給湯器の水抜きは必要? 水抜き方法やそれ以外の凍結防止策や凍結したときの対処法を紹介

公開日:2023.12.8 更新日:2024.2.5

給湯器の水抜きは必要? 水抜き方法やそれ以外の凍結防止策や凍結したときの対処法を紹介

寒い冬の朝に蛇口をひねってもお湯が出てこない場合、給湯器や配管内の水が凍結している可能性があります。凍結を予防するためには給湯器を水抜きする方法がありますが、これまでに水抜きをしたことがない方も多いでしょう。そこで本記事では、給湯器の水抜きの基本的な手順や水抜きをした後に再び給湯器を使う方法を解説します。水抜き以外の凍結防止策も併せて紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

給湯器の水抜きとは

給湯器の水抜きは、給湯器の凍結を防ぐために有効な方法です。
給湯器の凍結を防ぐ方法はいくつかありますが、給湯器の水抜きは給湯器を長期間使用しない時に有効な方法です。

給湯器の水抜き等の凍結防止策をしないとどうなる?

給湯器の水抜き等の凍結防止策は、水抜き栓の操作や蛇口を開ける等の手間がかかるため、面倒に感じる方もいるでしょう。もし水抜き等の凍結防止策をせずに凍結してしまった場合、どのような弊害があるのでしょうか。具体的には以下のようなことが想定されます。

水やお湯が使えなくなる

給湯器本体の内部にたまっている水が凍結してしまうことで、お湯が使うことができなくなります。また、給湯器から蛇口までの配管内にも水が残ったままになるため、外気の影響を受けて凍結してしまう恐れがあります。

配管が破損し水漏れになる

給湯器内や配管内の水が凍結によって膨張し、故障や破損が起こる可能性があります。破損部分から水が漏れる恐れもあるでしょう。配管が破損した場合、給湯器の使用ができなくなる他、漏れた水が周辺や給湯器の電気系統にまで及ぶと故障の原因になります。

給湯器の水抜きが有効な3つのケース

もし凍結が起きてしまった場合、水が解凍されるまで給湯器が使用できなくなるだけでなく、水が膨張して凍ることで給湯器本体や配管を破裂させてしまう可能性があります。こうしたトラブルを回避するためにも、凍結が起こりやすい代表的な3つのケースを理解しておきましょう。

1.気温が低い場合

給湯器の水抜きが必要になるのは、外気温が0℃近くまで下がる天候のときです。特に注意が必要なのは冬の夜間です。

夜間に水抜きが必要な理由は、時間帯ごとの水道の使用頻度の違いにあります。日中はたとえ寒くても水道を使う頻度が高く、配管内の水が流れる条件が整っています。水は動いている(流れている)限り、凍結する可能性が低いからです。寒い地域の冬場には、湖や池が凍るのに対して、同じ地域でも川や海が凍ることが少ないように、水道管の水が動きやすい(=水道を使いやすい)日中は凍結のリスクはさほどありません。

一方で、家族みんなが就寝して蛇口を使うことがない夜間は、凍結のリスクが一気に高まります。

2.冬に家を長期不在する場合

上記で説明した理由と同様に、冬に家を長期不在する場合にも水道を使わないことで給湯器や配管内の水が凍結しやすくなります。冬に家を長期不在する際には、事前に給湯器の水抜きを行っておくとよいでしょう。

3.給湯器に風が直接当たる場合

気温が0℃近くまで下がることがない時期でも、野外に設置した給湯器に風が直接当たるような条件にある場合には、凍結が起こるリスクがあります。戸建ての場合、屋外に給湯器を設置することが多く、マンションなどの集合住宅の場合もベランダ等に本体が見える形状で設置されている場合、冷たい外気にさらされやすいです。給湯器に風が当たることで水温が気温以下まで冷やされてしまい、水が凍結してしまう恐れがあります。

給湯器の水抜きの方法

まず給湯器の水抜き栓の位置を確認しよう

水抜き作業を行う際には、まず水抜き栓の位置を確認すべきですが、給湯器のどこに設置されているのか知らない人も多いでしょう。寒波が襲来する時になって初めて水抜き栓を探しても、なかなかうまく見つけられないかもしれません。凍結の恐れが高まる時期までに、事前に水抜き栓の位置を確認しておくとよいでしょう。

