トイレの水漏れの原因とやるべきことは?自分でできる修理方法と業者に依頼する際の注意点

公開日:2023.6.21 更新日:2024.2.5

トイレの床が水で濡れている場合は、何かしらの理由で水漏れが起こっていると考えられます。被害が広がらないためにも、正しい対処方法を知っておきましょう。また修理を依頼する前に、トイレのどの箇所が水漏れしているのか確認してください。水漏れの原因次第では簡単な作業で修理可能な場合もあります。

本記事では、トイレが水漏れした際に取るべき行動と、水漏れの症状から原因を特定して、自分で修理する方法を解説します。また故障の原因によっては自分での修理が難しいため、プロに修理を依頼する判断も必要です。その際の依頼方法や修理業者選びのヒントもあわせて紹介します。

目次

トイレが水漏れした時にまずやるべきこと

トイレから水漏れしている時は、まずは応急処置が必要です。放置しておくとどんどん水の量が増えて、トイレの床が水浸しになってしまいかねません。

1.止水栓を閉める

水漏れの原因に関わらず、水が床に溢れ出るのを防ぐためにトイレの止水栓を閉めてください。止水栓とは給水管からの水の量を調節したり、止めたりするための開閉器具のことです。止水栓はトイレに必ずあり、壁に設置されている場合もあれば、床に取り付けられている場合もあります。製品によってはタンクやトイレ本体で見えない場所に付いていることもあるため、あらかじめ止水栓の場所を知っておきましょう。

ハンドルがなく直線の溝がある止水栓を閉めるには、マイナスドライバーを使って時計回りに回します。ハンドルタイプの止水栓であれば、ドライバーなしで閉めることが可能です。手でハンドルを時計回りに回して給水管からの水の供給を止めます。

止水栓からの水の供給さえ止めておけば、トイレタンクの故障で水が漏れている場合でも、水漏れがそれ以上増えることはありません。もし止水栓の場所が分からない場合は水道の元栓を閉めることで応急処置が可能です。

2. 電源コードを抜く

温水洗浄便座タイプのトイレの場合、コンセントから電気が供給されています。電源コードを濡れた手で触ったり水がかかったりすると、感電やトイレ本体の故障の原因になりかねません。電源コードは作業前に必ず抜いておきましょう。また、作業時に電源コードが水で濡れないように、コンセントに差し込むプラグ部分をビニール袋で覆ってください。

3. 水で濡れた箇所を拭く

雑巾やタオル、新聞紙などを使い水で濡れた箇所を拭き取ってください。大量に溢れ出ている場合は、バスタオルなどで水が広がらないようにしておけば大丈夫です。汚水があふれてしまっている場合は、使い古しの雑巾や、そのまま捨てられる新聞紙のほうがおすすめです。

4. 便器の水を汲み取る

水漏れが便器から起きていると想定される場合は、便器内の水を汲み取って水漏れを防ぐ方法が有効です。ひしゃくや灯油ポンプなど活用して汲み出してください。どちらもご自宅にない場合は、小さめのペットボトルがひしゃくの代わりに使えます。

5. 水漏れしている箇所や原因を調べる

応急処置が終われば、いよいよ水漏れしている箇所の特定や原因を探していきます。水を拭き取って乾いた箇所が濡れているようであれば、容易に特定可能です。一目では見つけられないようであれば水漏れのよくある原因のうちのどれにあたるのか、一つずつ確認してみましょう。

【水漏れ箇所別】トイレが水漏れする原因と修理方法

ここではトイレの水漏れが起こりやすい箇所と原因、具体的な修理方法を紹介します。水漏れしやすい箇所として多いのがトイレタンク・給水管・便器本体です。1カ所ずつ確認していきましょう。

トイレタンクが水漏れしている時

トイレタンクが水漏れしている時

トイレタンクは、便器洗浄のために大量の水を溜めていく役割があり、止水栓からの水の供給を受けている他、便器本体にも接続されています。そのため各管との接続部分のナットがゆるんでいたり、パッキンが劣化していたりなどの理由で水漏れが発生しやすいです。

トイレタンクの水漏れが発生する原因は、主に次のようなものがあります。

  • 給水管などとの接続部分でのナットのゆるみ
  • 継ぎ手部分のゴム製パッキンの劣化
  • ボールタップの破損
  • 浮き球の破損
  • ゴムフロートの劣化
  • オーバーフロー管の破損
  • 鎖の破損 など

他にも梅雨などの湿度の高い時期には、結露が原因で床に水がしたたり落ちてくることもあります。結露が原因の場合は便器の不具合ではないため結露して出た水をふきとりましょう。

トイレタンクの部品故障が原因

トイレタンクの内部は、複雑な構造になっています。使われている部品数も多いだけに、故障が起こるリスクが高い箇所です。給水管からの水を受け入れ、既定の量まで水が溜まればボールタップや浮き球などが作用し、自動で給水が止まる仕組みになっています。正常な位置になっても水が止まらずタンクから溢れる場合は、水量を調整する部品の劣化や損傷が想定されます。

