トイレつまりの解消法!自分でできる直し方や修理を依頼する際のポイント

公開日:2023.6.21 更新日:2024.2.22

水回りのトラブルの中でも、特に困るのがトイレつまりです。排水が上手くできずに汚水が溜まったままになると悪臭の原因になります。排水口が完全につまってしまえば便器から汚水が溢れ出てきてしまうかもしれません。そんな緊急のトラブルが起こった時、手元にある道具を使って解消できる方法を知っておけば安心です。

本記事では、トイレつまりの代表的な症状をはじめ、つまりの原因と予防方法、つまった際の一次対応と自分で修理する方法、さらには修理を依頼するべきパターンや判断する際の基準などをまとめました。万が一の際にも焦ってしまうことがないよう、ぜひ参考にしてみてください。

目次

トイレつまりの症状

トイレがつまってしまう原因によって、起こる症状もさまざまです。異物がつまって完全に水が流れなくなることもあれば、少しだけ流れが悪いと感じる程度のものもあります。つまりやすくなっているまま放置して使用し続けると、さらに重大なトラブルになってしまうことも十分に考えられます。

便器の中の水が少ない

便器の排水口や排水管がつまり、排水不良を起こしていると、普段よりも便器内の水位が低くなります。配管内での異物の引っ掛かりにより、水もしくは空気の流れが遮られていることが原因です。トイレットペーパーがつまると毛細管現象によって水位が下がると同時に、下水のニオイがトイレ内に上がってくるため異臭を放つことがあります。

適正な水位はメーカーによって異なりますが、一般的には便座中央のくぼみに水がたっぷり溜まっていれば正常です。排水口の穴よりも水位が低くなっている場合は、排水不良が起きている可能性が高いため、つまりの原因を取り除く必要があります。

水の流れが悪い・勢いが弱い

トイレの水が流れていかない、水流の勢いが弱いと感じられる原因には、主に2つの可能性があります。1つが便器の排水口のつまり。異物や水に溶けにくい紙などが障害となってスムーズに排水されないケースです。もう1つの可能性として考えられるのがタンクの不具合。タンク内に十分な量の水が溜められずに流れが悪くなったり、水流が弱くなったりする場合にこうした症状が確認されます。

節水のためにトイレタンク内にペットボトルなどを入れる方法がありますが、水が流れにくくなる原因でもあるため、不具合がある場合はタンク内の異物を取り除いてください。その他の原因でもタンク内の水面が基準の水位より低くなっているようであれば、水量が不足している証拠のため、タンクの取扱説明書を確認し水量の調整を行ってください。

異臭がする

本来であれば水を流すことで流れていくはずの排泄物が、排水管・排水口でつまってしまうことで異臭が発生します。長時間にわたって放置していると排泄物の腐敗が進み、さらに異臭の原因になるため早期の対応が望ましいと言えます。また、便器内で水を溜めておくトラップ部分で不具合があり、十分な量の水が溜められない場合、下水の悪臭がトイレ内に上がってきてしまうこともあります。

トイレの異臭に関しては、水の流れが原因でない場合も多いため注意が必要です。便器は水アカや尿石が溜まりやすく、雑菌の繁殖してしまうと異臭の原因になります。アンモニア特有の鼻にツーンとするニオイは、雑菌による悪臭の代表例です。こうした悪臭を解消するには、日常的な掃除が効果を発揮します。普段からトイレ内を清潔にしていても異臭が感じられるようであれば、排水のつまりを疑ってください。

水を流した後に水位が高くなる

水を流すと普段以上に水位が上がってしまう場合も、排泄物や異物の配管つまりの可能性が高いと言えます。完全にはつまらずわずかでも水が流れるスペースがあれば、時間の経過とともに徐々に水位が下がっていきますが、トラブルの前兆であることに間違いはありません。つまりを除去するための何かしらの対処が必要です。

水量で配管つまりを解消しようとして、何度も水を流してしまうと、行き場を失った水が溢れ出るため避けてください。汚水が溢れてしまった場合は布でしっかりと拭き取り、消毒用のアルコールや除菌シートなどで床を掃除して雑菌の繁殖を防ぎましょう。

水を流した後に異音がする

トイレで水を流すと、本来はザーッという水流音だけがしますが、異常があるとゴボゴボといった不快な音がするようになります。異音の発生はトイレトラブルの予兆のため、どのような音が鳴っているのか注意深く確認してください。

便器の中は常に水が貯まり悪臭が上がってくることを防いでいますが、溜まっている水がコポコポと音を立てるような場合や内側から波を打っている状態は、トラブルが発生している信号です。排泄物やトイレットペーパーなどの異物が配管につまってしまい、水や空気の流れを悪くしている可能性があります。

トイレつまりを放置すると起こり得るトラブル

トイレつまりが起こった際は、基本的には放置せずに異物を取り除くなどの対処が必要です。中には、トイレットペーパーなど水に溶けやすい異物が原因でトイレつまりが発生していて、時間が経過することで自然と溶けて解消される場合もあります。目安として2~3時間ほど放置しても解消されない場合は、無理な使用を避けてください。

