給湯器にエラーが出たときの確認方法と対処法

まずはご家庭の給湯器のメーカーを調べ、その後に表示されているエラーコードから原因と対処法を確認してください。給湯器のエラーコードは、同じ数字・アルファベットの表記でも、そのコードが示すエラーの原因が、メーカーごとに異なる可能性があります。そのため、メーカーが定めたコードの内容をきちんと把握することが大切です。

お使いの給湯器のメーカーがわからないようであれば、給湯器本体やリモコンに印字されているメーカー名で判別できます。なお、以下の3社以外の機器をお使いの場合は、各社のホームページでエラーコードをご確認ください。

ここからは、給湯器のエラーコードの確認方法を解説します。エラーコードのなかでも頻繁に表示されるものを紹介します。以下の内容を確認して、解決策を早急に導き出しましょう。

給湯器のエラーコードは、本体ではなくリモコンの画面に表示されます。リモコンは浴室や台所、洗面台などに設置されています。リモコンに、お湯の温度や時刻以外の数字・アルファベットが見られた場合には、なんらかの不具合が起きている可能性があります。

エラーコードを確認したら、メーカーごとのコードの一覧や、ご自宅で保管している取扱説明書から、エラーの原因を調べてみてください。

給湯器のエラーコードとしてよく見られる数字に、「111」や「11」があります。一般的にこれが示すのは、点火不良です。

多くの場合、ガスの元栓が閉まっており、給湯器にガスが供給されないことが原因で起こります。エラーコード111・11が見られた際には、まずガスの元栓の開閉を確認しましょう。

ほかの原因としては、ガス点火部品・送排気部でトラブルが起きていることや、地震・台風といった要因で、安全装置が作動してガスの供給が止まっていることも考えられます。機器トラブルの場合は専門業者に依頼する必要がありますが、安全装置の作動の場合には、次項で解説するガスメーターの復帰方法を試すことで解消されます。

ただし、異臭がする場合はご自身での対応は危険ですからお控えください。ガス漏れが疑われるため、窓を開けてしっかりと換気し、早急に専門業者に連絡することが先決です。

給湯器のエラーコード「888」や「88」は、給湯器の標準使用期間(10年程度)を過ぎたことを示し、点検の依頼や製品の交換を推奨するためのコードです。異常が発生しているわけではないため使い続けることも可能ですが、経年劣化によって急に動かなくなるおそれもあるので、特に不具合がない場合にも点検・交換しましょう。

なお888・88と表示されても、メーカーによっては意味が違ったり、指示内容が異なったりする場合もあります。上記で紹介したリンナイ・ノーリツ・パロマの3社は点検・交換で同様の指示内容ですが、ほかのメーカーの場合はコード内容を再度ご確認ください。

以下では、「111・11」「888・88」のほかに多く見られるエラーコードをピックアップし、その原因や対処法をまとめました。

給湯器のエラーの原因と対処法一覧

上記の通り、エラーコードの原因によっては専門業者に点検や修理を依頼しなければならないケースも少なくありません。そのような状態で使用を続けると、より深刻な故障や事故につながる可能性があるため、できる限り早めに依頼することが重要です。

ここでは、給湯器にエラーコードが見られた際の応急処置として、まず試しておきたい効果的な方法を解説します。

【メーカー共通】給湯器のエラーコードが表示されたときの対処法

• リモコンのエラーリセット
• 電源プラグのエラーリセット
• ガスメーターの復帰
• ガスの元栓をチェックする
• できるだけ早く点検や修理を依頼する

なお、ガス漏れが疑われる場合やエラーの原因によっては、ご自身で対処しないほうがよいこともあります。エラーコードの内容を確認してから、これらの対処法を試しても問題がないかご検討ください。

給湯器でエラーが出た場合の応急処置としてまず、リモコンをリセットすることが挙げられます。エラーコードの内容を確認し、ご自身で対応しても問題ない旨の記載がある場合には、以下の手順でお試しください。