給湯器には、ガスや水道水を供給するための多くの配管が取り付けられていますが、水抜き栓もその中にあります。一般的な給湯器の場合、給湯器の下部分に設置されていることが多いです。水抜き栓はパッキンやフィルターと共に取り付けられていますが、製品によって形状はさまざまです。また位置も機種によって異なるため、取扱説明書で確認してください。

給湯器の水抜きの具体的な手順

実際に水抜きを行う場合の、具体的な手順を紹介します。ただし、水抜き栓の位置や形状が機種ごとに異なるように、手順にも若干の違いがあることが想定されるため、こちらも取扱説明書で事前に確認することをおすすめします。

【水抜きの基本的な手順】
1. 給湯器の電源をOFFにする(電源プラグは抜かない)
2. 給湯器の給水元栓、ガス栓をしっかりと閉める
3. キッチン、浴室、洗面所などのお湯の蛇口をすべて開放する
4. 給湯器の水抜き栓を開ける
5. コンセントから給湯器の電源プラグを抜く

水抜き後に給湯器を使う方法

水抜き後に再度給湯器を使用する際には、水抜き栓を閉める作業が必要になります。凍結の恐れがない状況になってから、以下の手順で作業してください。

【水抜き後の給湯器使用手順】
1. 開放してあった家中の蛇口を全て閉める
2. 給湯器の水抜き栓を閉める
3. 給水元栓を全開にする
4. いずれかの蛇口を開けて水が出ることを確認する
5. 給湯器の電源コードをプラグに差す
6. 給湯器のガス栓を開放する
7. 給湯器の電源をONにする
8. 蛇口を開けてお湯が出ることを確認する

こちらもあくまで基本的な流れになるので、詳細は取扱説明書を必ず確認しましょう。

水抜き以外の凍結防止策

水抜き作業以外にも、凍結を回避する方法がいくつかあるため、紹介します。必要に応じて、以下の方法を試してみてください。

給湯器の凍結防止機能を作動させる

比較的新しい給湯器の場合、本体に凍結防止機能として凍結予防ヒーターや自動ポンプ運転装置などが搭載されていることがあります。一定の温度以下になると自動で装置が作動し、ヒーターで給湯器内部の配管を温めたり、水を流すことで凍結を回避したりする機能です。

【給湯器の凍結防止機能を作動させるために必要な手順】

1. 給湯器の電源プラグがコンセントに差し込まれていることを確認する

2. 浴槽の水が循環アダプターよりも5cm以上上にある状態にする

ただし、自動ポンプ運転の凍結防止はあくまで給湯器と浴槽を循環している配管の保護となりますので、給水・給湯管等の給湯器の水道配管部分の凍結防止には効果がありません。ガス給湯器の給水・給湯は以下の方法で凍結を予防しましょう。

お湯の出る蛇口から少量の水を出し続ける

冷え込みが厳しくなると、給湯器に接続されている配管の凍結対策も必要です。ここでは通水で配管の凍結を防止する手順について紹介します。

【水を出し続けて凍結を防ぐ手順】

1. リモコンの運転スイッチを切る

2. お湯が出る蛇口を開いて、少量の水を流したままにしておく

3. お湯が出る蛇口であれば、浴室や洗面所、台所でも良いです。必ず一カ所から水を流すようにしてください。水の量は1分間に400ccくらい(コップ2杯程度)を目安にしましょう。

配管に保温材や凍結防止帯を巻く

凍結しやすい屋外の配管に保温材や凍結防止帯を巻く方法も有効です。寒冷地の場合、すでに対策が施されている住宅も多いですが、配管がむき出しになっている箇所があると凍結しやすいため、保温材や凍結防止帯を巻き、外気の影響を減らす対策をしましょう。保温材が巻いてある場合でも、傷んでいないか定期的に確認し、必要に応じて交換するようにしましょう。
保温材や凍結防止体はホームセンターや量販店などでも購入できますが、不安な場合は修理・販売業者などプロに相談するのもよいでしょう。しっかりと保護しておけば凍結のリスクを下げられるでしょう。

凍結してしまったときの対処法

備えをしていても給湯器が凍結してしまった場合には、どうすればいいのでしょうか。配管の破損などの重大な不具合が発生していなければ、以下にあげる方法で対処することが可能です。