トイレつまりを放置して使用し続けた場合、より大きなトラブルになってしまう他、集合住宅などであれば階下の住人の方にまで迷惑をかけるおそれがあります。

室内に汚水が溢れ出す

トイレつまりを無視して使用していると、急に汚水が溢れ出てしまい室内にまで流れ込んでしまう可能性があります。溢れ出した汚水は雑菌や汚物に汚染されているため、衛生面での不安があります。

また家電が汚水で濡れて故障したり、壁紙や床材などのインテリアにニオイが染みついたりしてしまい、張り替え費用が発生しかねません。場合によっては張り替え程度では修繕費が収まらず室内全体の消毒作業が必要になる可能性もあります。

階下の部屋へ水漏れする

集合住宅の場合や二階にトイレがある戸建て住宅の場合は、階下の部屋にまで水漏れが影響して、被害がさらに広がるリスクがあります。特に集合住宅において階下の部屋へ水漏れ被害がおよぶと、自分の部屋以外の壁紙やインテリアの修繕費、深刻な場合は家具・家電に至るまで、損害賠償を請求される可能性もゼロではありません。

また、戸建て住宅とは違って集合住宅の場合は、トイレの配管を共有しているケースが多くあります。1つの部屋でトイレつまりが発生すると、他の部屋にまで影響が広がるため、新たな水漏れ被害などを誘発する恐れがあります。水漏れなどの直接的な被害がなくても、汚水の悪臭など悪い影響が出てくるため、早期の対処が欠かせません。

悪臭が発生する

配管つまりが悪臭を引き起こすのは、正常に流しきれなかった排泄物などの異物が腐敗したり、トラップに溜められるはずの水が少なくなり汚水のニオイが漏れ出たりするからです。また便器内の水位が下がっていると害虫も侵入してしまうため、衛生的にも問題があります。悪臭はトイレ内に留まらず、浴室や廊下、さらにはリビングなど室内全体に充満していき、慢性的に強いニオイを放つため早期の対策を取らなければなりません。

トイレが故障する

排水口がつまり気味のまま使用すると、トイレ自体の故障にもつながります。温水洗浄便座や便座にヒーターが内蔵されているタイプは、溢れ出た水に浸かってしまうと電気系統の故障を引き起こします。他にも、温水洗浄便座のノズルから出る水に勢いがなくなる、便座の保温モードが機能しない、温水洗浄便座の水が止まらない、などの症状が発生する可能性が非常に高いです。

最悪の場合は内部の基板部分が故障して、修理対応も難しくなることも十分にありえます。溢れ出た水がコンセントにかかってしまうと漏電にもなりかねません。

トイレつまりで汚水が溢れそうな時の一次対応

トイレつまりで汚水が溢れそうな時の一次対応

水を流した際、便器から水が溢れそうになった場合は、慌てることなく落ち着いて対処すれば大きなトラブルにはなりません。軽いつまりだと思って、何度もタンクの水を流してしまうのはNGです。水の勢いだけではつまりを解消できないばかりか、汚水が溢れ出てしまうのを助長してしまいます。ここでは、汚水が溢れる場合の一次対応について説明します。

1. トイレの止水栓を閉める

もし、便器内の汚水が溢れそうになったら、まずはトイレの止水栓を閉めてください。タンク内への水の供給を止めれば、便器にも水が流れなくなります。流れ出てしまった水は減らせませんが、それ以上水位が高くなってしまうことを回避できるため非常に有効な対処方法です。

焦ってしまわないように、普段から止水栓の位置を把握しておくのがよいでしょう。とっさに止水栓の位置が分からない場合、あるいはトイレタンクの周辺に見当たらない場合は、家全体の水道の元栓を止めることで被害の拡大を防ぐことができます。

また、止水栓が固着して動かないことも想定されます。その際にも水道の元栓から水の供給を止めることで、すでに汚水が溢れてしまったとしても被害の拡大を抑えられます。

2. トイレつまりの原因を確認する

次に取るべき対応は、トイレつまりの原因を確認し特定することです。原因によってその後の対処方法が異なるため、しっかりと確認する必要があります。以下に挙げるのがトイレつまりの原因として多いパターンです。

水に溶けにくいものや異物を流した

水に溶けにくいものや異物を流してしまうと、それらが排水管内に留まり続け、トイレがつまりやすくなります。水に溶けにくいものや異物を便器内に落としてしまった際は、流さずに拾うことが基本です。

誤って流してしまいトイレがつまった場合、原因がティッシュペーパーであれば種類や量によっては時間を置くことで自然に解消するケースもあります。軽度なケースではラバーカップという道具を使って自力で解決することが可能な場合もあります。しかし、ラバーカップでも解消できないような場合や重度なつまりの場合は、業者への修理依頼が必要でしょう。
ラバーカップ(すっぽん)を使ってトイレのつまりを直す方法、正しい使い方を徹底解説!

