給湯器の火が付かない? 点火不良への対処方法を解説

公開日:2023.11.6 更新日:2024.2.5

給湯器の火が付かない? 点火不良への対処方法を解説

蛇口をひねっても水道からお湯が出てこない時、ひょっとしたら給湯器が点火不良を起こしているのかもしれません。給湯器に火が付かない場合は、リモコンの表示画面やガスメーター、元栓などをチェックして原因を特定できれば、適切な対処を取れる可能性があります。本記事では、給湯器の火が付かない理由と必要な対処方法について解説していきます。

目次

給湯器に点火不良が起きたときの確認ポイント

給湯器の火が付かない不具合が起こった際、確認するべきポイントは3つあります。以下にお伝えするポイントをご自分で確認してみてください。

表示画面のエラーコードを確認する

給湯器のリモコン表示画面に、エラーコードが出ていないかを確認しましょう。普段使っている時とは違う表示になっている場合は、エラーコードから原因を特定することが可能です。エラーコードにはいくつかの種類があり、メーカーや機種によって内容が異なるため、リモコンの取扱説明書もしくはメーカーのホームページから確認してください。

ガスメーターを確認する

ガスメーターが閉まった結果、給湯機本体やリモコンがつかないこともあります。想定されるのは、強い地震を感知した場合や、何かしらの原因でガスメーターが異常を感知した場合、ガスメーターの安全装置が作動した場合などです。また、長時間ガスを使用し続けた場合も、自動でガスメーターが遮断することがありますので、ガスメーターが遮断していないか確認してみましょう。

給湯器の元栓を確認する

ガスが正常に供給されていても、給湯器の元栓が閉まっていると、当然ながら給湯器の火が付きません。何かしらの理由で給湯器の元栓が閉められた場合は、手動で元栓を開けて、給湯器に火が付くか試してみましょう。

給湯器の点火不良が起こる原因と対処方法

ガス給湯器で点火不良が起こる原因には、本体の故障以外にもガス・水の供給トラブルや天候による影響などがあります。ここでは、代表的な原因と具体的な対処方法について解説します。

点火装置の故障

給湯器には、ガスに着火するためのイグナイターという点火装置の役割を担う部品が搭載されています。この部品に不具合があり、上手く火花が飛ばずに点火不良が起こることがあります。イグナイターは点火に必要な電圧を発生させる部品です。点火しない場合は、経年によりイグナイターの電極が劣化したり制御する基盤に不具合が起こったりして、故障している可能性が高いでしょう。

対処方法:点火装置を修理する

点火装置であるイグナイターの修理は、個人で行わずに修理を依頼しましょう。専門知識や技術がないままガス給湯器の修理や分解作業を行うと危険が伴います。作業内容によっては、有資格者でなければ対処してはいけないものもあります。ガス漏れなどの大きな事故にもつながるリスクがあるため、ご自分で対応するのは控えて下さい。

点火装置への水の侵入

台風などによる強風や大雨が原因で、給湯器内部に水が浸入したり湿気がたまったりしている場合、点火不良が起こる可能性があります。点火装置本体や付近が濡れていることが主な原因です。

対処方法:自然乾燥させる

濡れた点火装置が乾けば、通常通りに点火できる可能性があるため、時間をおいて自然乾燥させるのが望ましいです。早く乾燥させたいからといって、ドライヤーで加熱したり無理に送風したりしないでください。給湯器の部品に負担がかかり寿命が短くなったり、故障の原因になるおそれがあります。自然乾燥をさせても復帰しなければ、修理を依頼するようにしましょう。

ガスの供給トラブル

ガスが供給されないことで点火しない場合は、供給側のトラブルを解決する必要があります。ご自分でできる対処方法は2つあります。

対処方法①:ガスメーターによるガスの遮断を解除する

ガスメーターには、ガス漏れの可能性を検知してガスの供給を自動遮断する機能が搭載されています。これは、震度5程度以上の地震の揺れや、長時間にわたってガスメーターが連続して動き続けると、配管の破損やガス機器の不具合が起きていることを想定してガスの供給を止める仕組みです。ただし、通常の使用でもガスの供給が自動遮断されるケースが考えられます。特に多いのが、冬場にガスストーブを使い続けた場合です。ガスメーターが動き続けることで仕組みが作動し、ガスが自動遮断されます。こうしたトラブルは、ガスメーターの操作手順に従って遮断を解除することで対処できます。

対処方法②:ガスメーターの元栓を開ける

何かしらの理由でガスメーターの元栓が閉まっていることも考えられます。長期間の不在が続いた場合などに、ガス会社が閉栓している場合もあるので、ガスメーターの元栓を開ける必要があります。ガスメーター付近に元栓が設けられているため、閉栓されていないかを確認してください。

