお菓子とパンの製造卸売りを始める。2006年タカコ・ナカムラホールフードスクール開校。身体と心と環境にやさしいオーガニック野菜が中心の料理を指導している。料理家としてテレビや雑誌で活躍。塩麹や50℃洗いをいち早く紹介。



食はライフスタイルの中の一つなんです。

Q.1:

料理人になろうと思われたきっかけについて聞かせてください。

タカコ:

実家は山口県の山陽小野田市にあり、そこで割烹を営んでいました。割烹っていうと、料亭のようなのを想像するでしょう?でも田舎だったので、宴会や忘年会、結婚式や葬式、仕出しもすれば寿司屋もする。つまり、何でもやる料理屋だったんです。生まれたときに母が始めたのでかなりの年月が経っていますが、両親が他界し、継ぐ人がいないから、閉店したんですけどね。
小さい頃から敷地内に板前さんや皿洗いをする下働きの人たちが住み込んでいて、家族もご飯を一緒に食べていたんです。でも一般家庭のようなダイニングはなく、小上がりでそのまま急いで食べたりとか。結婚するまで、それが嫌で嫌でしょうがなかった。家から近いところへ進学するよう言われていましたが、できるだけ離れたくて京都に進学したくらい(笑)。その後、友人の学校のカフェで料理をしていたんですが、気がついたら飲食関係の男性と結婚していたんですよね(笑)

Q.2:

アクアパッツァの日高さんがパートナーと伺いましたが。

タカコ:

photo当時は普通のサラリーマンの家に嫁ぎたかったんです(笑)。そんなころ、食の仕事でお世話になった方から、「イタリアから帰ってきた好青年がいるから一緒にゴハン食べに行かない?」って誘われて。食べ物を通じて知り合ったのが日高だったんです。結局今は、実家の仕事以上に忙しいですよ(笑)!
でも今考えると、料理屋に育ったことでプラスになったことは多かったかな。子供のころから本物の味を知ることができたと思います。同じ地域で育った人よりは全国のいろんなものを食べられたし、いい器や陶器も気が付いたら好きになっていました。最近の若い方は陶器を知らない人も多いですよね。昔ほど雰囲気を重視しないし、スタイリングも気にしない。その点私は、興味はないけれど両親について焼き物を見に行ったり、陶器屋さんもよく店に出入りしていましたし。その時はわからなかったけれど、季節の花や器、結婚式やお葬式のNGについてなど、知らず知らず身に付いていましたね。

Q.3:

料理の仕事の方は、アメリカへの渡航が契機になられたとか。

タカコ:

アメリカ人モデルの友達がリマ・クッキングスクールにマクロビオティックを習いに行くというので、特に興味があったわけではないのですが、一緒に行くことにしたんです。それが思った以上に面白くて。
当時はマクロビオティックというと今と違って病気を治すための食事とか、薬っぽい、宗教っぽいイメージがあったんですよ。アメリカでのマクロビオティックはもっとヘルシーでおしゃれに展開されていると人づてに聞いたんです。そこで「アメリカに行こう!」と突然決めました。

Q.4:

どんな違いがあったのでしょうか。

タカコ:

カリフォルニアでは、食だけでなくライフスタイル全体が健康で豊かな暮らしだったんです。私はバックパッカーで、知り合いに泊めてもらったりレストランを手伝ったりして全米を旅してまわりました。スーパーに行っても、1980年代半ばで既になんでもオーガニックがあったんです。原住民のアロマテラピーやストーンヒーリングにも触れ、暮らし方も大事なんだと感じました。マクロビを極めるだけではなくライフスタイル全体をナチュラルなものにしていかないと、健康で豊かな生活はできない、食べ物はその大きな概念の中の一つにすぎないと思ったんです。それをどういう言葉で表現しようか迷いましたが、「ホールフード」という言葉が響きも良くしっくりときました。自分の提案する生き方は「ホールフード」にしよう、と思いました。ホールフードって皮も根っこも全て丸ごと食べるという"食べ方"のイメージですが、もっと丸ごと考えていく"概念"とでも言ったらいいかな。食材の選び方や食べ方の提案ではなく、新しい価値観なのかもしれません。生産者や環境、エネルギーなど、すべてをまるごと考えていくことが大切なんですよ。


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