自然に解凍されるのを待つ

給湯器が凍結した場合の最も望ましい対処は、自然解凍を待つことです。もちろん時間はかかりますが、徐々に外気温が高まるにしたがって凍結が解消され、普段通りに給湯器を使用できるようになります。自然解凍を待つ間は、リモコンで給湯器の電源をOFF状態にしておくのがよいでしょう。ただし、給湯器本体の電源プラグは、コンセントから抜いてはいけません。給湯器に接続されている配管から水漏れが起こっていないようであれば、解凍後に使用することができます。

ぬるま湯とタオルを使って解凍

自然解凍がなかなか進まない場合や早く水やお湯を使いたい場合の対処として、ぬるま湯とタオルを使って解凍する方法があります。手順は以下の通りです。
但し、メーカーや機種によっては推奨していない場合もあるので、必ずお使いの給湯器メーカーのホームページや取扱い説明書を確認して実施するようにしてください。

【ぬるま湯を使った解凍方法】
1. リモコンスイッチで給湯器の電源をOFFにする
2. 給湯器本体の電源プラグはコンセントに差したままで、ガス栓を閉める
3. お湯の蛇口を少し開けて、解凍後に水が出る状態にしておく
4. 給湯器の給水栓の周辺にタオルを巻き付け、40℃以下のぬるま湯をかける
5. 開放しておいた蛇口から水が出れば解凍完了
6. タオルを外し、再凍結を避けるため周辺の水をしっかりと拭き取っておく

注意点1. 直接配管に熱湯をかけないようにする

ぬるま湯とタオルを使って解凍する際には、配管に直接かからないように注意してください。こぼれた水が配管を伝って給湯器の電気系統部分などに侵入すると故障の原因となります。また熱湯は配管を破損しかねないので、絶対に使用しないでください。

注意点2. ぬるま湯を拭き残さない

かけたぬるま湯の拭き取りを怠ると、逆に凍結を促す原因になってしまいます。乾いたタオルも用意しておけば、水滴をしっかりと拭き取れるので再凍結を防げるでしょう。

凍結で給湯器が破損・故障してしまった場合は修理を依頼しよう

もしも、凍結が原因で給湯器が故障したり配管が破損したりした場合は、修理を依頼しましょう。ご自分で分解や修理を試みることは避けてください。給湯器は、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素の発生など、二次被害が起こるリスクが高いため、必ずプロによる修理を受けるようにしてください。

修理を依頼する場合のポイント

賃貸住宅の場合は大家や管理会社へ事前に相談する

賃貸の物件 (マンション・アパート)に住んでいる場合は、管理会社や大家さんに事前連絡をしましょう。賃貸物件では、通常の使用で給湯器が故障したのであれば、修理費用は管理会社や大家の方の負担になるケースが多いからです。
まずはトラブルや不具合の症状を管理会社や大家さんに連絡して、指示に応じた対処を取るようにしてください。自己判断で修理してしまうと、契約違反となって無用なトラブルを招いてしまうこともあるので、注意しましょう。

資格制度があるなど信頼できる業者かを確認する

給湯器の修理にはさまざまな関連資格があり、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。関連する法律や基準を守らずに工事をすると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生など、健康にも悪影響を及ぼすおそれもあるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
東京ガスでは、社内資格制度を設けており、ガス機器修理に必要な知識・技能を有したスタッフが対応しますので安心してお任せいただけます。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

給湯器の修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。
メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパッキン・配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、給湯器をはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。

修理を依頼する場合の料金の目安

ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
料金の目安としては、東京ガスにてふろ給湯器の部品交換修理をいただいたうち、25,000円以下で納まるケースは7割以上、25,000円を超えるケースは3割以下となっています。注)

  • 注)
    2022年度のガスふろ給湯器における部品交換時の修理費用(東京ガスグループ調べ)

東京ガスに修理を依頼する

まとめ

凍結による給湯器の故障は、製品保証の対象外になることがほとんどです。気温が著しく下がる冬の夜は、給湯器の凍結に十分に注意して対策をしっかりと行ってください。 もしも給湯器が故障してしまった場合には、できるだけ早く修理を依頼するのが望ましいです。東京ガスでは、ガス給湯器の修理対応を行っています。電話での予約はもちろん、Webからも簡単に問い合わせできるようになっています。最短当日に訪問が可能なため、給湯器に気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。

paccho

パッチョ/水パッチョ

監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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