太陽光パネルを屋根に設置するメリットは? リスクや設置基準はあるの?

公開日:2024.2.29 更新日:2024.2.29

太陽光パネルを屋根に設置するメリットは? リスクや設置基準はあるの?

住宅用の太陽光発電システムでは、太陽光パネルを「屋根」に設置することが一般的です。しかし、新築時に設置するのか、既存住宅の屋根に後付けするのかで設置できる太陽光パネルのタイプが異なり、屋根の状況によって設置方法も変わります。本記事では屋根に設置する太陽光パネルについて、基本的な知識から屋根に設置するメリットやリスクまでを詳しく解説します。

目次

太陽光パネルの設置形式の種類

太陽光発電システムに欠かせない「太陽光パネル」。実は設置形式にはいくつか種類があります。特徴とあわせて紹介していきましょう。

屋根材一体型

「屋根材一体型」は、太陽光パネルが屋根の役割を兼ねている設置形式で、屋根との一体感やデザイン性の高さが特徴です。

一体型なので、屋根への固定金具などが不要です。また、既存の屋根の上に設置するよりも軽量となるケースが多いため、建物への負担も軽減されます。
また、屋根の形に合わせて太陽光パネルを敷き詰められるため、太陽光エネルギーを効率的に受けられるように設置しやすいという利点もあります。

屋根材一体型は、主に新築向けの選択肢です。既存住宅で屋根材一体型の太陽光パネルを選択したい場合、いまの屋根材をすべて撤去しならないため、導入ハードルは高まります。

屋根置き型

「屋根置き型」は、屋根の上に架台を設置し、その上に太陽光パネルを設置する形式です。既存住宅の屋根の上に後付け設置ができるため、戸建てに住んでいて太陽光発電システムの導入を検討するときの基本的な選択肢だといえます。
また、水平な屋根などそのままでは太陽光を受けにくい屋根であっても、架台で傾斜をつけて太陽光エネルギーを効率的に受けるように調整することもできます。

一般に、太陽光パネルは熱に弱く、パネルの表面温度が上昇すると発電効率が下がってしまいます。この熱による発電ロスの観点では、屋根置き型は屋根材一体型よりも優れているといわれます。架台の上に太陽光パネルを設置するため、屋根との間に隙間ができ、熱を逃がせるためです。

屋根に設置するメリット

太陽光パネルは屋根や壁、地面、駐車場ポートなど、さまざまな場所に設置することが可能です。そのなかでもメリットの多い屋根への設置について解説します。

メリット1. 地上より日射量が多い

地上に太陽光パネルを設置するより、屋根の上に設置する方が多くの日射量を得られるケースがあります。
地上に比べて、屋根の方が太陽光を遮るものの影響を受けにくくなるからです。
もちろん地上であっても、太陽光を遮るものがなければ心配は要りません。しかし、そうでない場合、地上や壁面に設置すると隣家や電柱、庭木などが太陽光を遮って、パネルが受ける日射量が減少しやすくなってしまう可能性があります。

ただし、屋根が北向きであったり、太陽光パネルの設置可能面積が狭小な場合、あるいは日陰になる時間が多い環境などでは、屋根に設置しても十分な日射量を得るのは難しいこともあるため注意が必要です。

メリット2. 遮熱・断熱効果がある

太陽光パネルを屋根に設置すると、遮熱・断熱効果が得られる場合があります。家の中の室温は、屋根に降り注ぐ日差しによる熱に大きく影響を受けますが、太陽光パネルを屋根に設置して直射日光を遮ることで、屋根の温度上昇を抑えられ、夏場は室温を低く保つことができます。
対して冬場には、屋根に設置した太陽光パネルが放射冷却を抑制してくれるため保温効果が期待できます。

もちろん設置するパネルの特徴や架台、元々の屋根材の性能など、さまざまな要素が関係するためその効果を断言することは難しいですが、太陽光パネルを屋根に設置する際の副次的なメリットとして、ぜひ知っておきたいところです。

参考:環境省 COOLCHOICE「太陽光パネルを屋根に設置して快適に!発電のほか、暑さ対策も」

屋根に設置するリスク

太陽光パネルを屋根に設置することはメリットが多いですが、いくつか注意しておくべきポイントがあります。

リスク1. 耐震性が低下する可能性がある

地震が起きた際、重いものが高い場所にあるほど揺れの影響を受けやすいため、太陽光パネルを屋根に設置すると、その重さで住宅の耐震性が低下する可能性があります。

家庭用の太陽光発電システムで必要な太陽光パネルの面積は18~30㎡といわれていますが、太陽光パネルは1㎡で約15kgもの重さがあります。つまり、約270kg~450kgの設備を屋根の上に載せることになるのです。

そのため、太陽光パネルを屋根に設置する場合は、屋根の耐荷重とともに耐震性に影響がないかを専門家によく相談する必要があります。
新築の場合は太陽光発電システムを設置することを前提に設計できますが、既存の屋根に太陽光パネルを載せる場合は特に注意が必要です。耐震性が低下すると判断された場合は、補強工事を行うといった対策をとる必要があります。

リスク2. 雨漏りする可能性がある

屋根置き型の太陽光パネルの場合、架台やケーブルを設置するために屋根や壁に穴を開けることがあります。
もちろん、開けた穴から雨水が漏れないよう処理は行いますが、施工業者の技術力などによっては、太陽光パネルの設置が雨漏りの原因となる可能性があります。

近年は穴を開けずに設置できる金具なども登場していますが、設置方法や使用する金具の種類などは専門家が実際の住宅を確認しなければ判断できません。

太陽光パネルの導入を検討する際は、必ず専門家に現場を確認してもらうようにしましょう。また、安すぎる設置業者などは作業が甘かったり、トラブルの保証内容が心もとないケースもあります。どんな設置業者なのか、しっかりと見極めることが大切です。

東京ガスでは、戸建住宅にお住まいの方向けに、無料で訪問相談を行っています。経験豊富な専門スタッフが実際の住宅を確認した上で、お住まいに合わせたピッタリな提案が可能です。ここに挙げたようなリスクへの入念な対策はもちろん、太陽光発電システムの導入後も責任を持ってサポートします。まずはお気軽に、無料訪問相談をご検討ください。

まとめ

太陽光パネルを屋根に設置する際に、知っておくべきメリットやリスクをお伝えしました。一般住宅用の太陽光パネルの設置場所として、日射量を確保しやすい屋根はもっともポピュラーな選択肢です。しかし、設置においては注意すべき点もあるため、不安な部分や疑問などは施工前に専門業者に相談して解消しておくことが大切です。そのためにもまずは信頼できる業者を選んで、安心・安全な自家発電ライフを手に入れましょう!

監修者: 東京ガスの太陽光発電サービス コラム編集チーム

太陽光発電・蓄電池の仕組み、メリットから設置、メンテナンスなど幅広いトピックを解説します。みなさまの太陽光発電・蓄電池選びに役立つ情報を発信していきますのでぜひご活用ください!

監修者:
東京ガスの太陽光発電サービス
コラム編集チーム

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