以下は、水に溶けにくいものや異物の例です。流さないように気を付けるのはもちろん、ポケットなどから便器内に落としてしまわないようにも注意が必要です。

・ティッシュペーパー

トイレットペーパーのストックがなく、ティッシュペーパーで代用するケースがありますが、ティッシュペーパーはトイレつまりを起こしやすい物の1つです。水溶性のトイレットペーパーとは違い、ティッシュペーパーは水に溶けにくいように作られているためです。

・大量のトイレットペーパー、掃除用除菌シート

トイレットペーパーが水に溶けやすいといっても、一度に大量に流してしまうと、塊となって配管につまってしまうため注意が必要です。トイレットペーパーの使用量は1.5メートルほどが適正だと言われているため、それ以上の量を流した場合はつまっている可能性があります。また、水に流せるタイプの掃除用シートや除菌シートも、大量に流してしまうと配管つまりの原因になります。

・生理用品、おむつ

生理用品や紙おむつには吸水性ポリマーが使用されているため、水を吸って2~3倍まで体積が膨れ上がるという特性があります。たとえ使用済みであったとしても給水性能が残っているため、簡単に排水口につまってしまいます。絶対にトイレには流さないようにしてください。

・ペット用のトイレ砂

猫を飼っている家庭で起こりがちなのが、トイレ砂のつまりです。紙おむつなどとよく似た特性があり水分を含んで固形化するため、トイレに流すことは厳禁です。一般に市販されているトイレ砂の中には、トイレに流せることをアピールしている製品もありますが、扱い方を間違ってしまうとトイレつまりの原因につながることがあります。またペット砂だけでなくペットのフンを流すのも、避けた方が良いでしょう。グルーミングなどによって毛を飲み込んだペットが排泄したフンには繊維が多く含まれており、水に溶けにくく、ほぐれにくい特性があるためです。

・残飯

食品は水に溶けづらいため、残飯などの食品を流すのもNGです。特に貝殻や肉の骨などの大きくて固いものは水の勢いで押し流しづらく、配管に留まってつまりの原因になります。また油分を多く含むものも配管に付着しやすく、水流だけでは動かないほど固くこびりついてしまうため、絶対に流さないでください。

・子どものおもちゃやスマートフォンなど

意図せずトイレの中におもちゃやスマートフォンなどを落下させてしまい、そのまま流れてしまうケースがあります。大人であれば落としたことを把握できますが、子どもの場合は気づかないうちに落としてしまったり、紛失してしまったりするため、十分な注意が必要です。

水の量が少なく水流が弱い

水の量が足りずに、トイレが上手く流れないケースもあります。水量が少ないと水圧が弱まるため、汚物やトイレットペーパーがきちんと押し流されません。排水管に滞留して、つまりを引き起こします。

この場合は、タンク内に節水用品やペットボトルを入れるなどの誤った節水対策を行ったことで、タンクに溜められるはずの水の量が少なくなっているケースが想定されるため、タンクのふたを開けて内部に不要なものがあるかどうか確認してください。節水対策でペットボトルを入れている場合は、取り除くことをおすすめします。

また、トイレで流す水量も使い分けが大切です。トイレは「大」や「小」、トイレによっては節水できる「ECO」などレバーやボタンがありますが、いつも「小」や「ECO」を使っているような場合、適正な水量が流れないことがあります。無理に節水を意識せずに、用途に応じて使い分けるようにしましょう。

尿石が溜まっている

尿石とは、便器やその周辺に見られる黄ばみの正体です。尿には尿素やたんぱく質が含まれていますが、雑菌によって成分が変質することで黄ばんだ固形になります。こびりつきやすい性質があり、便器内だけでなく排水管内部にも堆積しがちです。長期的に放置したままでいると、どんどん硬くなり取り除くこと自体が困難になるため、定期的な掃除が欠かせません。また尿石は悪臭の原因でもあるため、トイレを快適に利用するためにも、こまめな掃除をおすすめします。

尿石づまりを自力で解消する際は、市販のトイレ尿石除去剤や酸性洗剤を使用します。それでもつまりが解消されない場合は、修理業者などへの依頼を検討しましょう。

屋外の下水管の不具合

一般的に、住宅から流れ出る排水や汚水には異物やゴミが含まれているため、公共の下水にダイレクトに流れ込まない仕組みになっています。屋外に排水桝という設備が設置されており、一時的に枡に排水や汚水が溜まり、異物やゴミを沈殿させた上で、下水に排出される仕組みです。

異物は固形物とは限りません。キッチンから排出された油や浴室から流れ出た石鹸カスなどが多く含まれています。こうした異物が冷えて固められ、排水桝のつまりの原因となり、トイレつまりにつながります。

対処法としてはワイヤーなどで排水桝の中の固まっている部分を崩す、水流で異物やゴミを流すなどが挙げられますが、いずれも専用の機材があった方が安全かつスムーズに作業できるものばかりです。場合によっては排水管内部の確認のような業者でないと難しい工程が必要なため、業者に相談した方が無難と考えられます。

トイレのつまりはなぜ起こる?トイレの構造から理解

トイレが流れない理由は、そもそも便器がつまりやすい排水構造をしているためとも考えられます。便器の排水路は、トラップと呼ばれる水を溜める部分があり、水が一旦上に向かって流れる構造になっています。排水管がU字に湾曲した形状になっているのですが、この部分が最もつまりやすいとされています。特に水に溶けにくい異物が混入した場合、湾曲部分でつまりやすく水の勢いだけでは流れなくなります。

さらに湾曲した部分を通り抜けたとしても、排水路と排水管の接続部がL字になっているため、ここでもつまりが起こりやすいという弱点があります。

トイレがつまったら自分で直せる?

