
ひじきは「おふくろの味」の食材の代表格、なじんでいるだけに気になりますね。問題になったのは、無機ヒ素のことです。ヒ素と聞くと、かつて日本で起きた中毒事件でヒ素の毒が使われたことを思い出され、驚かれたかもしれません。ヒ素には、毒性の低い有機ヒ素と毒性の高い無機ヒ素があります。
2004年7月、ひじきは無機ヒ素を多く含むので食べないようにと、英国食品規格庁がイギリス国民に勧告を出しました。無機ヒ素は発ガンのリスクを高めると指摘されています。ところが、イギリスが調査したロンドンで売られている乾燥ひじきは、日本の調査で使用された国産、韓国産、中国産の乾燥ひじきより平均値で約2割も無機ヒ素の含有量が多かったのです。
では、ひじきをどのくらい摂取すると、無機ヒ素の影響が出るのでしょうか。WHOが定めた1週間に食べても問題ない無機ヒ素の量は、体重1kgあたりで15μgです。体重50kgの人の場合で、1週間で750μgとなります。WHOによると、これは1週間あたり33gの水戻ししたひじきを食べたのに相当するそうです。ひじきの煮物を小鉢1杯食べると、水戻ししたひじきが約30g摂れます。毎週小鉢1杯分のひじきの煮物を継続して食べてはじめて、健康被害が出る可能性があるということになります。
また、乾燥ひじきにも無機ヒ素が含まれていたと報告がありましたが、乾燥ひじきを水戻しした後に下茹ですると、無機ヒ素含有量が約50%減少することもわかっています。このデータから東京都福祉保健局では、次の点を乾燥ひじきの調理のポイントとしています。まず、たっぷりの水で30分以上かけて戻し、その後、水を変えながら2〜3回洗い、さらに下茹ですることです。このように工夫をすると、体重50kgの人が1回5gの乾燥ひじきを週3回以上食べなければ、WHOの定めた量を超えることはありません。乾燥ひじきは水戻しすると約4倍に増えますので、水戻しひじきで週に60g未満が目安となります。
ひじきはカルシウム、カリウム、リン、鉄が豊富です。不足しがちなミネラルの宝庫ですので、献立に加えたい食材です。ただ、毎日同じ食材を食べてしまうと無機ヒ素の過剰摂取だけではなく、栄養の偏りを招きかねません。ひじきも含め、どんな食材も同じ食品を習慣的に食べることは控え、上手に活用したいものです。さまざまな食品が食卓に並ぶように意識して、バランス食を目指しましょう。
参考文献:「食品衛生の窓」 東京都福祉保健局
(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/hijiki.html)他
●食育基本法
http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/unchiku/476.html
●子どもの好きなメニューを低カロリーに
http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/note/106.html