水漏れのトラブルが発生した時にやるべきことと原因別の修理方法を解説!
公開日:2023.6.21 更新日:2023.10.16
気づかないうちに発生する水漏れ。いつもより水道料金が高くなっていたり、水道を使っていないのに水道メーターが動き続けていたりすると、水漏れが疑われます。
初めて水漏れに遭遇すると慌ててしまいますが、まずは落ち着いて一次対応をすることが重要です。本記事では、水漏れトラブルが発生した時にやるべきことと水漏れの原因別の修理方法について詳しく解説します。
目次
水漏れトラブルが発生した時にまずやるべき4つのこと
キッチンやお風呂、トイレ、洗面所など、家じゅうに張り巡らされている水道管。水漏れしている場所を特定するのは難しいと思う方が多いかもしれませんが、実は自分でも見つけることができます。
一般的な住宅の場合、水漏れが起こる箇所はある程度限られているため、チェックするべきポイントを知っていれば、発生場所の特定はさほど難しくありません。まずは、水漏れの可能性がある時にとるべき4つの行動について説明していきます。
1. 水道メーターを確認する
最初に行うべきことは、水漏れが発生しているかどうかの確認です。チェックポイントは水道メーターです。まずは家にあるすべての蛇口を閉めて、完全に水道を使っていない状態にしてください。蛇口だけでなくエコキュートや電気温水器などに給水が行われていないかも確認します。
完全に水を使用していない状態になった後、水道メーターを目視で確認します。水道メーターにはパイロットと呼ばれる部品があり、水道管を通って水が流れていると回転する仕組みです。
水道メーターの場所は、戸建て住宅であれば道路に面した入口付近や駐車場付近であることが一般的です。マンションなどの集合住宅の場合は、玄関脇のメーターボックス内にあります。蛇口をすべて閉めているにも関わらず、パイロットが回転していれば、どこかで水が漏れている証拠です。
2. 水道の元栓・止水栓を閉める
次に水漏れが起こっている箇所を特定していきます。キッチンやお風呂、洗面所、洗濯機など、水道管から水が供給されている箇所ごとにある止水栓を閉めていく方法で行います。
一旦、すべての止水栓を閉めてみてください。止水栓にはいくつかのタイプがありますが、ハンドルを回して閉めるか、マイナスドライバーで閉めるかのいずれかの方法で対応できます。すべての止水栓を閉めた状態で水道メーターを確認し、パイロットが止まっていれば、どこかの止水栓の先で水漏れが起こっている可能性があります。
一方で、すべての止水栓を閉めているにも関わらず、パイロットが回転している場合は、止水栓がない蛇口、または地面に埋設されている水道管、壁の中に配管されている箇所からの水漏れの可能性が高くなります。
3. 水漏れの原因箇所を調べる
水漏れの原因箇所を調べるには、目視で濡れている箇所を見つけて、一度水分をふき取り、止水栓を開けた状態で再び濡れるかどうかで判断する方法があります。大量に水が漏れているようであれば、簡単に発生個所を特定可能です。
目視では濡れている箇所を発見できない場合は、止水栓がある場所を1つひとつチェックしていく必要があります。1カ所ずつ止水栓を開いてみて、止まっていたパイロットが動くようであれば、その止水栓の先で水漏れが発生していると考えられます。
水漏れ箇所として多いのは、蛇口やシャワー口、トイレタンク、配管の接合部です。蛇口や給水管との接合部には、ゴム製のパッキンやシールが用いられているため、経年劣化によって硬化して水漏れの原因になることが多くあります。他にもナットのゆるみもよくある原因です。
4. 自分で修理できるかを確認
水漏れ箇所を特定できた後は、自分でも修理ができる症状であるかを確認・判断してください。一般的な蛇口や給水管等のパッキンが原因の場合は、ホームセンターでも簡単に交換部品を購入することができます。メーカー指定のカートリッジのような部品は量販店で販売されていなかったり、取り寄せができるとしても入手するまでに時間がかかったりすることが予想されます。
【水漏れの原因別】自分で修理する判断基準と修理方法