トイレのつまりには、自分でも直せる場合と修理を依頼しなければ直せない場合の2通りがあります。判断に迷うことも多いため参考になるポイントを紹介します。

自分で直せるケース

つまりの原因がトイレットペーパーであるならば、自分で直すことも可能です。また、便器内で溢れそうになった水が少しずつでも引いていくようであれば、わずかでも水が通るスペースが空いていると想定できるため、自力で直せる可能性が残されています。特にトイレットペーパーなどの水に溶ける水溶性の異物であれば、時間の経過とともに症状が軽減されるため、様子を見るためにも放置してみるとよいでしょう。目安となるのは2~3時間です。これ以上の時間が経っても症状が改善されないようであれば、修理を依頼ください。

修理を依頼するケース

水溶性以外の異物がつまっていることが分かっているのであれば、すぐに修理を依頼するべきです。以下に自分でトイレつまりを直す方法を解説しますが、排水口や排水管につまった異物がさらに奥の部分に押し込まれてしまったり、無理に内容物を取り出そうとして便器や配管を傷つけたりするケースがあるため、無理は禁物です。

具体的には、子どものおもちゃやスマホなどのある程度の大きさがあり固形の異物、紙おむつのような吸水性の高い異物などが挙げられます。こうした固形物が排水管の内部に押し込まれると、亀裂やつなぎ目部分の変形を引き起こし、重大な水トラブルが発生してしまうなど二次被害につながりかねません。

自分でトイレつまりを直す場合に準備すること

ここからは、自分でトイレつまりを直す方法を具体的に説明していきます。作業をするにあたってあらかじめ用意するもの、事前に行っておくべきことがありますので参考にしてください。

用意するもの

  • 大きめのバケツ
  • お湯
  • 重曹、酢
  • ビニール袋
  • ペットボトル
  • 洗剤
  • 針金のハンガー

以上が事前に必要なものです。必要に応じてこれらの道具を使ってトイレつまりを直していきます。

事前に行っておくこと

道具の用意と併せて、事前に行っておく必要があるのは、温水洗浄便座や暖房便座が搭載されている便器から電源プラグを抜くこと、止水栓を閉めておくことの2点です。作業中に濡れた手で電源プラグを触ることがないように、あらかじめコンセントから抜いておいてください。感電や漏電を防ぐためにも、コンセントや電源プラグに水がかからないように配慮しておく必要もあります。

止水栓もあらかじめ閉めておくのがよいので、マイナスドライバーを使って時計回りに回してください。作業中にふとレバーに触れてしまって水が流れてしまうことがないように、タンク内に水が入らないための準備です。タンクの給水用止水栓の他に、温水洗浄便座用の止水栓もあるため、間違えないよう注意ください。

その他には、便器内の汚水が飛び散って壁紙や床を汚さないようにビニールなどで養生しておくのがおすすめです。また汚水から雑菌が広がるのを防ぐために、消毒用のアルコールスプレーや除菌シートなども購入しておくといいでしょう。作業中はゴム手袋をしておくと、手を清潔に保てる上、電源プラグや温水洗浄便座などからの感電を防止できる効果もあります。

スッポンがなくても大丈夫! 7つのトイレつまりの直し方

スッポンがなくても大丈夫! 7つのトイレつまりの直し方

トイレつまりで使用頻度が高い道具にラバーカップがあります。スッポンと呼ぶこともあり、ホームセンターなどで簡単に入手できるメジャーな道具です。トイレがつまった際を想定して1つ用意しておくのが好ましいですが、いざと言う時には家庭にある他の物を使って直すこともできます。ここでは、代表的なトイレつまりの直し方を7つ紹介します。

1. トイレに水を流す

便器から溢れそうになった水をバケツで汲み出し、通常の水位にしてください。次に大きめのバケツに水道水を汲み、便器の排水口をめがけて流します。コツはできるだけ高い位置から注ぎ、滝のように強い勢いにすることです。排水口につまったトイレットペーパーを水の勢いでほぐすイメージで流してください。

この方法だけでも軽度の異物のつまりであれば直すことができますが、水溶性の異物以外ではあまり効果は期待できません。ティッシュペーパーや紙おむつなどが原因でつまっている場合は、他の方法を試してみる必要があります。

2. トイレにお湯を流す

常温の水と比較して、紙などをほぐす効果がより高く得られるのがお湯で流す方法です。40~60度ほどの温度にしたお湯を排水口に向かってゆっくりと注ぎます。紙類であれば、しばらく放置しておくことで上手くふやけてくれる可能性があり、ある程度の効果が期待できます。お湯を流し30分~1時間ほど放置してみましょう。

1度の作業でつまりが解消されないようであれば、何度か試してみるのも効果的です。時間が経っても水位が下がっていない場合は、バケツで水を汲み出してから、再度お湯を注ぐようにしてください。水に比べて高い効果が期待できますが、高温に熱し過ぎたお湯の場合、便器にダメージを与えてしまい亀裂や破損の原因になるため注意が必要です。決して沸騰したてのお湯は使用しないでください。なお、お湯を使った直し方は、水の場合と同様に水溶性の異物以外ではあまり効果は期待できません。

