トイレのボールタップをご自分で交換・修理する方法を解説【部品別】

公開日:2023.11.24 更新日:2024.2.5

トイレのボールタップをご自分で交換・修理する方法を解説【部品別】

タンク式トイレで水が上手く流れなかったり、水が止まらない等の不具合が起こったりした際、疑われるのがボールタップのトラブルです。ご自分でトイレタンクの修理をする場合、トイレタンクの仕組みやボールタップの役割を理解しておく必要があります。本記事では、ボールタップの概要や部品別の修理・交換方法について詳しく解説します。

目次

トイレのボールタップの構造と名称

トイレのタンクは、ためた水を排出し空になったタンク内に自動で水が給水される仕組みになっています。タンク内の水を給水・止水するために欠かせないのがボールタップです。

ボールタップ本体はタンクの内部で、給水管とつながっています。給水管は水道とつながっているため、ボールタップが作動することによってタンク内への給水を行い必要水量に達すると給水を止める(止水)という仕組みです。
①トイレを流す(レバーを引く)
②タンク内から便器に水が流れる
③タンク内の水位が下がり、浮き球が下がる
④浮き球とつながっているボールタップ内のダイヤフラムが動作しバルブ(給水弁)が開く
⑤給水管からタンク内に水が流れる
⑥タンク内に水がたまると浮き球があがりバルブ(給水弁)が閉まる

つまり、タンクへの給水がうまくできなかったり、逆に給水が止まらなかったりする場合は、ボールタップが正常に作動していないことが原因と考えられます。

また給水をコントロールすると同時に、ボールタップによってタンク内の水位も調整しています。ボールタップの位置を上げるとタンク内の水位が高くなり、位置を下げると水量も低くなるという構造です。そのため、ボールタップを交換した際は、適正な位置になるよう調整することが欠かせません。

【部品別】ご自分でトイレのボールタップを交換する方法

複雑な動きをするボールタップは、いくつかの部品によって構成されています。具体的には、浮き玉・バルブ・パッキン・ダイヤフラムの4つです。タンクの給水・止水が正常に行うことができない場合には、これらの4つのいずれかに不具合があると考えられます。それぞれの部品別の交換方法を解説します。

浮き玉の交換

浮き玉は、タンク内にためられた水に浮かぶことで、排水・給水に合わせてタンク内を上下する部品です。タンクの水が排水されて水位が下がると同時に浮き玉の位置も下がり、アームによって連動しているボールタップの弁が開閉します。弁が開くことで給水口から水がタンク内に流れ、適正な水位になると弁が閉じて止水する仕組みです。

交換に必要なもの

浮き玉の交換には、特別な工具などは必要ありません。ご家庭にあるレンチとマイナスドライバー、そして交換するための新しい浮き玉があれば十分です。浮き玉は、ホームセンターなどで汎用品が販売されているため、入手も簡単にできます。

【浮き球の交換に必要なもの】
・交換用の新しい浮き玉
・レンチ
・マイナスドライバー

交換の手順

【準備】
1. マイナスドライバーで止水栓を閉め、レバーをひねってタンク内の水を全て排出する
【交換】
2. タンクのふたを真上に持ち上げ、ボールタップから手洗い管と補助水管を取り外す
3. レンチを使って、ボールタップ本体と浮き玉をつなぐアーム部分のナットを緩める
4. 浮き玉を取り外す
5. 交換用の浮き玉を取り付ける。アームを固定するためにナットを締める
【確認】
6. アーム部分を動かして浮き玉が上下に動くかを確認する
7. マイナスドライバーで止水栓を開けて給水する
8. 水位の上昇と共に浮き玉が浮くかを確認する
9. タンクのふたと手洗い管・補助水管を元の位置に取り付けて終了

ボールタップのバルブ交換

タンク内の水位に合わせて上下する浮き玉と連動して、ボールタップの開閉を担っているのがバルブです。バルブも経年による劣化などが原因で故障することが多い部品ですが、ご自分での交換が可能です。