水漏れの修理が自分でもできるのか、それとも修理の依頼が必要なのか、判断基準を原因別で解説します。さらに、自分で修理できると判断した場合の具体的な修理方法も紹介しますので参考にしてみてください。
蛇口の水漏れ
蛇口からの水漏れは、主に4カ所のいずれかであると考えられます。原因のほとんどは部品の劣化ですが、以下の基準を元に自分で修理できるかどうかを判断しましょう。
蛇口の水漏れを自分で修理する判断基準
下記のいずれの箇所からの水漏れであれば自分で修理することが可能です。
- 蛇口のパイプ先からの水漏れ
- ハンドル根元からの水漏れ
- パイプ根元からの水漏れ
- 蛇口と取り付け部分からの水漏れ
一方、自分での修理が難しいケースとして挙げられるのは以下の通りです。
- 設置後10年以上が経過している蛇口の場合
-
センサー式蛇口の場合
設置後10年以上が経過している場合は、ナットやバルブに発生したサビが固着し、取り外しに大きな力が必要になったり、バーナーでサビを焼き切ってからの作業が必要になったりします。蛇口の老朽化は、外観の見た目以上に内部がサビで腐食していたり、ナットが固着したりしているケースが多いため、強引な修理は避けた方が無難です。無理に力を加えるとサビでもろくなった配管が破損するリスクもあります。また、手をかざすだけで水が出るセンサー式蛇口の修理は、分解修理に専門知識が必要なため、修理をご依頼ください。
蛇口の水漏れを自分で修理する方法
・蛇口のパイプ先からの水漏れ
蛇口の中にあるコマパッキンの交換による修理が可能です。ナットを緩めて取り外し、交換用のコマパッキンと取り替え、ハンドルとナットを元に戻して完了です。
・ハンドル根元からの水漏れ
ハンドル部分での水漏れもパッキンの劣化が原因です。ナットの取り外し→ハンドルの取り外し→パッキンの交換→ハンドル・ナットの取り付けの順で作業できます。
・パイプ根元からの水漏れ
パイプのUパッキンの交換で対応します。ナットの取り外し→パイプの取り外し→Uパッキンの交換→パイプ・ナットの取り付けの順で行います。
・蛇口と取り付け部分からの水漏れ
蛇口そのものを取り外しての交換が必要です。蛇口本体の取り外し→配管内の掃除(古いシールテープの除去)→シールテープの巻き付け→交換用蛇口本体の取り付けの手順です。
給水管の水漏れ
給水管からの水漏れの原因は、経年劣化による破損や腐食、冬場の水道水の凍結による配管の亀裂などです。給水管の寿命は10~15年ほどと言われていますが、使用している管の素材や地域、使用状況による影響を大きく受けるため、平均よりも早いタイミングで水漏れが起こる可能性も十分にあります。
外観からは異常が確認できなくても、管の内部がサビでもろくなっているケースも多く、サビのつまりや腐食が水漏れにつながります。
給水管の水漏れを自分で修理する判断基準
給水管は壁面の内部に通されていたり、地中に埋設されていたりするため、水漏れを修理するには専門的な知識と技術が欠かせません。給水管での水漏れが疑われる場合は修理を依頼ください。
給水管の水漏れを自分で修理する方法
給水管の水漏れの修理を自分で行うことは難しいと言えますが、水漏れが激しい場合の応急処置であれば自分でも可能です。まずは止水栓を閉めて水漏れを止め、被害が拡大しないようにしてください。
給水管自体に亀裂がある場合、サビなどによる腐食で損傷がある場合は、自分では修理できません。接続部分で起こるごく少量の水漏れ程度であれば、パッキンの交換で修理できる可能性があります。
止水栓を閉め、接続部分の管と同サイズのパッキンと交換します。この方法でも水漏れが止まらないようであれば、パッキン以外の部分が原因である可能性が高いため修理を依頼しましょう。
排水管の水漏れ
排水管は床の下を通っているため、水漏れの発見が難しい箇所です。キッチンの流しの下や洗面所の下部分にある蛇腹状の排水ホースから水漏れしている場合は、自分でも修理が可能です。排水管が破損してしまうと汚水が漏れ、異臭の原因にもなってしまうため、新しいホースに交換してください。
排水管の水漏れを自分で修理する判断基準