3. 重曹や酢を使う

重曹と酢を混ぜると発生する炭酸ガスで、水溶性の異物をほぐしてしまう方法です。重曹と酢(またはクエン酸)に加えて、50度前後のお湯を合わせて使うことで、より強い炭酸ガスを発生させることもできます。この方法を試す場合は、重曹と酢の量に注意が必要です。大量の重曹と酢を使用すると便器から泡が溢れてしまい逆効果になってしまいます。

使用する重曹の量は、多くても計量カップ1/4程度まで。酢であれば計量カップ1/2程度までに抑えておくのがベターです。泡によるトイレットペーパーの分解が進むよう、ある程度時間をおいて様子を見てください。1時間ほど経ってもつまりが解消しなければ別の方法を検討します。

なおこの方法は酸性・アルカリ性の性質を利用した掃除方法のため、行う前には各メーカー取扱説明書を必ず確認するようにしましょう。

4. ビニール袋を使う

ラバーカップの代わりにビニール袋で直すこともできます。トイレがつまった際、自宅にラバーカップがなかったり、深夜などですぐにラバーカップを用意したりできない場合に試してみてください。

やり方は簡単で、ゴム手袋をはめた手をビニール袋の中で握って拳を作り、排水口に向かって強く出し入れします。穴と拳の間にすき間ができないようにして、水圧を利用して異物を吸い出すようなイメージです。便器内に溜まった水量が多いと作業しづらいため、ある程度の水位になるまで水は汲み出しておくとよいでしょう。

この方法で特に注意が必要なのは、つまりが解消された際にビニールが排水口に吸い込まれてしまわないようにすることです。肘のあたりまでビニールをかぶせて、輪ゴムなどでしっかり固定しておくことをおすすめします。

5. ペットボトルを使う

ペットボトルもビニール袋の場合と同じように、ラバーカップの代用品として使用可能です。500ミリリットルのペットボトルを用意して、底の部分から3センチほど上でカットします。ハサミやカッターナイフでペットボトルをぐるりとカットして、底をなくしてしまいます。その際、ペットボトルの蓋は外しておいてください。

手にゴム手袋をしっかりとはめて、カットしたペットボトルの底を排水口に押し付けます。口部分は手で押さえて完全に塞ぎましょう。こうすることでペットボルがラバーカップと同様の働きをして、排水口内の水を吸い出して逆流させ、異物を取り除けます。何度も押し引きをして異物を吸い出しますが、その際に激しく水が逆流して跳ね返ってしまう他、便器の外にまで飛んでしまうので、周囲を養生しておくとよいでしょう。

6. 洗剤を使う

一般的なホームセンターやドラッグストア、量販店などで比較的簡単に入手できる洗剤を使う方法も有効です。洗剤は強アルカリ性でトイレつまり専用タイプが市販されています。アルカリ性の特長を生かし、汚物を溶かすことでつまりを解消させます。強アルカリ性洗剤は非常に強力な薬品のためきちんと説明書きを確認し、取り扱いには十分に注意してください。

使用する際にはゴム手袋は必ずつけ、酸性洗剤と混ぜて使用するようなことは絶対に避けてください。種類の違う複数の洗剤を併用すると有毒ガスの発生原因にもなりかねません。また、便器の種類によっては洗剤そのものが使用できないケースもあります。特に近年は、陶器に代わって加工がしやすい樹脂製の便器も市販されているため、自宅の便器がどんな素材で作られているかしっかりと確認しておきましょう。

7. 針金のハンガーを使う

クリーニングから返ってきた洗濯物にも付属している針金ハンガーを、ワイヤーブラシの代用品として利用する方法です。使い方を誤ると便器を著しく傷つけてしまうため、実践する際は特に注意してください。作り方は簡単で、ハンガーを一旦棒状に伸ばして、先端部分をペンチなどの工具で輪っか状にします。排水口にも入る程度の小さめの輪にしておくとよいでしょう。

ハンガーを使って異物を除去しますが、無理に奥へ押しやるようなことはせずに、徐々に水が流れていく様子などを確認しながら作業してください。固形物を排水口の奥へと押し込んでしまうと、排水管内部で再びつまってしまい、状況がさらに悪くなってしまいますので、慎重に作業するよう心掛けましょう。

また、針金で便器が傷つく危険性もあるため、よほどの場合以外は奨励されないやり方です。陶器や樹脂製の便器の表面に傷がつくと、汚れが付着する原因になる他、雑菌が溜まりやすくなって黒ずみが目立つようになってしまいます。

道具を使った3つのトイレつまりの直し方

道具を使った3つのトイレつまりの直し方

ビニール袋やペットボトルなど、家庭にある物で代用する方法を紹介しましたが、次にトイレつまり専用の道具を用いた直し方も解説します。いずれの道具も万が一のために常備すると安心のため、購入しておくとよいでしょう。

1. スッポン(ラバーカップ)を使う

トイレつまりに使う代表的な道具がスッポン(ラバーカップ)です。洋式用と和式用があり、いずれの種類もホームセンターやドラッグストアなどで購入できます。価格は100~1,000円ほどです。

