
ニシンはイワシの仲間で、良質なたんぱく質と脂を多く含む、栄養豊富な青魚です。ニシンを干物にしたのが身欠きニシンです。昔、背と腹の2本に割き、腹側は“ニシン粕”と呼ばれる肥料に、背側は“身欠き(ミガキ)”と呼び、食用にしていたので、身欠きニシンと呼ばれています。また、身を二つに割くところからニシン(二身)と呼んだとも言われています。
ところで、“春告げ魚”とも呼ばれるニシンは、ニシン漁の様子を歌った民謡「ソーラン節」にもあるように、明治から大正にかけ、春の北海道オホーツク沿岸で大量に漁獲されました。当時のニシン漁はニシン粕作りが主な目的で、最盛期にはニシン御殿が建つほどの経済効果と日本の農業の発展をもたらしました。ニシン粕は各地で大変需要が高く、北前船で関西や三河方面へ運ばれましたが、その際、身欠きニシンや干し数の子なども一緒に船に乗せられました。ニシン蕎麦が京都名物となったのは、このためです。その後、ニシンが不漁となり、肥料の生産もなくなったため、現在の身欠きニシンは、身欠きといっても腹の部分が欠けていないものが通常です。ちなみに、青光りしたものが鮮度がよく、お勧めです。
参考文献:「ニシンの文化誌」共同文化社、調理用語辞典 他
●身欠きにしんの戻し方
http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/shokuzai/398.html
●三五八(さごはち)漬け
http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/chie/559.html