引越しの挨拶は必要?マナーや注意点について解説

最近では、ご近所付き合いも少なくなり、引越し前後の挨拶を控えているという方も多いようです。この引越しの挨拶は、必要なのでしょうか。この記事では、引越しの挨拶の必要性やマナー、注意点などについて解説していきます。

引越しの挨拶は必ず必要?

引越しの挨拶は必要なのか、「旧居」「新居」「一人暮らし」の3つのパターン別に解説していきましょう。

旧居での引越しの挨拶

旧居での引越しの挨拶は、ご近所の方とあまり付き合いがなかったとしても行うべきでしょう。

なぜなら、引越し時に騒音や大荷物の移動、トラックの出入りで道を塞ぐ可能性があり、「ご迷惑をおかけします」という意味でも挨拶をするべきだからです。これまでお世話になったことのお礼なども併せて挨拶すれば、お互い気持ちよく引越しを終えることができます。

新居での引越しの挨拶

新居での引越しの挨拶は、近隣の住民に快く迎え入れてもらうために必要だといえます。

簡単な自己紹介をし、旧居同様、引越し時の騒音などのお詫びもふくめて挨拶をしておくと、今後、その地域で暮らしやすくなるはずです。

一人暮らしの場合は要注意

一人暮らしの場合は、必ずしも引越しの挨拶をしたほうがよいわけではありません。

とくに単身女性の場合は、引越しの挨拶をすることで、相手に女性一人で住むことを知らせてしまうことになります。防犯面を考慮し、場合によっては挨拶をしないという選択肢を選んでもよいでしょう。もし、挨拶をする場合には、家族や男性についてきてもらい、一人暮らしであることをカモフラージュするのもおすすめです。

また、単身男性の場合には、挨拶する相手方が女性一人住まいの場合も考えられます。相手によっては抵抗があることもあるため、事前に管理会社や大家に相談してから挨拶するかどうかを決めましょう。

引越しの挨拶を行うタイミングと時間帯

引越しの挨拶は「引越しの日の前日の日中」がベストなタイミングです。

引越しの前日に行えば、引越し時の騒音や、引越しのトラックが道路を塞ぐなどの迷惑がかかることを事前に知らせることができます。

時間帯としては、早朝と夜を避けた日中がよいでしょう。具体的には、正午〜夕方の間です。この時間帯ならば在宅していることも多く、迷惑があまりかからないため、あらかた対応してもらえます。

引越しの挨拶を行う範囲はどこまで?

引越しの挨拶を行う範囲に悩むことはありませんか。ここでは、「一軒家の場合」「マンション・アパートの場合」「大家・自治会長の場合」それぞれの挨拶を行う範囲をご紹介します。

一軒家の場合

一軒家に引越した場合は、「向こう三軒両隣」と「家の裏側の家」に挨拶に伺うようにします。

一軒家への引越しとなると、今後は長い付き合いになる可能性が高いです。また、町内会の付き合いも発生しますので、しっかり挨拶回りをしておきましょう。

なお、新築の一軒家を建てる場合には、工事前に近隣の住民に挨拶しておくことも重要です。そして、引越し後に改めて挨拶をしてください。

マンションやアパートなどの集合住宅の場合

マンションやアパートへ引越しした場合は、「自分の部屋の両隣」と「自分の部屋の上下」の位置にあたる部屋に挨拶をするのが一般的です。

両隣の部屋は、顔を合わせる機会が多く、何かあったときに接することもあるので、挨拶をして顔見知りになっておくと安心して生活することができます。

上の部屋の住民には、下に引越してきたことで、足音や生活音の配慮をお願いするための意味あいも兼ねて挨拶するとよいでしょう。

下の部屋の住民には、上に引越してきたことで、足音などの騒音で迷惑をかける可能性もあるため、その旨を伝えつつ挨拶をしてください。

大家や自治会長などへの挨拶

大家や自治会長への挨拶は、場合によって挨拶しておいたほうがよいでしょう。

大家は、近所に住んでいる場合には一言挨拶しておくことをおすすめします。また、大家自ら引越し当日に挨拶しにきてくれる場合もあります。

自治会長への挨拶はしなくても問題ありません。しかし、挨拶をすることによって、自治会への加入や活動状況、近所の様子などを知る機会になります。地域や近隣住民のことなどを知りたいならば、挨拶をしておきましょう。

