ガスコンロの電池を交換する方法は? 交換時期や使用する電池の種類

公開日:2023.9.26 更新日:2024.2.5

ガスコンロが着火するまでに時間がかかるようになったら、電池交換の合図です。電池カバーの位置はガスコンロのタイプによって異なり、どのタイプも基本的にマンガン電池かアルカリ電池が使われています。ガスコンロが元通りに使えるよう、消耗した電池を新品に交換しましょう。

本記事では、ガスコンロの電池を交換する方法や、電池のサイズや種類、交換時期について紹介します。ガスコンロに電池が使われている理由や、交換後も不具合が解消されない場合の対処方法も解説しますので、参考にしてください。

目次

ガスコンロに電池を使う理由

ガスコンロが普及し始めた頃は、ガスの着火に電池は用いられていませんでした。点火レバーやツマミを回してガスを出し、バーナーから出ているガスにマッチで着火するのが一般的な方法でした。しかし、徐々に改良が加えられる中で、マッチが必要なくても簡単に着火できる仕組みとして、電池の使用が広まっていきました。

さらに時代は進み、現在のガスコンロの電池は、着火以外の役割も担うようになりました。市販されているほとんどのガスコンロには、安全装置としてセンサーが搭載されていますが、電池によって作動しています。センサーは炎の大きさやガス漏れが発生していないかを感知し、安全にガスコンロを使用するために必要な機能です。

このように、近年のガスコンロには着火とセンサーの両方に電池のエネルギーが使用されています。電池が消耗している場合は、安全面からもセンサーの正常な動作に影響しないよう、サインが現れたら適切に交換しましょう。

ガスコンロの電池を交換する方法

ガスコンロが上手く着火しない時や着火するまでに時間がかかる場合は、電池の消耗が疑われます。カチカチという着火の際の音が弱まっているようであれば、新しい電池に交換してみましょう。ここではガスコンロのタイプごとに、電池交換の方法を紹介します。

ビルトインガスコンロの場合

ビルトインガスコンロの場合

システムキッチンに埋め込むタイプのビルトインコンロは、ガス台がフラットになっているため、使い勝手がよく掃除もしやすいタイプです。ガスを点火したり火の大きさを調節したりする操作パネルがコンロ前面部分に設置されているタイプが多く、電池ケースは目立たない部分に格納されています。操作パネルの左右部分などに開閉式のカバーがあり、内部に電池を見つけることができるはずです。

据え置き型ガスコンロの場合

据え置き型ガスコンロの場合

据え置き型のガスコンロ(ガステーブル)は、コンロ前面の下部分や火力を調節するツマミの左右部分に電池を格納するスペースが設けられています。比較的分かりやすい箇所に電池ケースがあるのが特長です。ケースのカバーを開くための突起や爪をひっかけるクボミがあるので、カバーを開いて交換してください。

埋め込み型ガスコンロ(グリルなし)の場合

埋め込み型ガスコンロ(グリルなし)の場合

ワンルームのようにキッチンスペースが狭い物件に採用されることが多いのが、グリルがないタイプのガスコンロです。ガスバーナーだけの非常にシンプルな造りになっているため、一見すると電池ケースが見当たりません。そこで確認してほしいのが、シンクとコンロの下にある備え付けの収納スペースです。扉を開けるとガスコンロの裏側が覗くことができます。ガスコンロの本体の裏側に電池ケースが格納されていることが分かりますので、この部分から電池を交換します。分かりにくい場合は、取り扱い説明書などで確認してください。

ガスコンロに使用する電池

ガスコンロに使用されている電池のサイズは単一が一般的です。据え置き型ガスコンロで1口バーナーのタイプに単二のサイズが使われているケースもあります。お使いのガスコンロに適合するサイズを確認するなら、実際にガスコンロの電池交換ボックスのフタを空けるのが手っ取り早い方法でしょう。