以下の方法で使用してください。
1.ビニールシートで便器をカバーし中心に穴をあける
2.便器内の水位が低い場合は、ラバーカップのゴム部分が浸かる程度まで水を注ぎ足しておく
 注) 反対に便器内に溢れるほど汚水が溜まっているようであれば、逆流した汚水がこぼれたり、作業中に跳ね返ったりしない程度に汲み出しておく
3.ラバーカップが便器の排水口に平行になり、密着するように押し当てる
4.ラバーカップ内の空気を押し出すようにして、カップ部分をへこませる
5.しっかりと柄を持ってラバーカップで水流を起こすように勢いよく引く
6.排水口につまった異物が吸い出されてゴポゴポと音が鳴るまで繰り返す
7.つまりが解消されたことを確認してラバーカップを取り出す
8.止水栓を開けて洗浄用の水を流す

上記の方法でも上手く流れない場合は、同じ作業を何度か繰り返してください。ラバーカップは強く便器に押し当てて、力強く引くのがコツです。水はねを気にしてゆっくりと押し引きしても効果は得られません。ある程度は思い切りが必要です。

2. 真空式パイプクリーナーを使う

ラバーカップよりさらに強い吸引力を発揮するのが真空式パイプクリーナーです。ラバーカップとよく似た道具ですが、より強い力で吸引して、頑固なつまりを解消することができます。真空式パイプクリーナーにも洋式用と和式用がある他、製品によってはゴム部分のパーツがサイズ違いで付属している場合もあります。便器の排水口の大きさによって使い分けることで、さらに高い効果が得られる仕組みです。

使用方法は、基本的にラバーカップと同様で、便器内に溜まった汚水の水位を調整して、ゴム部分が浸かるようにしておきます。しっかりと排水口にゴム部分を押し当てて、一気にレバーを引き上げ、排水口や配管につまった異物を吸い上げます。ゴム部分と便器を密着させて真空状態を作り出すことが重要なため、すき間を空けて水や空気が入り込まないように注意してください。一度の作業では便器内に変化がない場合は、繰り返し行うことでつまりを解消できます。

3. ワイヤーブラシを使う

キッチンや風呂場の排水口など、水回りの狭い部分に適した掃除道具がワイヤーブラシです。柔軟に曲がるワイヤー素材で作られておりトイレつまりを直す際にも大いに役立つため、常備しておくのがよいでしょう。ワイヤーブラシは先端を排水口に差し込みハンドルを回しながら押し下げます。入りにくくなったらハンドルを回して先端を回転させます。繰り返しながら汚物や異物を取り除いていきます。

ラバーカップや真空式パイプクリーナーのように、排水口や排水管につまった異物を吸い出すのではなく、ブラシを使って削り取るようにしたり、先端に引っ掛けて引っ張り出したりするための道具です。専門の修理業者も使用することがあり、業務用の製品になると長さが15メートル以上のものもあります。長すぎると扱いにくいため5メートル以下の製品を選んでおくのが無難です。しかし本格的な道具ですが、決して万能ではありません。つまりの原因が排水路の奥の方にある場合や排水桝からの逆流などの場合では、どんなに長いワイヤーブラシを使ってみたところで原因は解消されないため、無理をせず修理を依頼ください。

トイレつまりの修理を依頼する場合の費用感

自分の力だけでは解消が難しいトイレのつまりは、修理を依頼するのが得策です。トイレの排水は複雑な仕組みになっているため、自己流で無理に直そうとすると症状を悪化させてしまい、配管の亀裂や水漏れなどにもなりかねません。

修理を依頼する場合はあらかじめ費用感を把握できていると安心です。修理の料金は修理の難易度や箇所によって異なるため、必ずしも一律であるとは限りません。大体の相場をつかんだ上で、いくつかの業者に問い合わせて比較検討し、納得できる料金の業者を選ぶのがよいでしょう。

すでに便器から水が溢れてしまっている場合は、つまりの原因を取り除かなければなりません。ですが中の状態が見えないため、原因を特定しきれないケースもあり、料金が作業次第になってしまうこともあり得ます。東京ガスの場合、出張診断料・技術料込みで、便器脱着を伴わないつまり除去が9,900円(税込)、便器脱着を伴うつまり除去が33,000円(税込)です。なお修理・交換作業の費用に加えて、部品代・本体代が必要となる場合があります。便器や温水洗浄便座などは製品グレード、機能によって価格が大きく異なります。
注) 2023年4月28日現在の情報です。

あくまで一例ですが、誤って便器内に芳香剤を落としてしまい流れが悪くなった場合のつまり除去作業は、軽作業で済むので通常費用がそれほど発生しませんが、高圧ポンプを使った作業が必要な場合は、一気に費用が跳ね上がる傾向があります。

さらに厄介なのが紙おむつなど吸水性ポリマーなどを含んだ異物の場合です。排水路の奥部分で引っ掛かっているようであれば、便器・タンクの脱着作業が伴うため、トータルで30,000円以上になることもあります。故障箇所に応じて部品交換が必要な場合は、追加で部品費も発生します。

トイレつまりの修理を依頼するときに押さえておくべきポイント

トイレつまりの依頼先は水道業者、水まわり修理事業者、設備会社、設備メーカーなどがあります。持ち家でなく賃貸物件の場合は、まずは管理会社やオーナーに問い合わせするのが一般的です。ここでは、自分で業者を選ぶ時の着眼点を紹介します。

