さすてな電気 植林活動レポート

東日本大震災による津波で損傷した蓮沼海岸の「海岸防災林」を再生させるべく2,000本のクロマツの苗木を植林した模様をお伝えします。

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さすてな電気、千葉県の蓮沼海岸で植林活動を実施!

東京ガスは森づくり活動にも積極的であることをご存知でしょうか。2005年7月に開設した「長野・東京ガスの森」では植林と間伐による森林保全を行うなど、持続可能な社会の実現に貢献しようと努めています。

そのような中、新たな電気料金メニューとして「さすてな電気」が2021年6月にスタートしました。この電気料金メニューはCO2排出量が実質ゼロの実質再生可能エネルギーを利用できるのに加えて、新規契約1件につき苗木1本を植林することが大きな特長です。

今回、東京ガスは国土緑化推進機構の「緑の募金」を介してNPO法人 森のライフスタイル研究所に寄付を行い、2023年3月12日に植林活動を実施。皆さまの一つひとつのご契約がクロマツの苗木へと形を変え、千葉県東部の山武市にある蓮沼海岸に植林されました。

ここでは、東日本大震災による津波で損傷した蓮沼海岸の「海岸防災林注)」を再生させるべく2,000本のクロマツの苗木を植林した模様をお伝えします。

  • 注)
    潮害や風害などを防止する林のこと

約3時間で目標の2,000本の植林を達成!

開会式で確かめた、「海岸防災林」復活への想い

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植林活動の参加者の皆さんが現地に集合したのは、午前9時30分。千葉県の蓮沼海岸にある、今回の植林エリアへと歩いていきます。


今回の植林エリア
今回の植林エリア
到着すると、まず開会式を行いました。植林活動を共催する森のライフスタイル研究所 竹垣英信さんは東日本大震災を振り返りながら「津波で被害を受けた海岸防災林を復活させる」という想いを述べます。参加者全員で被災地域に向け黙祷を捧げつつ、植林への想いをひとつにして活動を開始しました。

メジャーで測りながら1メートル間隔で苗木を植える

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最初の工程は、苗を植える場所に目印をつける「マーキング」です。ずらっと一列に並び、きっちりメジャーで測りながら、目印の棒を土に差し込みます。今回は海岸防災林としての役割を期待し、一般的な森の木々よりも狭い1メートル間隔で植えるための目印をつけていきました。

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目印に沿ってスコップで穴を掘ったら、いよいよ「苗植え」を行っていきます。深めに植えてから一度引っ張って根をまっすぐにし、そのあと周りの土を思いきり踏み固めるのがポイントです。隙間を極力なくし、苗が水を吸いやすいようにしました。

苗木に囲まれて記念撮影

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約3時間にわたって懸命に活動を続けた結果、目標としていた2,000本の植林をクリアしました。最後には、自分たちで植えた苗木に囲まれながら記念撮影。皆さん心地よい疲労と達成感をお土産に、それぞれ帰路につきました。

主催者が語る植林活動への想い

「さすてな電気」の企画に携わった東京ガスの福井秀介と、森のライフスタイル研究所 代表の竹垣英信さんに、今回の植林活動にいだいている想いを聞きました。

東京ガス リビング戦略部 福井秀介

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「コンセプトは環境貢献を実感できる電気料金メニュー」

「さすてな電気」は、“サステナビリティ(持続可能性)”が商品名の由来になっているとおり、環境に配慮した新しい電気料金メニューです。私たちはエネルギー会社としてCO2削減に取り組まなければならないという使命を担っており、「さすてな電気」もその一環だといえます。

こうしたカーボンニュートラルの考え方は世界的に広まってきていますが、どちらかというと関心が強いのは企業のほうで、まだ一般の方々にはそれほど浸透していません。そのような状況を踏まえ、「さすてな電気」がコンセプトにしたのは「ご契約者の皆さまに環境貢献を実感いただける電気料金メニュー」です。電気は目に見えるものではないからこそ、「新規契約1件につき苗木1本」という形で植林している姿をお見せすることが重要だと考えました。

そして今回、私自身も参加し、1日に2,000本という植林活動を無事に行うことができました。大変ではありましたが、大勢の方が一致団結すれば、これだけの大きな目標も達成できるのだと感動しました。単純な脱炭素にとどまらず、津波被害林の復興を兼ねているところも素晴らしいことだと思っています。

「さすてな電気」が拡大していき、今回のような植林活動を続けていけば、いずれは「森の維持」という新たな課題に直面しそうです。今後は植林活動だけでなく、森の維持のための間伐なども視野に入れる必要があるでしょう。そうして形を変えながらも、私たちは「さすてな電気」を通じ、末永く環境貢献を続けていきたいと考えています。