また、ガスコンロ購入時に付属している取扱説明書やマニュアルにも使用する電池について記載されていることが多いので、確認してみてください。

電池のサイズ

ガスコンロに使用されている電池のサイズは単一が一般的です。据え置き型ガスコンロで1口バーナーのタイプに単二のサイズが使われているケースもあります。お使いのガスコンロに適合するサイズを確認するなら、実際にガスコンロの電池交換ボックスのフタを空けるのが手っ取り早い方法でしょう。

また、ガスコンロ購入時に付属している取扱説明書やマニュアルにも使用する電池について記載されていることが多いので、確認してみてください。

電池の種類

電池の種類はマンガン電池とアルカリ電池の2種類に分かれます。どちらを使用していただいても問題はありませんが、3口以上のバーナーがある家庭向きのガスコンロの場合はパワーのあるアルカリ性がおすすめです。以下にそれぞれの電池の特長を紹介します。

マンガン電池

マンガン電池は歴史が古く、プラス極に二酸化マンガン、マイナス極に亜鉛の材料が使われています。時計や懐中電灯、リモコンなど小さな電流で使用する機器に向いています。休ませると電圧が回復して長持ちする点や価格が比較的安い点も特長です。そのため、常時電力を消費することがないリモコンでの使用に適しています。

逆に大きな電圧を必要とする機器にはあまり適していません。自動温度調節などの機能が備わっているハイグレードタイプのガスコンロの場合は、作動が不安定になったり場合によってはうまく作動しなかったりする可能性があります。多機能タイプではなく、1口バーナーのタイプのようにシンプルな機能に絞ったガスコンロであれば十分に作動します。

アルカリ電池

アルカリ電池はマンガン電池と同様にプラス極に二酸化マンガン、マイナス極に亜鉛の材料が使われていますが、内部の構造や部品が異なります。電解液に「アルカリ性の水酸化カリウム」を使用しているためアルカリ電池と呼ばれます。

アルカリ電池の特長は、パワーが強く、連続して大きな電流を放出できることです。また、多くの電圧を備えているため、長持ちすることも特長です。長期にわたって安定した電力を供給できるためガスコンロの使用に向いています。

マンガン電池とアルカリ電池の違い

マンガン電池とアルカリ電池の性能や、ガスコンロで使用した場合の交換頻度の違いは以下の通りです。

容量電圧交換頻度価格
マンガン電池少ない弱い高い安い
アルカリ電池大きい強い低い高い

電池交換の頻度が少なくて済む点や、着火以外の機能の安定した動作も期待できる点などを考慮しても、ガスコンロにはアルカリ電池が向いています。

なお使用する際は、アルカリ乾電池とマンガン乾電池を併用しないように注意してください。異なる種類の電池を一緒に使うと発熱や液漏れの原因になります。種類だけでなくメーカーも合わせるようにするとよいでしょう。

必要な電池の個数

多くのガスコンロでは、単一もしくは単二の乾電池を2個使用しています。交換する際は、2個とも新しいものに変えるようにしてください。1個だけ新しいものに交換しても、必要な電圧が得られずに正常に作動しなくなるため注意が必要です。万が一の際に備えて、交換用の電池を必要個数だけ用意しておくのがよいでしょう。

ガスコンロの電池の交換時期

ガスコンロに使用する電池は、およそ1年で消耗するとされています。マンガン電池の場合は、さらに短くなる可能性もあります。アルカリ電池を使用されている場合は6ヶ月~1年を目安に交換するようにしましょう。ガスコンロのタイプや使用頻度によって電池の消耗スピードは前後しますので、使用している機器の電池消耗のサインを確認してください。

電池交換をお知らせするサイン機能が搭載されているガスコンロをお使いの場合は、サインの点灯が目安になります。サインが点灯ではなく点滅している場合は、何かしらの不具合を伝えているケースです。サインが点灯している場合に、電池の消耗が疑われます。サインが点灯したからといってすぐに電池が使えなくなるわけではありませんが、早めの交換がおすすめです。

電池を替えてもガスコンロに火が付かないときは?