1. 見積もりや料金体系が明確か

トイレつまりの修理作業は形のないサービスであり、つまりの原因や症状、さらにはトイレの種類や作業環境などにより作業内容が変わるため、症状を確認しないと正確な費用はわからないものです。ホームページ等で料金を確認・比較してみて、あまりにも安い金額が提示されている場合は注意が必要です。よくあるトラブルが、実際に作業を行った後、あるいは作業を行う直前になって追加の費用やオプション代金などを上乗せした料金を請求されるケースです。見積もりを依頼する際は、追加費用が発生するかどうかを確認しましょう。

業者から「追加でこうした工事や費用が必要になるかもしれない」と詳細を伝えてくれる場合は安心です。提示された金額が安い・高いだけで判断せずに料金メニューそのものが明確に設定されているのか、説明が具体的かなどを基準に判断してください。

2. 水道局の指定修理業者・指定工事店か

多くの修理業者の中から信頼できる業者を選ぶのは簡単ではありません。そこで業者選びの基準の1つとなるのが、水道局の指定修理業者・指定工事店であるかどうかです。

指定修理業者・工事店とは、各水道事業者から指定を受けた工事店のことです。いわゆる上水道や下水道の工事では、一定以上の施工技術と正確な事務処理が求められます。そうした質を満たしていることを証明する制度が指定工事店制度です。各自治体へ申請して特定の条件を満たした業者のみが認定を受けているので、トイレ修理を依頼する際にも信頼の証となります。

指定要件には、国家資格を保持していることや、依頼主への適切な情報提供ができることなどが含まれています。一般消費者にとっては安心して依頼できる条件であると言えるでしょう。

もちろん非指定業者であっても違法に営業しているわけでなく、実績豊富な業者も数多くあります。ただし、対応できる工事の種類に違いがあるため、やはり指定業者を選んだ方が安心です。

3. 対応スピードが早いか

修理業者選びの基準に、対応スピードの早さを上げる人も少なくありません。基本的にトイレつまりや水漏れといったトラブルは突然起こるものであり、トイレが長期間にわたって使用できない状況というのは大変です。できれば、すぐにでも対応してもらいたいと思うでしょう。

業者の中には24時間・365日体制で修理依頼を受け付けているケースがあります。トラブルは時間を選ばず起こるため、夜間にも受付対応してくれる業者を探すこともあり得ます。修理には家主の立ち会いが必要なため、土日に対応してほしい場合もあるでしょう。費用や工事実績などももちろん重要な判断材料ですが、対応スピードや対応できる時間帯も大切なポイントです。

4. 対応が丁寧か・アフターフォローが整っているか

現在はWebのクチコミなどによって、修理業者の情報や評判、レビューを知ることで、業者の対応が丁寧かどうかを判断できます。また、業者によっては長期の保証やアフターフォロー・サポートに力を入れてアピールしているケースもあるでしょう。気を付けたい点としては、安かろう悪かろうの修理対応をしていないかどうかです。1回の修理費用が安くても修理の質が低ければ、何度もトイレのトラブルが発生してしまって手間や修理費用が何回もかかってしまった……ということになりかねません。そうした不安を解消したい場合は、保証やアフターフォローがしっかりしている業者を選ぶとよいでしょう。

トイレつまりを修理業者に依頼する場合の流れ

いざ修理業者に依頼をしようと思っても、最初に何をすればいいのか迷ってしまうことがあります。あらかじめ依頼の方法と修理までの流れを知っておけば、万が一の際にも安心です。ここでは修理業者に依頼する場合の流れを解説します。

1. 電話やWebで相談・依頼する

Webなどを見て、気になる修理業者や依頼したい会社が見つかれば、まずは電話やWebで問い合わせ・相談をします。トイレのトラブル・故障は時間を選ばずに突然起こりますが、夜間でも受付してくれる業者も少なくありません。

東京ガスでは、トイレはもちろんキッチンなど水回りのトラブル、給湯器・ガスコンロなどの機器の不具合、修理依頼を24時間・365日受け付けています。Web受付でご希望の訪問日時から指定でき、最短で当日訪問が可能なためぜひご検討ください。

2. 修理業者がトイレの状況を確認

修理を行うために、トイレの状況などを修理業者が確認します。作業内容・立ち入り場所を詳細に説明してください。つまりの原因や症状などを受付時に伝えておくと、作業対応がスムーズになります。

3. 修理の見積もりを確認

修理スタッフがトラブルの状況や症状を把握・確認した上で、診断を実施します。診断内容を詳しく説明してくれる業者は、信頼性が高いです。診断結果を基に見積もりが作成され、作業にかかる費用の説明をはじめトラブル解決に最適な方法などをアドバイスしてもらえます。

修理は必ず見積もり内容に対する同意の上で行われるため、費用や作業内容に納得できない部分があれば遠慮なく質問・問い合わせをしてください。ここでも、丁寧に対応してくれる業者は信頼できると判断できるでしょう。逆に診断・作業内容の説明がなかったり、見積もり金額が相場と比較して低すぎたりする場合は注意が必要です。

4. 修理作業を実施

見積もり内容に沿って修理業者の技術者が作業を実施します。工具・機器を運び込む際や作業中に汚れや傷がつかないように、作業前に室内や廊下にシートを敷いたり、壁に養生をしたりする業者もいます。こうした配慮を行う業者は、安心して作業を任せることができます。

