トイレの止水栓(元栓)を閉める方法・開ける方法

公開日:2023.9.26 更新日:2024.2.6

トイレの止水栓(元栓)を閉める方法・開ける方法

トイレの止水栓は単に水を止めるだけでなく、給水する量を調整する役割も担っています。トイレに不具合が起きた際や、部品やトイレ本体を交換する際には、まず止水栓を止めてから作業するため、操作方法を知っておく必要があります。
本記事では、トイレの止水栓とは何かを解説した上で、止水栓の閉め方や開け方を紹介します。止水栓自体が不具合を起こした場合の対処法についても紹介しますので、参考にしてください。

目次

トイレの止水栓(元栓)とは

トイレのタンクや配管、便器から水漏れしている場合、応急処置として止水栓を閉める必要があります。そもそも止水栓とは、水道管とタンクとの間に取り付けられる栓で、水道管からの水の供給を止めたり、量を調整したりする役割を担っています。

給水量の調整は、トイレの各設備において非常に重要です。トイレ周りから水漏れが起きた場合、止水栓を閉めることで被害の拡大を防げます。また、配管そのものや接続部分の各パーツを交換したり、トイレタンクを修理したりする際は、必ず止水栓を閉めてから作業しなければなりません。

止水栓の他にもう1つ、トイレへの給水を止める栓があります。それは、建物全体に水を供給する元栓です。止水栓はトイレへの水の流れのみを止める栓ですが、元栓はトイレだけでなく、キッチンや洗面台、その他の蛇口への水の流れを止めてしまうものです。トイレの止水栓自体に不具合があったり、交換が必要になったりする場合は、元栓を使用して家全体の水の流れを調整します。

止水栓を閉める時に必要なもの

止水栓にはいくつかのタイプがあり、閉めるためにマイナスドライバーが必要なタイプと必要ないタイプに分類されます。

【基本的な止水栓のタイプ】

外ネジ式タイプ

外ネジ式タイプ

止水栓の突起部分がマイナスの溝になっており、サイズが合うマイナスドライバーを使って開閉する仕組みになっているタイプで、多くのトイレで採用されています。マイナスドライバーを溝に合わせて、時計回りに回して閉めることができます。

内ネジ式タイプ

内ネジ式タイプ

マイナス溝が突出していない方式で、マイナスドライバーを円形の穴に差し込んで閉めるタイプです。外ネジ式タイプと比較して、やや作業がしにくいのが難点です。マイナスドライバーを溝に合わせて、時計回りに回して閉めます。

ハンドル式タイプ

ハンドル式タイプ

水道の蛇口と同様にハンドルを回して栓を閉めるタイプです。道具は必要なく、手で回せるメリットがあります。同様に、時計回りに回すと栓が閉まります。

ハンドル式タイプは古いトイレに多く、温水洗浄便座(ウォシュレット注)やシャワートイレ注)など)付きの最近のトイレには、外ネジ式タイプの止水栓が多く採用されています。止水栓を閉め際は、マイナスドライバーを用意しておきましょう。

他に、手が汚れないためのゴム手袋、水で漏れた際に拭き取るぞうきんとバケツ、床や壁に水がはねた時のためのビニールシートもあれば準備は万全です。

【止水栓を閉める時の準備物】

  • マイナスドライバー
  • ゴム手袋
  • ぞうきん、バケツ
  • ビニールシート

トイレの止水栓の閉め方

次に止水栓の閉め方ですが、作業そのものは難しくありません。止水栓の位置を確認して、ドライバーや手で閉めると完了です。この時に回した回数を覚えておくようにしましょう。詳細については、以下で解説します。

1止水栓の位置を確認する

止水栓の位置を確認する

まずは止水栓の位置を確認しましょう。タンクがあるタイプのトイレ(タンクレストイレ以外)の場合は、トイレの壁や床からタンクの給水管につながる箇所に設置されているのが基本です。タンクの給水管を辿っていけば止水栓を見つけることができます。