また、排水側の仕組みに不具合があり、水漏れする可能性もあります。排水口の開閉を調整するフロートバルブが上がったままになり、排水口が閉じずに水が流れ出てしまうなどの症状です。いずれも各部品の経年劣化や損傷によって発生しています。

自分で修理する場合は、以下の手順で部品を新しいものに交換する必要があります。

1. 止水栓を閉める
2. タンク内の水を全て流す
3. 劣化・損傷した部品のナットを外す
4. 新しい部品をつける

取替用の部品や工具は、ホームセンターや通販サイトなどで購入できる場合もあります。詳しくはメーカーのホームページなどで確認ください。修理の依頼もできるので、作業に不安がある場合はご検討ください。

トイレタンクのひび割れが原因

トイレタンク本体にひび割れや損傷があり、そこから水が漏れている可能性もあります。タンクに使われている素材は陶器や樹脂などが主流で、過度な衝撃への耐性は強くありません。水が漏れている箇所がどこか目視で確認し、損傷部分を特定してください。

自分でできる修理としては、陶器や樹脂などの素材専用の補修ボンドでひび割れをふさぐ方法があります。しかし修理可能なのは軽度の場合のみです。大きな損傷がある場合は、修理を依頼してタンク自体を交換しなければなりません。

給水管が水漏れしているとき

給水管が水漏れしているとき

トイレタンクと止水栓をつなぐ給水管が原因の場合もあります。水道管と接続している部分なため常に高い水圧がかかり、パッキンの経年劣化、ナットのゆるみから水漏れが起こりやすい箇所です。

給水管の劣化・ゆるみが原因

タンクや止水栓とのつなぎ目部分のナットがゆるんでいる場合は、レンチで締め直すだけで修理できます。ナットをきつく締めても水が漏れるようであれば、ゴム製パッキンの劣化を疑ってみましょう。

ゴム製パッキンを取り替える際は、止水栓がきちんと閉まっていることを確かめてから、タンク内の水をすべて排出します。タンクを空にしてから、レンチで給水管を取り外し、交換用のものと付け替えれば修理は完了です。パッキンを交換しても水漏れが続く場合は給水管自体の交換が必要です。適合する部品を用意して交換してください。

温水洗浄便座から水漏れしている時

温水洗浄便座から水漏れしている時

トイレタンクや給水管からの水漏れが確認できない場合は、温水洗浄便座の不具合を疑ってみましょう。タンクや給水管あるいは便器本体などの単純な構造の部分と比較して、温水洗浄便座は家電製品のように複雑な機構が採用され、使われている部品点数も多いため故障しやすい傾向です。

洗浄ノズルの故障が原因

一般的に温水洗浄便座の耐用年数は10年程度と言われており、便器やタンクと比較して圧倒的に短くなっています。経年による劣化や故障が原因の場合は、便座本体の買い替え・交換も選択肢の1つです。

ノズルから水漏れをしている場合は、洗浄ノズル自体が原因の可能性があります。ノズルの修理や交換は機種によって自分で修理可能なもの、メーカーへ修理依頼をしなければ直せないものがあります。取扱説明書やメーカーのホームページで確認してみましょう。

部分的な修理で対応可能なのは、洗浄ノズルそのものの故障ではなく、給水管、給水フィルター、水抜栓が原因で温水洗浄便座から水漏れをしている場合です。これらが原因の場合、まずは止水栓を閉めて電源プラグを抜いてから作業を行います。

給水管が原因の場合、給水管のナットを締めることで水漏れが止まります。しかし水漏れが止まらない時はパッキンの劣化を疑いましょう。パッキンの交換はレンチを使用し給水管を外し、新しいパッキンに付け替えます。

給水フィルターもしくは水抜栓から水漏れしている場合は、マイナスドライバーを使って劣化した部品を外し、付け替え用の部品に交換します。

便器本体が水漏れしている時

便器本体が水漏れしている時

トイレの水漏れで床まで濡れてしまっている場合は、便器本体からの水漏れも考えられます。その他の故障と比べて深刻なパターンが多く、補修・修理をしても直しきれない可能性が高いです。

便器本体のひび割れ・破損が原因

従来の便器は陶器で作られていることが一般的ですが、より加工がしやすい樹脂製を採用するメーカーも増えています。使われている素材によって、水漏れの原因や修理の難易度が異なります。

一般的に樹脂製の便器は加工性優れているため多機能な製品が多いですが、耐久性は陶器製の方が高いです。長年にわたり樹脂製便器を使っていると、人が座った際の重みによるダメージが蓄積して、亀裂やひび割れが発生します。破損した場合は便器の交換が必要なため自分での修理は難しいです。

一方、陶器製の便器は衝撃に弱く、硬い物が落下して破損する可能性があります。軽度のひび割れ程度であれば、陶器用の補修ボンドを使って自分で修理できるケースもありますが、荷重がかかりやすい部分では修復してもすぐにひび割れてしまい水漏れの原因となります。この場合は交換を視野に入れ修理を依頼ください。