基本的に修理作業中は家主も在宅して立ち会うことになります。作業に要する時間は内容にもよりますが、30~60分程度の作業で完了するケースが多いです。

5. 作業完了後、つまりが解消したことを確認

修理作業が完了すれば、内容確認のための立ち会いが必要です。つまりの原因と対応方法の説明を受けたら、つまりがきちんと解消されているかどうか水を流すなどして確認しましょう。水量が十分であるか、異音がないか、異臭がしていないかをチェックする他、作業場周辺に異変がないかも確認しておくと安心です。もちろん、作業終了後に問題に気づいても、すぐに対応してくれるところがほとんどです。心配であれば保証やアフターフォローに関することも質問しておきましょう。

なお東京ガスは修理作業のうち、部品交換を含む施工に起因する不具合について、保証期間内(修理作業完了日より1年)は、修理担当店が無償にて再施工します。

6. 料金の支払い

作業内容に問題がなければ料金を支払います。請求書内容をきちんと確認して、見積もり金額と相違がなければ、その場で修理スタッフに料金を手渡すケースがほとんどです。

支払い方法は基本的に現金です。最近ではクレジットカード支払いにも対応している業者もありますが、念のため現金で用意しておくと安心でしょう。クレジット決済したい場合は、事前に確認しておくのがベターです。東京ガスはクレジット決済、現金ともに対応しています。

東京ガスに修理を依頼する

トイレつまりの再発防止策

トイレつまりが解消されたら、再発しないようにしっかりと対策しましょう。ここでは、トイレつまりを回避するための注意点をいくつかピックアップして紹介します。

一度に大量のものを流さない

トイレットペーパーは、使用後にそのままトイレに流すことを想定されているのは当然ですが、いくら水に溶けやすい特長があると言っても、一度に大量に流すとつまりの原因になります。温水洗浄便座を併用する、トイレットペーパーを少量ずつこまめに流すなどの工夫をするといいでしょう。

また、トイレに流せることをアピールしている除菌シートやお掃除シートも同様です。大量に使用した場合はトイレに流さずに、ゴミとして処分すれば不要なトラブルを回避できます。

水に溶けにくいものや異物を流さない

紙おむつや生理用品、そしてティッシュペーパーなど、紙製品であっても水に溶けにくいものや異物は絶対に流してはいけません。トイレにはトイレットペーパー以外を流さないことが、トイレつまりを回避する鉄則です。

一口に紙製品といっても、水に溶けないように設計された製品やそもそも水分を吸収させたり、濡らして使用したりすることを前提に作られた物が数多くあります。水に塗れても強いということは、水には溶けにくいということです。

適切な水量でトイレを使用する

トイレを流す水量が不足して起こるつまりや故障にも注意が必要です。本来のタンク性能であれば十分な水量を確保できますが、誤った節水方法によって水量が不足して、結果として排泄物やトイレットペーパーが排水口や排水管につまってトラブルになってしまいます。

タンク内にペットボトルなどを入れて節水をしている場合で、流れが悪い、つまり気味であると感じた際には、すぐに取り出してください。また最新のトイレは最初から節水機能が備わっていて、最低限の水量で十分な洗浄力を発揮するよう設計されています。誤った節水対策を避けることで、トイレつまりによる予定外の出費を回避することが可能です。

定期的に便器や排水管を掃除する

長期間トイレを掃除していないと、尿に含まれるたんぱく質などの成分が固形化し、排水管のつまりに繋がります。トラブル回避のためには、便器や排水管の定期的な掃除が有効です。

トイレの周辺に物を置かない

不注意から小物や固形物が便器に落下してしまい、取り出せなくなるトラブルが想定されます。固形物が排水口や排水管につまってしまった場合は、水溶性の物体とは違って取り除くのがとても大変です。自力での解消はほぼ不可能だと考えていいでしょう。下手に排水管の奥にまで押し込んでしまうと、修理費用が大きくなってしまいかねません。

このようなトラブルを回避するには、トイレ周辺に物を置かないように習慣付けすることが効果的です。トイレにスマホを持ち込む人が増えていますが、スマホの落下もよくあるトイレつまりの原因のため、極力トイレには物を置かない・持ち込まないことを意識するのがよいでしょう。

小さい子どもがトイレを使用する際は見守る

子どもは大人が思いもしない行動を取りがちです。興味本位からおもちゃなどを便器の中に入れてみたり、いたずらをしてしまったりします。子どもがトイレに入る際には、おもちゃやお菓子を持ち込まないようにしてください。特に小さな子どもがトイレを使用する際には、大人が見守るようにしてあげましょう。

まとめ

トイレつまりの症状や原因、自力で直す場合の準備や用意する物、さらには実際の修理方法などについて解説しました。トイレは日常生活に欠かせない存在だけに、突然のトラブルに見舞われた時は冷静さを失いがちです。ましてや汚水が便器から溢れ出そうになると、パニックになってしまうかもしれません。そんな突然のトラブルの際も慌てずに、冷静な対処をぜひ心掛けてください。

汚水が溢れそうになった際は、まずは取るべき行動は止水栓を閉めることです。タンクに水が供給されなければ、被害が広がることはありません。一次対応を取った後は、自分での修理が難しそうな場合や、不安な場合は、すぐに修理をご依頼ください。

paccho

パッチョ/水パッチョ

監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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