一方、タンクがないタンクレストイレの場合は、止水栓自体が便器の内部に収納されていることが多いようです。便器のカバーを外して確認しなければならないため、見つけるまでに時間がかかるかもしれません。万が一の水漏れの際に、スムーズに止水栓を閉めて応急処置を取るために、普段から位置を確認しておくことをおすすめします。

2止水栓を閉める

ドライバーを何回回したか覚えておく

止水栓の位置が確認できたら、次に止水栓のタイプを確認し止水栓を止めます。上記で解説したように止水栓には外ネジ式タイプ・内ネジ式タイプ・ハンドル式タイプがあります。

止水栓を閉める前に、温水洗浄便座(ウォシュレット注)やシャワートイレ注)など)がある便器の場合は、コンセントを抜いておくと安心です。また、タンクがあるタイプの場合は、タンク内の水を流しておくことで、止水栓が閉まっていることが確認できます。

外ネジ式タイプ・内ネジ式タイプの場合はマイナスドライバーを使って時計回りに回すと閉まります。ハンドル式タイプの場合はハンドルを手で時計回りに回して閉めてください。

ドライバーを何回回したか覚えておく

冒頭でも解説したように、止水栓には水を止める機能と同時に、タンクへの給水量を調整する機能が備わっています。止水栓を全開にすれば水量が増え、開閉度合いを調整することでタンクに流れる水の量をコントロールできる仕組みです。

そのため、止水栓を閉める際は、ドライバーやハンドルで何回回したかを覚えておく、またはメモしておくとよいでしょう。元の状態に戻す際、閉めた時と同じ回数だけ回せば、調整された水量にセッティングすることができます。

止水栓が固くて回らない時の対処法

元栓を締めることで応急処置が可能

古いトイレの場合、サビや水アカが原因で止水栓が固着して回せないケースがあります。固くて回らない止水栓は、過度な力を加えると破損や変形してしまう恐れがあるため、無理は禁物です。力任せに回したり、ネジ山の溝を潰してしまったりしないよう、くれぐれも注意しましょう。止水栓では水を止めらない時でも、水道の元栓を閉めることでトイレへの給水を止めることが可能です。水道の元栓の位置を確認して、ハンドルを回して閉めてください。

止水栓の開け方と注意点

配管の修理などが完了した後は、止水栓を開けて元通りにしなければなりません。マイナスドライバーを使って、ハンドル式の場合は手動で反時計回りに止水栓を回せば、水道管から給水できるようになります。

止水栓を閉める際に覚えておいた回数と同じだけ回すと、初期と同様に調整された水量に戻すことができます。止水栓を開きタンク内への給水が開始されたら、水漏れなどが起こっていないかを確認しましょう。

なお止水栓は開けすぎてしまうとタンク内への給水が多くなり、タンクからの水漏れにつながります。逆に閉めすぎてもタンク内への給水が少なく、流す際の水勢が弱くなってしまいますので、止水栓を回す回数は特に注意する必要があるのです。

止水栓から水漏れ!どう対処すれば良い?

止水栓本体や止水栓と接続された給水管などから水漏れが生じている場合は、給水フィルターの目づまりやパッキンの劣化が原因であると考えられます。水漏れが確認された際の対処方法は、給水フィルターの洗浄、パッキンの交換が一般的です。

専門の修理業者に依頼すれば、いずれの場合も対応してもらえますが、ご自分で修理・交換する際は、以下の手順で行うことが可能です。

【給水フィルターの洗浄手順】
1.水道の元栓を閉める
2.止水栓を閉める
3.マイナスドライバーを使って給水フィルターキャップを開ける
4.給水フィルターを取り出し水洗いする
5.取り外した逆の手順で給水フィルターを取り付ける
6.止水栓と元栓を開けて給水を確認する