給湯器のリモコンをリセットする手順

1. 家のすべての給湯を止める
2. リモコンの運転スイッチを止める
3. しばらく待ってから運転スイッチを入れる
4. リモコンの画面のエラーコードが消えているか確認する
5. お湯を出し、正常に運転するか確認する

この方法は、給湯器内が雨でぬれて一時的に使用できない場合のように、時間を置いてから試すと効果的なこともあります。一度実施してエラーが消えなくても、一定の時間を空けて再度試してみましょう。

リモコンをリセットしてもエラーの表示が消えない場合には、電源プラグを入れ直してみてください。この方法は特に、給湯器の運転が一時的に停止しているケースや、システムエラーが生じているケースに有効です。
手順は以下の通りで、簡単にお試しいただけます。

給湯器の電源を入れ直す際の手順

1. 電源プラグをコンセントから外す
2. 10秒ほど待ってから再度電源プラグをコンセントに差し込む
3. 給湯器のリモコンのエラー表示や動作を確認する

なお、この方法を試すとお湯の温度やお風呂の湯量、時計などの設定がリセットされてしまう可能性があります。エラーを消すために給湯器の電源プラグを抜いた際は、再設定が必要になることを忘れないようにしましょう。

給湯器のエラーの原因が、安全装置の作動によるガスの供給停止にある場合には、以下の方法でガスメーターを復帰してみましょう。

ガスメーターを復帰する方法

1. ガスメーターのランプが点滅し、安全装置が作動していることを確認する
2. 家中のすべてのガス機器を止める
3. ガスメーターの復帰ボタンを押す
4. 復帰まで3分ほど待つ
5. ランプの消灯を確認する
6. ガス機器に異常がないかを確認し、換気を行いつつガス機器を使用する

安全装置が作動しているか否かは、ランプの点滅のほか、ガスメーターの液晶画面の「ガス止め」という表示の有無でも判別できます。こうしたチェック項目で安全装置が作動していることを確認してから、上記の方法をお試しください。

エラーコード111・11の対処法でも確認した通り、なかにはガスの元栓が閉まっていることが原因の場合もあります。その場合には、ガスの元栓を開けることでエラー表示を消せます。家のガス機器の運転をすべて止めてから、ガスの元栓を開けて給湯器のリモコンの画面や運転した際の様子を確認してみてください。

もし、これでもエラーが消えなかったり、お湯が出なかったりするようであれば、ガスの供給自体が止まっているのかもしれません。

上記の方法を試しても効果がない場合や、エラーが一度消えても繰り返し表示される場合には、専門業者に早急に依頼することが大切です。

これらの場合には、給湯器や周辺機器の故障により、修理や交換が必要な可能性があります。専門的な知識・技術がないまま、自身で対処を試みると、状態の悪化やガス漏れ、感電、火災といった事故につながりかねません。早急に専門業者に依頼して、安全にエラーを解消しましょう。

エラー表示の見られる給湯器が、使用し始めてから標準使用期間の10年を超えているものであれば交換をおすすめします。それは、現状使用できていたとしても、各部品の劣化は進んでいるためです。その状態で放置すると、突然故障して「業者が来るまでお風呂に入れない……」と不便な思いをしてしまうかもしれません。また、省エネ性能の上がった最新の給湯器に交換すれば、月々のガス代が抑えられる可能性もあります。

突然のトラブルを未然に防いで、毎月のガス代を節約するためにも、給湯器の交換を検討しましょう。

給湯器にエラーが出たときは、まずメーカーが定めたエラーコードから原因を確認しましょう。原因によっては、リモコンをリセットしたりガスの元栓を開けたりすることで、ご自身で解決できる場合もあります。ご自身で対処してもエラーが消えない、あるいはエラーコードの対処法に点検・修理を推奨する旨の記載がある場合にはすぐに専門業者にご相談ください。