通常、給水管と同様に排水管は壁の中や土の中にあるため、自分では修理できないため修理を依頼しましょう。ただし排水ホースが原因の水漏れであれば修理が可能です。
ホースが割けてしまって水漏れしている場合は、補修用テープで応急処置をしましょう。破損・劣化したホースは基本的に修復できないため、接続部分から丸ごと交換してください。
排水管の水漏れを自分で修理する方法
キッチンの流しの下部分や洗面台の下部分にある蛇腹状の排水ホースに破損がある場合、新しいホースへの交換、パッキンの交換で修理対応が可能です。ホースを外した際に汚水が溢れてしまわないようにバケツを設置して、排水ホースを引き抜いてください。流しや洗面台との接続部分はナット式になっているため、手で緩めることができます。
シャワーの水漏れ
お風呂場のシャワーヘッドも水漏れが起きやすい箇所です。ヘッド本体からの水漏れ、ヘッドとホースの取り付け部分からの水漏れ、ヘッドにある止水ボタンからの水漏れなどの症状が多く見られます。
シャワーの水漏れを自分で修理する判断基準
シャワーヘッド本体からの水漏れは、蛇口部分のパーツが経年劣化などで不具合を起こしていると想定されます。シャワーヘッドだけでなく水栓の蛇口からも水漏れしている可能性があるため、併せて確認してください。
水栓本体とシャワーホースをつなぐエルボ部分からの水漏れは、ナットのゆるみが原因の可能性があります。あるいはエルボ内部のパッキンの劣化の場合もあります。
お湯と水を切り替えるハンドル部分からの水漏れや、カランの先端部分からの水漏れは、切り替えバルブの不具合が原因です。
シャワーの水漏れを自分で修理する方法
シャワーの水漏れは、不具合の原因となっている部品を交換することで修理できます。シャワーヘッド本体から水漏れしている場合は、シャワーヘッドを交換してください。ホースとのつなぎ目部分から外せば簡単に行えます。エルボ部分から水漏れしている場合は、ナットの締め直し、またはパッキンの交換で対応可能です。
切り替えバルブが原因の場合は、自分で対応できるケースと難しいケースがあります。基本的には、水栓のハンドルを外してナットを緩め、切り替えバルブを交換するだけの作業です。購入する必要があるのは、お使いの水栓のメーカーや機種に合った専用バルブのみです。ドライバーとレンチがあれば特別な工具も必要ありません。
しかし設置から時間が経過しており、耐用年数を過ぎた水栓の場合は、切り替えバルブを交換しても修理できない可能性があります。また、ナットがサビによって固着していて、通常の工具では外せなかったり、強い力で回そうとして壁内の給水管を破損させてしまったりすることが頻繁に起こります。設置から10年以上経っている場合は、水栓の買い替えを検討しましょう。
トイレの水漏れ
タンク型トイレの水漏れも、多くの場合は部品交換のみで直すことが可能です。トイレの給水管は、蛇口ではなくトイレタンクにつながっているため、接続部分のパッキンの劣化が水漏れの原因となることが多くあります。
トイレの水漏れを自分で修理する判断基準
給水管からの水漏れは、給水栓とトイレタンクが給水管でつながっているタイプであれば自分で修理できます。ナットを取り外し、新しい給水管とパッキンへの交換が可能です。
便器やタンクから水漏れしている場合は、本体にひび割れや破損が起きている可能性があるため買い替えが必要です。大規模な工事が必要なため修理を依頼しましょう。
トイレの水漏れを自分で修理する方法
トイレの給水管からの水漏れの場合は、以下の手順で新しい管との交換ができます。トイレタンクの蓋の取り外し→止水栓を閉める→給水管のトイレタンク接続分と給水栓の接続部分のナットを緩めて外す→新しい給水管とパッキンを取り付けてナットを締めるという工程です。給水管のナットは上側のトイレタンクの接続部分から外すと、管の中に残っている水がこぼれなくてすみます。
自分で修理できない水漏れは修理を依頼する
キッチンや洗面台の蛇口、浴室の水栓を修理する場合、使っている製品との互換性がある部品を用意できれば自分でも交換作業が可能です。しかし設置から長期間が経過している設備では、サビにより給水管と機器の接続部分が固着していて、容易には取り外せないこともあります。