【ゴムパッキンの交換手順】
1.水道の元栓を閉める
2.バケツを設置して配管内の残水を受ける
3.止水栓のナットを緩めて外す
4.止水栓内の三角パッキンを取り外す
5.スピンドルを反時計回りに回して外す
6.スピンドル下にあるコマパッキンを取り外す
7.交換用の新しいコマパッキンを設置する
8.スピンドルを元通りにセットして閉める
9.新しい三角パッキンに交換
10.元の通りにナットを閉める
11.元栓・止水栓を開けて水漏れを確認

作業が難しい場合は修理を依頼しよう

止水栓の閉栓や水漏れの修理・交換作業は難しいと感じることもあるでしょう。その際は無理に作業せずに修理を依頼してください。

先述のように、止水栓の内部や配管との接続部分でサビや水アカによる固着が生じている可能性もあります。過度な力を加えることで、止水栓のマイナス溝をドライバーでナメてしまったり、配管そのものを傷付けたり変形させてしまったりするケースもあります。

変形した配管や接続部分が新たな水漏れの原因となった場合、さらに被害が拡大するリスクも想定されます。固着した止水栓の開栓やナットの取り外しには、専門の道具や工具が必要になる上、経験のある技術者でなければ対応が難しいケースも珍しくありません。自己判断による作業で破損や損傷が生じてしまうとトイレを使えない期間が長くなり、修理の費用も余計にかかるためくれぐれも無理をしないことが大切です。

修理を依頼する場合のポイント

部品の交換・修理を依頼する際には、症状やお使いのトイレのメーカー・種類などの詳細な情報を伝えておくとスムーズに修理作業が進みます。取扱説明書やトイレ本体に刻印されている型番などで確認可能です。
Webでご依頼される場合は、トラブルが起こっている場所やトイレの外観がわかる写真を添付したり、型番やトイレの使用年数なども記載するとよいでしょう。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

修理にかかる時間に関しては症状や作業内容によって異なりますが、各種パッキン交換やトレイ内部の部品交換であれば1時間程度の作業時間で完了するケースが多いです。東京ガスでは、トイレをはじめとした水回りのトラブルに最短で当日の訪問日時から選ぶことができます。お困りの際はぜひ検討ください。

修理を依頼する場合の料金の目安

修理費用は症状や作業内容により異なります。部品や本体の交換をする場合は、部品費と本体代が修理費用に追加で発生し、出張費・作業料金・部品代でトータルの支払い金額が決まります。

以下、東京ガスの料金を紹介します。

  • 各種パッキンの交換 / 9,900円(税込)
  • タンク内部の部品交換修理 / 9,900円(税込)+部品費
  • 便器周りの部品やタンク脱着を伴う部品の交換 / 16,500円(税込)+部品費
  • 注)
    2023年8月20日時点の情報です。

東京ガスに修理を依頼する

止水栓の閉め方・開け方を理解してもしもの時に備えよう

トイレのトラブルで多い水漏れの応急処置は、まず止水栓を閉めてから作業を行います。配管の交換や修理はもちろん、給水フィルターの洗浄やパッキンの交換の際にも、止水栓を閉めて作業する必要があります。もしもの時にあわてることがないように、普段から止水栓の位置を確認して、開け閉めするための手順を理解しておくとよいでしょう。

また、止水栓自体が原因で水漏れが発生するケースも珍しくありません。原因が止水栓の内部に使われているパッキンの経年劣化であれば、適合するパーツを調達し、ご自身で交換作業も可能です。しかしパーツが分からない場合や作業に自信がない方は修理を依頼すると安心です。

東京ガスでも、トイレをはじめ水回りの修理サービスを提供しています。最短で当日の修理対応も可能で、豊富な実績や分かりやすい料金設定により、お客様から高評価をいただいています。修理予約はWebから簡単に行うことができますので、まずは気軽に問い合わせをしてみてください。

  • 注)
    「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です。
  • 注)
    「シャワートイレ」は株式会社LIXILの登録商標です。

paccho

パッチョ/水パッチョ

監修者: 東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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