NPO法人 森のライフスタイル研究所 代表 竹垣英信

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「植林を一種の“エンターテインメント”にしたい」

私たち森のライフスタイル研究所は2003年に任意団体として誕生し、2005年にNPO法人化しました。ボランティアの方々や企業、行政と協業しながら森づくり活動を推進しています。

この蓮沼海岸では千葉県と協定を結んだうえで、東日本大震災の翌年である2012年から植林活動を始めました。その目的は、津波でダメージを受けてしまった海岸防災林を再生させることです。木を密に植えることで壁をつくってあげれば、陸と海のどちらにもメリットがあるんですよね。

たとえば潮風が住宅地のほうに吹いていくと、鉄が錆びたり、洗濯物がべたついてしまったりします。逆もしかりで、陸からの風がゴミやほこりを運び、海を汚してしまうこともあるのです。私たちはこれらの問題に対応した海岸防災林を自らの手でつくるために、夏は草を刈り、春は木を植えて……という活動をずっと繰り返してきました。

1日に2,000本を植林するのは簡単ではありませんが、皆さんには楽しく、参加者同士でなるべく会話しながら活動するように呼びかけました。「植林を一種の“エンターテインメント”にしたい」という想いがあるからです。私たち以外にも、楽しみながら植林活動を行う団体が増えていけば、日本の森林はよりよくなっていくと信じています。

参加者の皆さんの声

子どもから大人まで、多くのボランティアの方々が参加された今回の植林活動。この日、初めて出会った方々が交流を楽しんでいたり、皆さん笑顔で植林したりしている様子が印象的でした。ここでは参加者の皆さんにお聞きした、活動を終えての感想をご紹介します。

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僕たちは、海の安全を守る蓮沼ライフセービングクラブの一員です。竹垣さんが声をかけてくれ、チームとして3年前から森のライフスタイル研究所の植林活動に参加するようになりました。クロマツの植林2,000本という規模は、実際に挑戦してみると相当大きな数だと思いました。ライフセービングとは違う体力を使うので大変でしたが、そのぶん「森づくりをしているんだ」と強く実感できました。

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エコ関連のイベントに行った際に竹垣さんと出会い、今では家族でいろいろなボランティアに取り組んでいます。植林は参加するたびに筋肉痛になるものの、知り合いができるのも楽しいところですし、これがきっかけで結婚した方もいるそうです。植林本数は「さすてな電気」の契約件数に応じて増えるとのことですが、この蓮沼海岸にはまだまだたくさん植えられる場所がありますし、今後にも期待しています。

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(お父さん)10年ほど前、別の植林活動にも参加しましたが、当時植えた木はもう3m以上に育ちました。今回植林した蓮沼海岸はちょうど飛行機の航路なので一緒に参加した子どもが成長したとき「あそこに植えたね」と懐かしむ日が来ると思っています。環境に貢献できるのも素敵ですし、意気込みすぎずに細く長く活動を続けていきたいです。
(息子さん)僕は高校入試の自己推薦で、この植林活動のレポートを書いて合格しました。楽しみながら、将来的に思い出として語れるような場所を作れるのが魅力ですね。

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私は長野県から参加しており、もともとは福島県で震災関係のボランティア活動をしていました。この蓮沼海岸に来たのは3回目ですが、前回は夏に草刈りをしたので、植林は今回が初めてです。他に私が気になっている活動としては、無農薬のお米を作る取り組みが地元の長野県にあり、まったく関係がない人も農家のお手伝いをして楽しんでいます。今後、東京ガスでもそのようなSDGsへの貢献となるような企画があれば面白そうですね。

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植林活動は土が硬くて疲れますが、大変なぶんストレス発散になりますし、何より自分たちの植えた木がだんだん大きくなって森に発展していくのが嬉しいです。また、今回のようなイベントだと日帰りで気軽に参加でき、みんなで道の駅にも寄れます。植林する場所によっては、ついでに海の家でバーベキューできたり、子どもが海で遊べたりもするので、これからも積極的に参加したいです。

ご参加いただいた方々ありがとうございました。

持続可能な未来を目指して

冒頭で触れたとおり、今回の植林活動の背景には「さすてな電気」の契約者の皆さん一人ひとりの存在があります。植えたクロマツが立派に育ち防災林として機能し始めるには年月を必要としますが、地道な活動の積み重ねこそが持続可能な未来につながっていくと信じ、東京ガスはこれからも植林をはじめ、環境貢献活動を継続していきます。