挨拶先が不在の場合の対応

引越しの挨拶に伺ったときに、相手が不在の場合もあります。そういったときには、基本的に後日改めて挨拶に伺うようにしましょう。曜日と時間をずらして2〜3回訪ねてみてください。それでも挨拶できないようなら、郵便受けに引越してきた旨を伝える手紙を入れておきます。

また、単身女性が住んでいる部屋への挨拶は、無理にする必要はありません。どうしても挨拶しておきたい場合には、手紙で引越してきたことを伝えるとよいでしょう。

手紙には、

  • 名前
  • どこに引越してきたか
  • 手紙での挨拶のお詫び
  • 今後の付き合いをお願いする気持ち

を記載します。

手紙の例文は次のとおりです。

○月○日に××××××××(住所もしくは部屋番号)に引越して参りました○○(名前)と申します。何度か挨拶に伺わせていただいたのですがご不在のようでしたので、失礼ながら書面でのご挨拶に代えさせていただきます。
引越しの際は、なにかとお騒がせし、失礼いたしました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

引越しの挨拶の文章例

ここでは、引越しの挨拶の文章例をご紹介します。

旧居での引越しの挨拶

いつもお世話になっております。
××××××××(住所)に住んでおります○○(名前)です。
○月○日に引越しをすることとなりましたので、挨拶に参りました。
これまでお世話になりました。ありがとうございました。
引越し当日はご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは失礼いたします。

新居での引越しの挨拶

新居での引越しの挨拶の文例をケース別にご紹介しましょう。

ご近所への挨拶

はじめまして。

本日(もしくは○月○日に)、
××××××××(住所)に引越して参りました○○(名前)と申します。
引越しでは何かとご迷惑をおかけいたし、失礼いたしました。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。

手土産を渡す場合

心ばかりの品ではございますが、よろしければお受け取りください。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。

家族に小さい子供がいる場合の文例

小さな子どもが○人おりますので騒がしくしてしまい、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

引越しの挨拶を行う際の注意点

引越しの挨拶を行う際には、次のことに注意しましょう。

身だしなみ・服装に気を配る

引越しの挨拶は近所なので、ラフな格好でもよさそうに思いますが、初対面の相手に不快な思いや不信感を抱かせないためにも、身だしなみ、服装に気をつけましょう。

具体的には、清潔感のある服装、見出し身にすれば問題ありません。

言葉遣いに注意

挨拶の際にあまりくだけた態度で接すると、よい印象を持ってもらえません。近所の人が目下の人であっても、丁寧な言葉遣いを心がけるようにしましょう。

不安要素は先に伝えておく

ご近所トラブルになりそうな可能性のある不安要素は、挨拶のときに伝えておきましょう。たとえば、小さなお子さんがいて生活音で迷惑をかけそうだとか、ペットの鳴き声、早朝・深夜の家の出入りがあるなどです。先に伝えておくことで、トラブルを防げる可能性があります。

引越しの挨拶におすすめの手土産

引越しの際に手土産を持っていくこともあるでしょう。その際には、相手に気を使わせない価格と品物を選ぶことがポイントです。

予算は、500~1,000円程度がよいでしょう。

品物でおすすめなのが「消耗品」「食べ物」「金券」です。

ラップやティッシュペーパー、自治体指定のゴミ袋などの消耗品は、相手の趣味・嗜好などを考える必要がなく、比較的どこでも購入できるのがメリットです。渡すときには、簡単なラッピングをすると、丁寧な印象を与えることができます。

食べ物は、あまり好みが分かれないようなもの、日もちするものを選ぶようにします。たとえばお菓子なら、おかき、お煎餅、クッキーなどです。そのほか、お茶、お米、乾麺などもおすすめです。

金券は、相手の好きなときに好きなものに使えるため、どの方にも喜ばれるでしょう。また、ほかの品物にくらべてコンパクトなのもメリットといえます。具体的には、商品券やクオカード、図書カードなどです。価格は500円または1,000円程度にしましょう。

のし紙はどうする?

引越しの手土産にのし紙をつけたほうがよいのか迷うことがあるかもしれません。結論からいうと、のし紙はつけてもつけなくてもかまいません。ただし、挨拶の品であるため、簡単なラッピングはしておきましょう。

のし紙をつける場合には、紅白蝶結びののしを使います。表書きには、「御挨拶」と「名前」を書き入れてください。のし紙をつけることで、名前を覚えてもらえます。

引越しの挨拶はマナーを守って

引越しの挨拶は、挨拶のタイミングや時間帯、身だしなみなど、相手のことを考慮して行うのがマナーです。これからお世話になる気持ちを挨拶で伝えるようにしましょう。