適合する電池に交換してもガスが着火しない場合は、バーナーに汚れやゴミが付着していたり、センサーが誤検知をしていたりする可能性が考えられます。特に他の口(バーナー)で点火できる場合はこれらの可能性が高いです。そのような時の対処方法を以下に説明します。

電池以外に火が付かない原因を探す

まず、電池以外に火が付かない原因を探しましょう。よくゴミの付着や汚れが原因で着火しないケースがあります。長期間掃除していないようなら、バーナーの周辺をさっと掃除してみてください。ただし分解清掃までしてしまうと正しく元に戻せなかったり、別の理由でガスが付かなくなったりするため注意が必要です。

五徳の位置ズレや燃焼板が正しく組み込まれていないことで着火しないケースもあります。各パーツが正常な位置に取り付けられているか、再点検してみてください。バーナー付近が水分で濡れている場合もうまく着火したいことがあるため、乾くまで待ってから再度着火させてください。

その他、全口(全バーナー)が点検しない原因としては、ガスの元栓がしまっているケース、交換した電池がすでに消耗しているケース、電池のプラス・マイナスが逆になっているケースなどが想定されます。基本的な部分に原因があることも十分に考えられるため、再度チェックしてみてください。

ご自分では直せないときは修理を依頼する

新しい電池を正しく交換してもガスが着火しない場合や、燃焼が不安定な場合は、電池以外に不具合の原因があり、ご自分では直せない可能性があります。元栓の開閉や電池の向きなどを確認しても症状が改善されない場合は、修理を依頼してください。

自己判断でガス機器を分解したり修理したりするのは危険です。不完全燃焼によって一酸化炭素を誘発させてしまい重大な事故になることも考えられますので、お近くのガス会社等に依頼しましょう。

修理を依頼する場合のポイント

修理を依頼する場合は、以下の内容を事前に確認しましょう。

ガス機器修理に必要な資格を持っている業者かを確認する

ガス機器は扱い方を間違えば重大な事故を起こす可能性もあるため、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。修理資格制度を設けて、作業品質を意識している業者の方が安心です。
東京ガスでは、必ずガス機器の修理に必要な資格をもったスタッフが対応しますので、安心してお任せいただけます。

見積もりの内容を確認する

修理を依頼する際は、事前に見積もりを確認しましょう。料金が安すぎたり、説明が不十分だったりする場合は注意が必要です。見積もりにない追加費用が請求されことが無いか確認しましょう。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

ガスコンロの修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。
メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパーツや配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、ガスコンロをはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。

修理を依頼する場合の費用は?

ガス機器の修理費用は、出張費(故障診断料等含む)、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
東京ガスでは、修理前に費用総額のお見積もりを提示し、金額確定後に追加請求することはありません。価格体系は以下の通りです。

【東京ガスの修理費用の価格体系】

  • 修理基本料(税込4,400円。出張費、故障診断費、簡易的な一次対応費を含む)
  • 技術料(作業内容に応じて算出されます。)
  • 部品費(部品交換した場合にかかります。)
  • 注)
    2023年8月31日現在の情報です。

東京ガスに修理を依頼する

ガスコンロが着火しないときはまず電池を交換してみよう

ガスが着火しなかったり、着火までに時間がかかったりする場合は、上記で解説した手順でガスコンロの電池を交換してみてください。 交換をお知らせするサインが点灯している場合も、電池交換の時期です。電池のプラス・マイナスの向きに注意して正しく交換すれば、元通りにガスコンロを使用できるようになるはずです。 もし電池交換が完了し、バーナー周辺の汚れを取り除き、パーツの位置を戻した後も正常に作動しないようであれば、別の原因が考えられます。最新型のガスコンロには自動火加減の調節機能や安全対策のためのさまざまなセンサーが搭載されているため、こうした部分に不具合の原因がある可能性が疑われます。電池交換だけでは直せない場合は、ぜひ専門の修理業者に依頼しましょう。

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パッチョ/水パッチョ

監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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