トイレの設置不良・異常が原因

まれなケースですが、トイレ自体の設置不良や異常が原因となって水漏れすることがあります。具体的には便器と配管をつなぐ排水経路に何かしらの原因がある場合でなどです。外観からは確認できませんが、便器と配管は床フランジや排水ソケットと呼ばれる専用パーツが使用されていて、パーツ同士の密着性を高めるために粘土状のパテなども多く使われています。この部分が劣化してすき間ができたり、固定用ボルトがゆるんだりすることで異常が生まれて、水漏れが起こります。

いずれも原因は床下や壁の内部にあるため、自分で修理することはできません。設置不良による水漏れは、床面にまで水がしみ出していれば確認できますが、床下で発生している場合は発見が遅れがちになります。住宅本体へのダメージが大きいため早急に修理を依頼しましょう。

トイレの水漏れを自分で修理できない場合は修理を依頼するのがおすすめ

便器本体やトイレタンクの交換、あるいは床下の便器と配管の接続部分の修理を自分で行うのは難しいです。トータルの費用を考えても、自分で工具や材料を揃えたり、トイレを廃棄処分したりするよりも、修理を依頼した方がお得になることもあります。正しく作業を行わないとトラブルがより悪化してしまうおそれもありますので、自分での修理が難しいと判断した場合はお気軽に修理をご依頼ください。

修理を依頼する場合の費用感

トイレの修理を依頼した際の費用相場は、10,000~30,000円程度が目安です。

以下、東京ガスの料金を紹介します。

  • 各種パッキンの交換 / 9,900円(税込)
  • トイレつまりの修理 / 9,900~33,000円(税込)
  • タンク内部の部品交換修理 / 9,900円(税込)+部品費
  • 便器周りの部品やタンク脱着を伴う部品の交換 / 16,500円(税込)+部品費
  • 注)
    2023年4月28日現在の情報です。

本体費用がかかる場合は、便器や温水洗浄便座などの製品グレード、機能によって価格が異なります。

トイレの水漏れを修理業者に依頼する時の注意点

Webで修理業者を検索すると大手から地域密着の工事会社までさまざまあり、どこに依頼すればいいのか迷ってしまいます。「安く修理できます」と宣伝していても、実際に請求された金額が相場よりも高額になってしまった……というケースもあるようです。ここからは費用、作業品質、対応スピードのいずれの面においても安心して任せられる業者選びのポイントを紹介します。

水道局指定工事店に依頼する

業者選びの基準の1つとなるが、水道局の指定修理業者・指定工事店であるかどうかです。指定修理業者・工事店とは各水道事業者から指定を受けた業者のことです。

上下水道の工事を行えるのは、一定以上の施工技術と適正な事務手続き能力のある業者のみに限られています。信頼できる業者の証ともいえるので、依頼前に水道局の指定を受けているかどうかを確認しましょう。

内訳や修理内容について丁寧な説明があるかを確認する

Webで業者を探しているとさまざま情報や評判、レビューを知ることができます。中でも対応が丁寧であるかどうかは業者選びの重要な判断基準です。修理内容を詳しく丁寧に説明してくれる業者であるかどうかを確認してください。

また業者によっては保証やアフターフォロー、各種サポートなどを提供しているケースがあります。安心してトイレを使い続けるためにも、保証やアフターサービスがしっかりしている業者を選びましょう。

なお多くの業者ではいつでも修理を受け付ける、24時間365日体制を取っていることが多いです。夜間や早朝など営業時間外の時間帯に、トイレの不具合が起きても修理業者に依頼しやすいので安心です。
東京ガスでも、水回りのさまざまなトラブル故障・不具合に対応する修理サービスを行っていますので、ぜひご利用をご検討ください。

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東京ガスの修理サービス(パッチョ・水パッチョ)東京ガスの修理サービス(パッチョ・水パッチョ)

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0120-888-777

まとめ

トイレの水漏れトラブルが発生した際の初期対応や、水漏れが起こる原因、自分で修理する際のポイントをまとめました。トイレの水漏れはいつ起こるか分かりません。起こった際は水漏れの被害が拡大しないように、冷静な対応を心掛けてください。

自分で修理することも可能ですが、部品を交換する場合は互換性のある部品を間違いなく準備したり、必要に応じて工具も用意したりしなければなりません。いざ交換しようとした際、サイズや形状が合わない、ナットが固着して手では回せないなどの想定外の事態にもなりかねません。自己判断での修理に自信がない場合は修理をご依頼ください。

特にトイレなど水回りの故障は、いい加減な修理をしていると同じ箇所で再び不具合が起こりがちです。信頼できる業者を賢く選んで修理を依頼することが、トイレを長く安心して使い続ける秘訣です。

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パッチョ/水パッチョ

監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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東京ガスの修理サービス
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