水の供給トラブル

ガスと同様に、正常に水が供給されていない場合にも、給湯器が点火しない不具合が発生します。給湯器はバーナーで配管内を通る水を加熱する仕組みですが、安全対策として一定量以上の水がない状態では、着火しないようになっています。

対処方法①:給湯器の給水元栓を開ける

給湯器に水が供給されない原因の一つが、給水の元栓が閉まっていることです。正しく給水されているか、元栓の開閉を確認してみてください。また、給湯器の作動に必要な水圧が得られていない可能性も考えられます。元栓を絞り過ぎている可能性があるので、給湯器が作動するように元栓を開く必要があります。

対処方法②:凍結しているなら自然解凍させる

寒い季節に起こるのが、給水管の凍結です。外気温が0℃を下回るような気候の場合は、給水管や給湯器内部の配管の凍結を疑ってみましょう。凍結している場合は、自然に解凍されるまで待つ必要があります。時間がないからといって、熱湯をかけたりドライヤーで熱風を送ったりすることは、各部の故障の原因になる他、給湯器の劣化を早める原因になるため避けてください。

落雷による安全装置の作動

落雷によって給湯器に過電流が流れ、安全装置が作動している場合も想定されます。天候の回復を待ってから、以下の対処方法を試してみてください。

対処方法:給湯器の電源を入れ直す

落雷によって安全装置が作動している場合には、給湯器のリセット(電源の入れ直し)をすることで解除が可能です。お湯の使用を一旦止めて、リコモンでのリセットもしくは給湯器本体での電源の入れ直しを試みてください。

・リモコンでリセットする方法
給湯器のリコモンでリセットするには、運転スイッチをオフにする必要があります。オフ状態にしてから、再度オンにすることで安全装置が解除されるはずです。詳細については給湯器の取扱説明書で確認してください。

・電源プラグでリセットする方法
リモコンの操作ではリセットされない場合、給湯器本体の電源を入れ直すことで解除できる場合があります。給湯器の電源コードをコンセントから抜き、しばらく経ってから差し直してみてください。正常にお湯ができるようになればリセット完了です。

給湯器の点火不良にご自分で対処する際の注意点

ここまで、給湯器点火不良が疑われる原因と具体的な対処方法を解説してきましたが、ご自身でできる対処には限界があります。給湯器にはガス・水が供給されている上、電気系の制御部品も多く使われているため、故障が疑われるような場合は、早期に点検と修理を受けていただく必要があります。ご自身で対処する際は、以下に挙げる点に注意してください。

給湯器を分解しない

専門の知識と技術を持たない素人による給湯器の分解は大変に危険です。作業によっては専門資格の保有者にしか認められていない修理もあるため、ご自分で給湯器を分解するようなことは絶対に避けてください。

点火装置をドライヤーで乾かさない

給湯器内部が濡れていたり、水を供給する配管の凍結が疑われたりする場合は、自然乾燥を待ってから運転していただく必要があります。急ぐあまりにドライヤーで加熱すると、急な温度変化により配管や部品が脆くなり、破損する恐れもあるため、ドライヤー等で加熱してはいけません。

対処方法を試しても給湯器が直らないなら修理を依頼しよう

ご自分で点火不良を解消する方法を試してみても正しく給湯器が動かない場合は、点検・修理を依頼しましょう。

修理を依頼する場合のポイント

資格制度があるなど信頼できる業者かを確認する

給湯器の修理にはさまざまな関連資格があり、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。関連する法律や基準を守らずに工事をすると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生など、健康にも悪影響を及ぼすおそれもあるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
東京ガスでは、社内資格制度を設けており、ガス機器修理に必要な知識・技能を有したスタッフが対応しますので安心してお任せいただけます。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

給湯器の修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。
メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパッキン・配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、給湯器をはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。

修理を依頼する場合の料金の目安

ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
料金の目安としては、東京ガスにてふろ給湯器の部品交換修理をいただいたうち、25,000円以下で納まるケースは7割以上、25,000円を超えるケースは3割以下となっています。注)

  • 注)
    2022年度のガスふろ給湯器における部品交換時の修理費用(東京ガスグループ調べ)

東京ガスに修理を依頼する

給湯器の点火不良は原因によって直し方が異なる

給湯器に火が付かない場合の直し方や点火不良が発生する原因、具体的な対処方法について解説しました。お使いの給湯器で同様のトラブルが起こった場合の参考にしてみてください。今回紹介した方法では直せない場合は、なるべく早めに点検・修理を依頼するようにしましょう。 東京ガスでは、ガス機器のさまざまなトラブルに対応するガス機器修理サービスを提供しています。電話はもちろんWebからも予約が可能で、最短当日の訪問も可能です。お住いの地域を管轄する店舗スタッフがスピーディに対応しますので、お急ぎの場合はぜひ利用ください。

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パッチョ/水パッチョ

監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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