交換に必要なもの

ボールタップの種類によって交換可能なバルブが異なるため、事前に製品番号などで確認しておくのがよいでしょう。汎用品などがホームセンターで販売されていますが、ご使用中のボールタップによっては、バルブの交換ができないタイプもあります。

【バルブの交換に必要なもの】
・交換用の新しいバルブ
・マイナスドライバー
・レンチ
・ラジオペンチ

交換の手順

【準備】
1. マイナスドライバーで止水栓を閉め、レバーをひねってタンク内の水を全て排出する
【交換】
2. タンクのふたを持ち上げ、手洗い管と補助水管を取り外す
3. ボールタップと給水管を固定するナットを緩めて給水管を取り外す
4. ボールタップとタンクを固定するナットを緩めてボールタップを取り外す
5. 浮き球の根元にあるネジを外して古いバルブを取り外す
6. 交換用のバルブを取り付けて、ネジを締める
7. ボールタップをタンクに固定し、給水管を接続する
【確認】
8. 手洗い管、補助水管、タンクのふたを元通りに戻す
9. 止水栓を開いて給水を確認して終了

製品によっては、ポールタップからパルプを取り外す際にラジオペンチで蝶ネジの取り外しが必要な場合や、そもそもバルブが外れないタイプもあるので注意してください。

パッキンの交換

ボールタップと給水管は直接つながっているため、水が漏れないように各部にゴム製のパッキンが挟まれています。このパッキンが経年により劣化したり変形したりすることで水漏れが起こり、給水ができなくなる場合があります。交換用のパッキンを用意して、ご自分で交換作業する手順は以下の通りです。

交換に必要なもの

作業に必要な交換用のパッキンは、ホームセンターや量販店で容易に入手できますが、適合するサイズをしっかりと確認しておきましょう。

【パッキンの交換に必要なもの】
・交換用のパッキン
・レンチ
・マイナスドライバー

交換の手順

【準備】
1. マイナスドライバーで止水栓を閉め、レバーをひねってタンク内の水を全て排出する
【交換】
2. タンクのふた、手洗い管、補助水管を取り外す
3. 給水管のナットを緩めて取り外す
4. ナット内側に挟んであるパッキンを取り外し新しいものと交換
5. タンク内・外側のパッキンも併せて交換
6. 給水管を取り付けてナットを締める
【確認】
7. 手洗い管、補助水管、タンクのふたを元通りに戻す
8. 止水栓を開けて給水時に水漏れがないかを確認して終了

ダイヤフラムの交換

ボールタップがスムーズに給水・止水するために欠かせないのが、ダイヤフラムです。給水管からの水量を調節する役割を担っているため、故障によって水漏れが起こる他、水が出なくなるトラブルが発生します。とても重要な役割を持つ部品ですが、交換作業そのものは難しくありません。

交換に必要なもの

新しい交換用のダイヤフラムも比較的容易に入手できます。あらかじめメーカーのホームページなどで適合するサイズや型番・製品番号などを確認しておくとよいでしょう。

【ダイヤフラムの交換に必要なもの】
・交換用の新しいダイヤフラム
・マイナスドライバー

交換の手順

【準備】
1. マイナスドライバーで止水栓を閉め、レバーをひねってタンク内の水を全て排出する
2. タンクのふたを垂直に持ち上げて外す
【交換】
3. ボールタップカバーと浮き玉を取り外す
4. 手でナットを緩めて取り外す
5. 古いダイヤフラムを取り外す
6. 交換用のダイヤフラムを取り付けてナットを締める
7. ボールタップカバー、浮き玉を取り付ける
【確認】
8. タンクのふたを取り付け、止水栓を開ける
9. 給水後に水を流してダイヤフラムの動作を確認して終了

