
みず菜は京菜あるいは京みず菜(千筋京みず菜)とも言われます。肥料を用いず、畑の畝間に水を引き入れて地力だけで栽培したところからみず菜の名がついたといわれています。17世紀後半には京都南部の東寺、九条付近、そしてやや西よりの壬生付近でよいものが採れていたようです。
一方、壬生菜は壬生付近で作られていたみず菜のうちの一変種と見られており、壬生寺付近に19世紀はじめに栽培が広がったようです。
みず菜と壬生菜の大きな違いは葉の切れ込みの有無。深く細かい切れ込みのあるのがみず菜、切れ込みがなく細長いへら状をしているのが壬生菜です。その形状から壬生菜は丸葉みず菜といわれることがあります。また、みず菜は葉柄が白く、壬生菜は緑色です。味も少し異なり、壬生菜にはピリッとした辛味があるのが特徴です。どちらも浅漬け等の漬物に向き、京都の代表的な漬け菜といえます。京漬物の千枚漬けに添えられているのは壬生菜の浅漬けで、壬生菜特有の辛味と香り、鮮やかな緑色がアクセントとなっています。また癖のない食味なのでサラダ風にも食べられます。
みず菜の歯ごたえを楽しむ料理として有名なのが「はりはり鍋」です。みず菜には肉の臭みを消す働きがあるといわれ、かつては鯨肉とざく切りにしたみず菜を入れたものでしたが、今は鴨肉や鰤など、さまざまな取り合わせで楽しまれています。最近は、みず菜、壬生菜ともに小株仕立てのものが栽培されるようになり、手ごろに楽しめるようになってきました。