そうした場合は、専用の工具を使っての作業や、水まわり機器だけでなく給水管自体の交換が必要です。力任せに取り外そうとすると、給水管が大きく破損するなど、被害がさらに拡大するリスクがあります。作業が難しいと判断した場合は自分で作業を行わずに修理を依頼ください。
費用の目安
専門業者に水漏れの修理を依頼した際の費用の目安は、一般的にはおおよそ2万円以内です。交換する部品や水栓の種類、修理内容によっても費用に差が出てくるため、詳細は修理業者に問い合わせましょう。
以下、東京ガスの料金を紹介します。
- 各種パッキンの交換 / 9,900円(税込)
- 給水管の交換(フレキシブル管) / 9,900円(税込)+部品費
- トイレタンク内部の部品交換修理 / 9,900円(税込)+部品費
- 便器周りの部品やタンク脱着を伴う部品の交換 / 16,500円(税込)+部品費
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注)2023年4月28日現在の情報です。
上記の修理・交換作業の費用に加えて、部品代・本体代が必要です。便器や温水洗浄便座などは製品グレード、機能によって価格が大きく異なります。
水漏れを修理業者に依頼する前に押さえておくべきこと
修理業者を選ぶ際は、ネットのクチコミ評価なども判断基準の参考になります。対応スピードの早さをアピールしている業者もあれば、修理後の長期保証やアフターフォローを強みにしている業者など、それぞれに個性や違いがあります。急ぎの対応を必要としている場合、あるいは修理費用を重視している場合など、状況に応じて最適な業者を選ぶとよいでしょう。
指定給水装置工事事業者に依頼をする
信頼できる修理業者選びの基準として、各自治体の水道事業者が認めた指定給水装置工事事業者であるかどうかがあります。指定給水装置工事事業者とは「給水区域内における給水装置工事を適正な技術によって施工できる」と認められた水道工事業者のことです。認定を受けるには「国家資格を保持していること」「不正な対応をする業者でないと認められること」などの厳しい条件が設けられています。そのため、修理を依頼する際も信頼できる業者であるかどうかの判断に役立ちます。
見積もりの内容が明確かどうか
水漏れの修理作業は原因や症状、作業環境に応じて変わるため、相場通りの費用になる場合もあれば、修理の難易度が高く費用が高くなってしまうこともあります。そのためWebサイトをみて料金を比較することはやや難しいケースがあります。
問い合わせ時に丁寧な説明をしているか、見積もりの時に費用の内訳や修理内容についてしっかり説明をするかどうか、という点で依頼する業者を選んでみてもよいでしょう。
東京ガスに修理を依頼する
最短当日ご訪問!
24時間365日受付中
まとめ
住宅における水漏れは、蛇口のパッキン交換などの軽度の修理であれば、ちょっとしたDIY経験がある方なら対応可能です。ホームセンターなどで交換部品を購入して修理できるでしょう。
一方で老朽化した水まわりの機器は、外観の見た目以上に内部がサビで腐食していたり、ナットが固着したりしているケースが多く、専門業者の判断なしで作業すると被害をさらに広げてしまいかねません。強引な修理で故障状況を拡大してしまい、余計な出費が増えることがないよう、対応が難しそうな場合は修理をご依頼ください。また設置から10年以上経過した水栓は本体の劣化も進んでいることがあるため交換も検討しましょう。

パッチョ/水パッチョ
監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム
突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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監修者:
東京ガスの修理サービス
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