ボールタップ全体の交換

浮き玉やダイヤフラム単体の交換で修理が可能ですが、中にはバルブの交換ができないタイプのボールタップもあります。そうした場合にはボールタップごと新しいものに変えてください。またバルブなどの一部のパーツを交換したとしても、他の部分も耐用年数が近いといずれ故障する可能性があるため、一度にボールタップを丸ごと交換しておくのもよいでしょう。ボールタップ本体を交換する手順は以下の通りです。

交換に必要なもの

ボールタップの交換も、家庭にもよくある道具を使って行なえます。新しいボールタップは、取扱説明書やメーカーのホームページで品番や製品番号を確かめて購入してください。

【ボールタップ全体の交換に必要なもの】
・交換する新しいボールタップ
・レンチ
・マイナスドライバー

交換の手順

【準備】
1. マイナスドライバーで止水栓を閉め、タンクの水を全て抜く
【交換】
2. タンクのふたを持ち上げ、手洗い管・補助水管を取り外す
3. ボールタップと給水管を固定するナットを緩めて給水管を取り外す
4. ボールタップとタンクを固定するナットを緩めてボールタップを取り外す
5. 新しいボールタップの接続部分にパッキンを取り付ける
6. ボールタップをタンクに固定するためにパッキンとナットをはめてレンチで固定する
7. 給水管を取り付けてナットで締める
【確認】
8. 手洗い管・補助水管を取り付けてタンクのふたを元通りに戻す
9. 止水栓を開けて水漏れがないかを確認して作業終了

ご自分で交換できない場合は修理を依頼しよう

ボールタップをはじめ、各パーツの交換はご自分でも十分にできますが、作業に不安があったり適合するパーツを上手く探せなかったりするならば、修理を依頼するのが望ましいです。各種パーツの交換だけであれば、部品代もさほど高額にはなりません。

修理を依頼する場合のポイント

部品の交換・修理を依頼する際には、水漏れの症状やお使いのトイレのメーカー・種類などの詳細な情報を伝えておくとスムーズに修理作業が進みます。取扱説明書やトイレ本体に刻印されている型番などで確認可能です。
Webでご依頼される場合は、水漏れが起こっている場所やトイレの外観がわかる写真を添付したり、型番やトイレの使用年数なども記載するとよいでしょう。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

修理にかかる時間に関しては症状や作業内容によって異なりますが、ボールタップなどの部品交換であれば1時間程度の作業時間で完了するケースが多いです。
東京ガスでは、トイレをはじめとした水回りのトラブルに最短で当日の訪問日時から選ぶことができます。お困りの際はぜひ検討ください。

修理を依頼する場合の料金の目安

修理費用は症状や作業内容により異なります。部品や本体の交換をする場合は、部品費と本体代が修理費用に追加で発生し、出張費・作業料金・部品代でトータルの支払い金額が決まります。
便器や温水洗浄便座などは製品グレード、機能によって価格が大きく異なります。

以下、東京ガスの料金を紹介します。

  • 各種パッキンの交換 / 9,900円(税込)
  • タンク内部の部品交換修理 / 9,900円(税込)+部品費
  • 注)
    2023年10月3日時点の情報です。

東京ガスに修理を依頼する

まとめ

ボールタップ本体や浮き玉、パッキンなどの交換による修理作業は、適合する部品を用意すれば、ご自分でも十分に行える内容です。手元に工具があり、DIYに慣れている方は、ぜひチャレンジしてみてください。一方で、ご自分での作業に不安を感じていたり、交換部品の入手が難しかったりする場合は、プロに修理を依頼しましょう。

東京ガスでは、ガスやガス機器に関する相談に限らず、トイレをはじめとした水回りのトラブルやリフォームの相談にも対応しています。最短当日に経験豊富な修理スタッフがお伺いしますので、トイレなど日常生活に不可欠な設備の修理をスピーディに依頼できます。まずは24時間365日予約受付可能なWebから、お気軽にお問合せ下さい。

paccho

パッチョ/水パッチョ

監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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